○「学び方」に関する本。仕事(特に文章執筆)にも使える点が多い。
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『Learn Better 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』U.ボーザー(2018)
・現代では、学び方を知り、思考のスキルを身につけなければならない。
・学習の方法を学ぶことは「究極のサバイバルツール」
・リーダーシップとは、人が成長するのを助けること。
・6つの手順:
1)価値を見出す
2)目標を設定する
3)能力を伸ばす
4)発展させる
5)関係づける
6)再考する
1)価値を見出す
・学ぶ意欲を持つには、その対象が自分に関連性があると思わなければならない。
・課せられた知識の習得に意味を探す作業=Learn Crafting ラーン・クラフティング
-この学ぶ対象は、私にとってどう価値があるのか?
-どうすれば、もっと自分に関連性があるようにできるか?
-この知識を自分の生活にどう利用できるか?
・我々は探索する種。意味への欲求とは、発見への欲求。
・切磋琢磨を通じて、周囲の学生が、学習を促すのにとてつもなく寄与している。
・私たちは、意味を知るため、思考を形成するために、学ぶ。
2)目標を決める
・何も考えずに、体当たりで、学習してはいけない。
・有能な教師は、習得しやすい量に小分けして、学生に一口サイズで知識を与える。
・知識は学習の土台。脳は新しい情報を、以前からある情報と「束ねる」
・学習に「コンフォートゾーン」は無い。
・メタ認知(思考についての思考)とは、自分に投げかけるいくつかの問い。
・メタ認知は、地頭の良さより重要だ。
・学習とは、難しくて当たり前。
・親の仕事は、こどもを不安な状態、答えがわからない状態に、慣れさせること。
・学習の苦労と困難を乗り越えるには、社会的支援が必要。
成功への強い期待を集団単位で生み出す。
○比企起業大学でやりたいことも、こういうことなのかも。
3)能力を伸ばす
・減量と体重維持ができる人は、常に自分の体重をモニタリングしている。
・失敗すると、意味を探し求める。
・間違いを禁じることは、疑うことを禁じるに等しく、深い思考を奪う。
・C.ドゥエックの「生まれ派」「育ち派」
育ち派は、努力の価値を信じる傾向が強い。
参考:「やればできる!の研究 能力を開花させるマインドセットの力」https://www.learn-well.com/blog/2009/09/post_275.html
4)発展させる
・人に教えるという学習方法。
・「プロテジェ効果」
・教えるとは、情動に訴える活動。
・専門知識を学ぶとは、思考パターンを変化させること。
・知識経済は、思考経済に変わった。
・多様性が、人を賢くする。
・多様性は、摩擦の増加要因となり、社会的不安を呼び起こす。
5)関係づける
・効果的な学習を行うためには、原因、類似点、相違点を探すべき。
・アナロジーの本質は、比較。2つのアイデアや概念を結ぶ橋。
6)再考する
・過信は、効果的な学習をおおいに阻害する。謙虚であれ。
・分散学習。研修のフォローアップ用教材を、社員のPCに送る。
・学習を、時間的に分散させれば、効果がある。
エピローグ
・学習の方向付けを行う必要性。人は誰でも「自分なりの学習プロセスの主体」にならなければならない。
・アメリカ合衆国教育省の報告書では、小テストの価値を力説し、分散学習の大切さを論じた。説明を求める質問の多用や、別々の事例の間につながりを見出す重要性を説いた。
・学習スタイルの存在を裏付ける研究は無い。
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『How We Learn 脳が認める勉強法』B.キャリー(2015)
・どうすれば脳がもっとも効率よく学習するか
・脳は夜も働きもの。
・脳は無秩序よりも意味のあるものを強く好み、意味のないものを不快に感じる。
・時間や場所を固定すると、学習効率が下がる。
・関連性のある複数のことを混ぜて練習する方が、脳は効率よくパターンを見出す。
1.脳はいかに学ぶか
・余計な情報を忘れるお陰で、脳は大事なことに集中し、求めている情報を思い浮かべることができる。
・忘却のような知的能力は、私たちにとって不可欠なもの。
・一度忘れたことを思い出す傾向=レミニセンス
・忘却とは、記憶の衰退という受動的なプロセスだけでなく、情報をふるいにかけるという能動的なプロセスでもある。
・20世紀半ばの学習の科学で実際に注目を集めていたのは「強化」だった。行動過ぎの研究が真っ盛りだったのだ。
2.記憶力を高める
・分散学習:一度に勉強するより分けたほうが効果的
・ウォズニアックのアルゴリズム:最小限の復習回数
最初に勉強した1,2日後に復習し、その次は1週間後、その次は1か月後に復習するのが最適。
・バーリック家の4人の実験:学習間隔を最大限にあける(2か月)ことを提案
・最初の時間(1/3)は、覚えることに使い、残りの時間(2/3)は、暗礁の練習に使う。
・自分で自分をテストする。テストの実施=検索の練習
・「事前テスト」が有効な学習方法
・事前テストは「望ましい困難」とし機能する。真っ先に正解を覚えるのではなく、まずは答えを推測することにより、作業が少々大変になるのだ。
3.解決力を高める
・問題解決の4つのプロセス:準備、孵化、ひらめき、検証
・脳は、無意識で問題と向き合い続けている
・孵化段階とは、問題に行き詰って意識的に考えることをやめた瞬間から始まる中断(休憩)を意味し、それは突破口となるひらめきを得た瞬間に終わる。
・邪魔が入るという刺激により、その経験が記憶に残りやすくなる。
・最悪のタイミングで邪魔をされると、記憶にとどまる長さが最大になる。
・ツァイガルニク効果
・大きな仕事を抱えたときは、できるだけ早く着手し、行き詰ったら立ち止まる。投げ出すのではなく、抽出を始めるのだと、自信をもって中断すればよい。
○これいいね~。やってみよう。
・学習を研究する心理学者は、2つの陣営のどちらかに分かれることが多い。運動能力を重視する行動重視派と、言葉を重視する学問重視派だ。
4.無意識を活用する
・睡眠の第一の目的は、記憶の安定化。
・睡眠とは学習である。
・睡眠と覚醒は、学習の陰と陽になる。目覚めている時間に最大限に学習し、学習の増加分が小さくなってきたら、睡眠にその役割を譲る。
・睡眠の主たる働きは、日中に作られた取るに足らないネットワークをふるいにかけ、価値のあるネットワークが強固になる手助けをすること。
・睡眠は、目を閉じて行う学習。
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『Learn like a Pro 学び方の学び方』B.オークレー、O.シーヴェ(2021)
・「ポモドーロ・テクニック」25分集中、5分休憩
・携帯電話をわきに置いておくだけで、知的活動を邪魔する
・脳の2つのモード:集中と拡散
・まずは懸命に学習することに集中。その集中を完全にやめたときに拡散する
・運動が、学習と記憶の形成の両方に役立つ。それは、運動によって脳の中に、BDNFが作り出されるからなのだ。
・学習とは、長期記憶の中に、ニューロンの結合をつくり出す作業。
・自律心とは、自分自身をコントロールする能力。
・ゴールに到達しようという強い欲求だけでは不十分で、いつ、どこで、どのようにして、自分のゴールに到達するかという計画が必要。
・速く読むには、豊富な語彙、教養知識、豊かな読書経験が必要。
・過去問を練習台にする。
○事前テスト、ハードスタート、分散学習、関連性、休憩、睡眠、復習って感じでやるといいのかも。
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『学びとは何か』今井むつみ(2016)
・認知科学の視点から学びについて考える。
・究極の学習とは「自分をきちんと客観的に知る(メタ認知)」と「相手の気持ち、考え方、感情を知る(思いやり)」である(羽生善治氏)
・知識は、身体の一部になってこそ使える。
・思い込みの知識が、学習を妨げる。
・改良されるとは、情報処理をスムーズに素早く行うために特化した神経のネットワークシステムをつくること。
・自分が実際に身体を動かして習得しなければ、観察していても、熟達者と同じような脳の働き方にはならない。
・エピステモロジー(知識観)の発達:絶対主義→相対主義→評価主義
・集中するために「ぼんやりする時間」を極力つくる。
・「わからない状態」を抱え、熟成させる。
・創造性は、状況に合わせて、自分独自のスタイルで、問題を解決できる能力。
・探求人を育てるために。「探求エピステモロジーをもつ」「親も探求人に」
・探求人を育てるには、自分が探求人になるしかない。
○これは、そうだよな~。
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