立教大学院 中原先生にお勧め頂いた「プログラム評価」に関する本です。
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『プログラム評価』安田(2011)
・調査と違い評価では、そのプログラムが「良かったのか(Good)」
「悪かったのか(Bad)」という価値判断に力点が置かれる。
・評価を行うにあたって、すべての人々の価値を加味するのは不可能。
まず誰が評価結果を求めているのかを明らかにし、その人の価値を
最優先に考えるようにする。
・評価者が抱える役割葛藤。科学者として、請負者として。
確かな科学性と、政治的配慮という2つの対立軸が出来てしまう。
・プログラム目標では、人の行動が可視化されやすい動詞を用いる。
・リーダー養成のインパクト理論(媒介モデル)
リーダー養成プログラムの実施
→心の準備ができる(情動面)
リーダーとは何かが分かる(認知面)
リーダーとしてやっていくという動機が高まる(動機づけ)
→リーダーとして望ましい行動がとれる
・ロジックモデルの基本形
インプット→アクティビティ→アウトプット→アウトカム→インパクト
・満足度は、アウトカムではなく、アウトプットに属する。
・因果関係が成立するために必要な条件:先行性・関連性・唯一性
・ランダム化統制事前事後テストデザイン
介入群 R O X O
統制群 R O O
・プログラムの価値判断には、評価者の主観や価値観が反映される
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『プログラム評価研究の方法』安田・渡辺(2008)
・ニーズ調査アプローチ:
1)地域集荷における調査
2)キーインフォーマントへの聴き取り調査
3)社会指標法
4)フィールド調査
・プログラム目標設定に関する4つのルール:
1)意味合いが強い動詞を使う
2)一つの目標の記述は、一つの文章に限る
3)個々の目標には、それぞれ一つの測定可能なアウトカムが存在
4)目標達成に至るまでの期間を明らかにする
・評価可能性の高いプログラムは、
プログラムのゴールがしっかりと定まっている、
評価結果の利用目的がしっかりとしている、
評価への合意が得られている。
・評価クエスチョンを設定する際には、
まず、誰が何を知りたいのかを検討し
次に、評価結果をどのように利用するかについて情報が大切。
・形成的評価(Formative evaluation)は、Improve(改善)するもの
総括的評価(Summative evaluation)は、Prove(確証)するもの。
・アウトプットは、プログラムが提供された数、量、コストなど。
アウトカムは、参加者への「影響」「個人の変化」という結果。
・アウトカムの査定は、心理学領域における定量的な研究と比べて
格段に難しく、予定通りうまく査定されることは稀である。
評価者が統制しきれない要因がある社会の現場で行われるため、
あらゆる不確定要因が生じてくる。
・実験デザインと、準実験デザインの違いは、それぞれの群わけを
行う際に、無作為配置(Random assignment)が行われるか否か。
・媒介効果(Mediation effect)とは、原因と結果の間にあって、
双方の関係を仲介する要因の効果。
・調整効果(Moderator effect)は、プログラムとの交互作用によって
結果に影響を及ぼす要因の効果。
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