○プラグマティズムをきっかけに、少しずつ哲学本を読んでます。
『哲学の冒険』内山節(2015)
・哲学は、ヨーロッパ社会が生み出した独特の思考様式=論理的に物事の本質をつきつめていく方法
・東洋思想では、論理的な思考を表層的な思考としか見なさない考え方が数多く存在する。
・真理は、知性や論理によっては到達できないところにあると考えるのが仏教思想。
・M.ウェーバーは言う。文化の周辺部分で暮らしていて、別の文化=異文化に心を動かされたり、脅かされたりしている人たちの中から、新しい考えは作られてきた。
・この世に完成した人間などはいない。人はつねに未完成であり、過渡期の人間として生きている。(梅本克己)
・けっして働くことのなかった人たち、それが鴨長明であり、古代ギリシャの哲学者たちだった。
・成り上がることを人間の美徳として肯定する考え方。
・サクセスストーリーを追うという時代精神。
・内部に哲学があるとき、その深さが出てくる。
・哲学の真理っていうのは、科学の真理なんかとは違う種類の真理だって思うようになった。
・自分の思想を確立することは闘い。
・パリコミューンのヴァルランは、労働が量や金ではなく、質によって評価される社会をつくりたいと考えていたと思う。
・「人間にとって・・・」哲学は常にこの問いに帰っていかなければいけない。
・自分の哲学観を述べるために、文学作品を書いた。
・自分の一生をすばらしい作品にするには、哲学が必要。
・20世紀の人々にもっとも影響を与えたのは、マルクス主義と実存主義という2つの哲学。
・実存主義は、人間の精神のあり方を。マルクス主義は、社会そのものを作りかえることを訴えた。
・人間の生きる意味を考え、意味のある生き方のできる社会をつくること、それが現代哲学の課題。
・創造的な労働をしたいという気持ちと、しかしそれができない現実という矛盾の中に立たされている。
・人の真似できな能力を蓄えていくこと、そこに昔の職人の労働の喜びや誇りがあった。
・労働とは何かをつくりだすこと。
・選択できるのは、会社選びというところまで。
・一流とか二流とかの区別をつけておいた方が便利。そのほうが管理しやすい。
・モノを作らない労働。しかし彼らは、人間が生きていく空間をつくり出すという労働をしている。
・本来なら、みんなで助け合いながら一つの仕事をおこない、仕事をとおして仲間や友人が生まれてくるというのが本当。
・お互いが競争し合わなければならない、日本の社会の仕組み。
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『子どもたちの時間』内山節(2015)
・成長とは、生きていく関係の広がり。
・村人がそれぞれ自分の役割をこなすことによって、村が形成されている。
・大都市の市民たちは、自分がこの社会の中で、かけがえのない人間として生きているという実感を失っている。
・自分の仕事を持つこどもの誇り。自分はこの村で必要な人間として暮らしている。
・戦後生まれになると、関係という概念を無視した自己の形成を目指す方向に転換していく。
・本物の学問を身につけるためには、地域性からの脱却が必要。
・それは、知のヒエラルキーを成立させることになる。
・学問は、学問が作り出す結果に対して、もっとおびえる精神を持つ必要がある。
・近代人の精神は、合理主義、発達主義、科学主義、個人主義という4つの主義に特徴をもっているように感じられる。
・知が人間に与える怖さに対して、つねに一定の思慮をもっていなければならない。
・江戸時代、「若者組」という地域教育、および寺子屋教育をつうじて、地域で生きていく人間を育てていた。地域で生きる生き方が身についていれば、どこにいっても通用すると人々は考えていた。
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