「町づくり」本。
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『地域づくりの新潮流』 松永・徳田(2007)
・チッタズロー(スローシティのイタリア読み)は、観光を目的とする
ものではなく、高級な生活の質を求める人々の住む都市を目指す運動。
・インチキと紙一重な虚構性、すなわち祝祭性こそがリゾートの特性。
・ドイツでは、公共交通が独立採算を求められているわけではなく、
環境政策や福祉政策と総合的に組み合わされたツールとして位置づけ。
・背後には共通して何らかの「ネットワーク」が有効な形で形成され、
それを充分に活用しているという事実。
・素晴らしい地域活動が孤独化せずに、よりフラットな横方向の
ネットワークを形成することによって、各地域の特色を再認識する
ことも可能になるし、各地域が持っているノウハウの伝達性の高速化
にも繋がるに違いない。
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『スローな未来へ』 島村(2009)
・行政任せにしない市民力。
・日本人が最も取り戻すべきは、(イタリア人のような)
郷土愛と揺るぎない誇り。
・都心から通えるオーガニック先進地
「食とエネルギーの自給」を目指す小川町。
・とうふ工房わたなべの「逆流通革命」
・地域を元気にするには、料理人と知識人、生産者という
三者がタッグを組むこと。
・地域活性化とは、住民に活力と気力がみなぎっているかということ。
・地産地消も、地域の料理力を上げるのも、普通の主婦からが一番。
・森林維持対策としての「企業の森」
・楽しそうに暮らしている人、何事にも前向きな人には、引力がある。
郷土への愛着もいっこう隠そうとしない。そういう大人たちの作る
磁場に、若者たちは理屈抜きで感応するのかもしれない。
・海士町 島前高校に「地域創造コース」という学科を設ける。
高校生がが商品開発や実地のガイド、町づくりをしていくことで、
郷土愛が深く、起業家精神に富んだ人材を育てたい。
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『日本版スローシティ』 久繁(2008)
・まちづくりは、地域市民のライフスタイルを尊重し実現する手段
・欧米では、余暇をカップル二人の時間を尊重しながら、家族揃って
外出を楽しむ。
日本のファミリーは、余暇のイニシアチブは子供(の年齢)にある
・西欧では、行政、民間事業者(カフェ)、利用者(市民)の三者が、
その場を公共空間であることを強く意識した場の使い方をしている
・日本の都市景観が醜い本質も、「公共空間私物化」の精神が根底にある
・人は開放的な屋外での飲食を好む。
・スローシティは、地域固有の文化、風土を活かす都市を目指す
・スローシティ 5つの要件:
1)ヒューマニズム:人間中心の公共空間をゆっくり歩ける
2)スローフード:地域固有の食をゆっくり味わえる
3)関与:地域固有の文化、物語に、市民が関与(参加)できる
4)交流:ゆっくり話せる、観れる、癒される
5)持続性:市民のライフスタイル、意向を把握する
・閉鎖型コミュニティーの町づくりは、中高年男性の論理と意見で
ことが進みがち。
・目指すは、女性、若者が関与しやすい開放型コミュニティー
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『地方は活性化するか否か』 小林(2015)
・地域活性化の本質は、「にぎわいで、カネを作る」こと。
「カネで、にぎわいを作る」ことではない。
・地域活性化は、その地域がお金を稼ぐことに尽きる。
ビジネスと同じ。
・失敗例
1)参加しただけで満足
2)補助金でとりあえずイベント
3)他の地域の事例を安易にまねる
4)ちょっと叩かれるとやめてしまう
・地域活性化のキーパーソン
「よそもの(客観視)」「わかもの(勢い)」「ばかもの(発想力)」
「きれもの(バックアップ)」
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『ふるさとを元気にする仕事』 山崎(2015)
・千葉県松戸市の「すぐやる課」
住民が町の「お客様」になってしまっている
・本多静六が、盛んに使っていた言葉「仕事の道楽化」
・課題先進地は、都市部ではなく、中山間離島地域。
・個人事業主という選択肢を若者に。
・地域の人たちが困っていることを能動的に探していく「便利屋」
・町でできる仕事はいっぱいある。
・若い世代は、商売やイベントのアイデアをいっぱい持ってるし、
やる気もある。もっていないのは、資金だけ。
空き店舗を無償で貸し「儲かったら少しずつ返してもらう」
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『コミュニティデザインの時代』 山崎(2012)
・屋外空間を使いこなす主体については、地縁型ではなく、
テーマ型コミュニティーを集める。
・日本の人口は、3500万人ぐらいがいいのではないかという説がある。
・町や流域で生活できる適正な人口規模を見据え、その人口に落ち着く
までのプロセスを美しくデザインすることが肝要。
・参加費をもらいながら、公園の自然回復に協力を得ている。
・まちの活性化とは、まちを構成する一人ひとりが活性化することであり、
つまり「よし、やるぞ!」という活力を得ることのはず。
・地域の人脈図(コンステレーション(星座))を描けるように。
・参加者が出したアイデアを瞬時に昇華させて、その人が言葉にできなかった
アイデアとして提示し直す。そのためには、事例の勉強が大事。
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『人口減が地方を強くする』 藤波(2016)
・仕事がないところに、人は定着できない。
・地方創生は、地域住民自らが身を切る覚悟で取り組むべきものであり
住民自らが変わることであるといえる。
・Iターンよりも、まずはUターン。
まずは、Uターンをターゲットとして、若い世代の取り込みを検討すべき。
・行政が考えるべきは、移住先や空き家の紹介よりも、仕事と人のマッチング。
・自治体同士で、若い世代を奪い合うのではなく、
より魅力的な仕事を増やすことに注力すべき。
・地域の課題を解決する「なんでも屋」を育成。
・資源の多目的、異分野利用で、フル活用。使い倒す。「範囲の経済」を目指す。
同一製品を多く作り、コストを圧縮する「規模の経済」と対になる概念。
・人口を集めることに固執せず、持続的な雇用を創出すること。
・地域で収益を上げ、持続的な経営を図ろうとする企業を増やすこと。
・企業誘致よりも、地元企業を逃がさないことが大事。
・クラウドファンディングなどで、不特定多数の人から評価を得た事業は、
一定の事業性や持続可能性が担保されたと考え、銀行が融資する。
・若い世代には、彼らの生活だけではなく、その子供の世代を養育し、
高い教育を与えるだけの所得が必要。
・中山間地域は、「豊かな田舎」になることを目指すべき。
・人口減少が進む日本において考えるべきは2つ。
1)若い世代の所得を引き上げること
2)人が減っても暮らし続けることができる環境を作ること
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