「サクセスケースメソッド」のブリンカーホフ教授の本 2冊を読みました。
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The Success Case Method(2002)
・Success Case(SC)アプローチの限界
1)少数のケースしか見ないので偏りがある
2)全員が成功したとは言えないし、言おうとしない
3)平均値を見ない ある人々は成功し、他は成功しない
4)他の厳格で複雑な評価に代わるものではない 一つの選択肢
・SCMステップ
1)SCスタディを計画し、焦点を決める
2)「何が成功なのか」定義する「インパクトモデル」を作る
3)最高と最悪のケースを探すためのサーベイ調査を設計し実行する
4)成功例をインタビューし、文章にまとめる
5)発見、結論、提案をコミュニケートする
・ある会社を支援していく中で、私(著者)は、
-学習したスキルが使用されるという「成功」は、研修の前と後で決まる
-支援的なパフォーマンス環境か、毒性のパフォーマンス環境か
-ベストとワーストのケースを探し、彼らから学べばよい
ということに気付いた。それが、SCMにつながった。
・SCMが合わないのは
-平均を見たい時
-全ての対象者からデータを取りたい時
-トレンドやパターンの変化を見たい時
・SCMは「最も成功」「最も失敗」した少数に着目し、その理由を探るもの。
・サーベイ調査では、フォローの電話インタビューのため、名前を書いてもらう。
・質問項目例(p104)
「新規のサプライヤーとより良い契約を結ぶために、○○ツールを使った」
1)使った、そして明確で肯定的な結果を得た
2)使った、だが、明確な結果はまだ出ていない
3)何とか使った、だが、結果が得られるとは思えない
4)使わなかった
・40~50名の参加者が、いれば十分に有効なデータとなる。
仮に、全部で4~50名なら、全員にサーベイ調査を行う。
仮に、400名以上なら、10%のサンプル(4~50名)でOK。
ただ、回答率が50%になる恐れもあるので、
100名に行えば、4~50名分はデータが取れる。
・もし、最終的なSCとして、15名の文書を作りたいなら
1)30名にはインタビューする必要がある(50%は「嘘の成功」である恐れ)
2)「成功」は、サーベイ調査の上位15%から取る
3)30名(15%)の成功ケースを得るには、200名分のサーベイ調査回答が必要。
4)回答率を、80%としたなら、250名分のサーベイ調査が必要。
250×0.8=200 200×0.15=30 30×0.5=15 15名の成功ケース
・電話インタビュー(録音なし)45分。
・インタビューでは「ドリルダウン」深堀して、細かいディテールを聞き出す。
・「Why is this important? なぜ、それが大事なのか?」で、結果やビジネスインパクトを聞く。
「How did you do that? どうやったのか?」で、学習や行動について聞いていく
(インパクトモデルの右側と左側)
・少数、あるいはたった一つの成功例からも、多くを学ぶことができる。
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Telling Training’s Story(2006)
・第1章 AMEX Janのケース ←確かにインパクトがあるストーリー
・もしたった一人の成功例も見つからないようであれば、その研修は失敗。
・研修の失敗要因の80%以上は、研修以外の環境やパフォーマンスシステムにある。
・SCMの5ステップ
1.評価計画を立てる
2.「インパクトモデル」をつくる
(知識・技術→行動→結果→事業目標→企業目標)
3.アンケートにより「成功例」「失敗例」を見つける(記名式)
1)やってみて、良い結果が出た
2)やってみたけど、結果が出なかった
3)やってみたけど、上手くいかなかった
4)やってみなかった
4.「成功例」「失敗例」に、深いインタビューを行う
5.物語として提示する
・研修に焦点を当てた評価では、3つのリスクがある
1)マネジャーとのパートナーシップを過小評価している
2)パフォーマンスシステム要員を無視している
3)評価のフィードバックが間違った人々に対して行われている
もし研修による行動変容や転移を評価したいなら、
評価すべきは、マネジャー行動やパフォーマンスシステムである。
・SCMでは「成功」を次のように定義している:
研修で得た知識やスキルを使うことによる組織への肯定的なインパクトの達成
・法廷に立つ弁護士のように、研修効果を擁護していく。
そのためにも、想定される反論(p115~116)をつぶせるようインタビューをする
・成功例、失敗例への電話インタビュー構造(p118~119)
・バケツを情報で埋めていく
1.成功例 1)何を使った? 2)どんな結果が? 3)何が手助けに? 4)助言があれば
2.失敗例 1)何が邪魔した? 2)助言があれば
・保険会社での経営陣育成の事例 「成功」を次のように定義した:
1)参加者が、研修で学んだ知識やスキルを使い、より良い意思決定をした。その結果
2)会社として、売上が上がるか、費用削減ができた
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次は、ブリンカーホフ先生の下記2冊を読みたいと思います。
Courageous Training: Bold Actions for Business Results (2008)
Improving Performance through Learning(2019)
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参考:
中原先生のブログ 2008年@ASTD
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