Brinkerhoff ブリンカーホフ先生の本(2)

企業内教育担当者向け

ブリンカーホフ教授が共著者の本2冊です。
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『Courageous Training』Mooney,T. & Brinkerhoff,O. (2008)
・「勇気ある/勇敢な研修」の4つの柱:
 1)事業目標ブルドックたれ!
 2)研修成果は、全社的な責任とせよ!
 3)成功/失敗パートナーの心と頭をつかめ!
 4)真実味ある測定と評価で語れ!
・研修のロジック
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・プロである私たちが、研修と成果のつながりを示せないならば、
 現場のマネジャーや研修受講者が、研修と成果のつながりを
 作れるわけがない。
・「インパクトマップ」
 学習成果→重要な仕事上の行動→重要な結果→部門目標→全社目標
・「ハイインパクト学習→成果」モデル
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・通常は、ワークショップに85%、事前に15%、事後に5%の
 労力が割かれている。
・4人のキープレイヤー
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・研修直後アンケートのような儀礼的で、非生産的な評価をやめるべきである。
・研修評価のゴールは、研修の価値をProve証明することではなく、
 研修の価値を、Improve向上させることである。
・Kirkpatrickの「4レベル評価枠組み」を基に、どのレベルの評価が現実的で、
 コストに見合うのかという考え方をするのは望ましくない。
・研修のROIに見合うのは、実際に現場で研修内容を使った
 受講生の数と割合である。彼らが使ってくれれば、投資効果があり、
 使わなければ、研修投資は無駄になる。
・最大の評価焦点は、レベル3にあてられるべきである。
・研修のゴールは「お金を生み出す」ことではない。組織が事業目標と戦略を達成
 するのを手助けする従業員の能力向上である。
・研修の目的は、組織が戦略を実行し、目標を達成する支援をすることである。
・研修評価は、研修の価値を証明するものではなく、研修の価値を向上させるもの
 であり、それは「何が上手くいって、何が上手くいかなかったのか」を発見する
 ことで得られる。
・研修内容を使った誰かと、使わなかった誰かがいるはず。それを平均値にして
 見るからおかしくなる。
・SCMでは、短いサーベイ調査と、深いインタビューを行う。
・「勇気ある研修」の評価プロセス
 1)研修が使われたのか?
  -誰が使い、誰が使わなかったのか?
  -研修のどの部分が使われ、どの部分が使われなかったのか?
  -いつ、どこで、研修が使われたのか? あるいは使われなかったのか?
 2)研修が使われたのなら、どんな成果があったのか?
  -事業に価値がある結果はなんだったのか?
  -研修が使われなかったなら、どんな事業への影響があったのか?
  -研修が今より使われたとするならば、どんな事業価値が生まれるのか?
 3)研修がらより価値を得るとするなら、何をすべきか?
  -人々が研修を使うために、どんな支援ができるか?
  -研修が使われないとしたら何故か?
  -人々が研修をもっと効果的に、もっと多く使うために、できることは何か?
  -研修がもっと頻繁に使われ、良い結果を出すために、誰が何をすべきか?
・「勇気ある研修」のコード(研修リーダーが持つべき背骨や哲学)
 1)開拓者になることを決めよ
 2)研修ベンダーではなく、ビジネスパートナーとして考えよ
 3)顧客の期待をあげよ
 4)抵抗を避けず、受入れよ
 5)戦術は交渉せよ、原則は妥協するな
 6)粘り強くあれ、ゆるむな
 7)クレジットは共有せよ、独り占めするな
・受講者の上司への「インパクト・ブースター」(研修の説明会)
・研修だけで、結果を生み出すことは無い。キープレーヤーや他の要因が連携して
 こそ結果がでる。
・研修単体での成果を測定しようとするのは、間違った戦略である。
・SCMで測りたいのは、研修がいかに良かったかではない。組織がいかに上手に
 研修を使ったかである。
・Advantage Way System (第一著者が属するコンサルティング会社の手法)
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『Improving Performance Through Learning』Brinkerhoff,R.他(2019)
・HPLJ:High Performance Learning Journey
・HPLJの概念的基盤
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・「70:20:10」モデルは、M.McCallによって、1960年代に唱えられ、その後、
 M.LombardoとR.Eichingerによって、1996年に提示された。
・「Training Industry」が、2018年に大規模調査を行い
 「OSF:On-the-job, Social, and Formal sources ratio of 55:25:20」を発表した
 https://www2.trainingindustry.com/Deconstructing_70-20-10
  
 https://trainingindustry.com/content/uploads/2018/07/Deconstructing_702010_Preview.pdf
・HPLJが必要な時
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・ビジネスリーダー達の多くは、研修をネガティブにとらえている。
・研修成果のロジック
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・HPLJでは、多くの活動を、仕事環境に埋め込んでいる。そのため伝統的な研修
 アプローチより、低コストとなる。
・HPLJの評価目的:
  Formative(形成的)Summative(総括的)Forward Looking(前向き)
・Fordら(2019)が提唱した「5種類の転移」を参考に「8種類の転移」を提唱したい
 1.Crawl 這う
    Noticing 気づく Assessing 測る Trying out 試す
 2.Walk 歩く
    Explaining 説明する Adapting 適応する
 3.Run 走る
    Instructing 教える Leading 導く 
    Advancing Theory and Practice 発展させる
・測定と評価にかけられた時間と労力は、無料ではない。
・共著者の会社 Promoto International(スウェーデン)が、2010年のASTDで、
 Brinkerhoff教授と出会い、HPLJに繋がるシステムを開発した。
・学習は、ソロ活動ではない。人と共に歩む旅である。
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投稿者:関根雅泰

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