○連休中は、長期的に考える材料として「未来」に関する本を読みました。
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『2040年の未来予測』成毛眞(2021)
・新しいテクノロジーに対して、人は懐疑的になる。だからこそ、いち早くその可能性に想いを巡らせられる人にはチャンスがある。
・5Gにより、通信速度が速くなり、情報伝達量が増える。これが世界を変える。
・顧客一人一人に提供されるサービスが、確実にその人に合うように、よりパーソナライズされる。
・V2Gで、車の大容量電池を、電力の貯蔵に利用する。
・年金がもらえないことは無いが、厳しい額が待っている。
・75歳まで働き、年金受給を始めれば、所得代替率は100%を超えることも可能。
・MMT(原題貨幣理論)によると、自国での通貨を発行できる国は、財政赤字により破綻することは無い。
・学校や塾も行きたくなければいかなければよい。代替案としてオンライン教育が整備されるのは間違いないのだから、不登校児も増えるだろう。
・危機に直面しても、テクノロジーで解決の道筋を示してきたのが人類。
・いつの時代も高齢者は将来を悲観し、若者は未来を楽観する。
○この本を材料に、20代のK達の話を聞いてみたいな~。
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『2052 今後40年のグローバル予測』J.ランダース(2013)
・1972年に『成長の限界』が出版されてから40年が過ぎた。
・都市に暮らす人が増えるにつれて、理想とされる家族のサイズが小さくなる。
・世界の総人口は、2040年代初めに、約81億人でピークを迎え、その後は減少していく。
・自発的に子供の数を減らすからである。
・「グロークライン」GrowthとDeclineが同時に起こる。
・2052年以降、一人当たりの平均消費は増え始める。人口が減れば、一人一人の分け前が増える。
・豊かな個人と衰退する社会という組み合わせが、世界経済の標準になる。
・日本では経済が20年ほど停滞しているにも関わらず、現在(2012年)の平均的日本人は、1990年と比べるとずいぶん裕福になった。
・人口減によって可処分所得が増える傾向=グロークライン
・福島第一原発の事故が起きてから、原子力の見通しは暗い。
・大量の牛肉を消費するというアメリカ的な豊かさに背を向ければ、飼料作物の使用が減り、食料価格に対する圧力は弱まる。
・2052年のGDPが予想より低い原因は、労働力の減少と生産性向上の鈍化。
・社会は長期的な利益を考えようとしない。社会の意思は、短期的利益を優先して決められる。
・社会(特に民主主義社会)は、安上がりな解決策を選ぶもの。
・グローバル化の流れは、次第に勢いを失う。
・裕福な国々は最も民主的で、ゆえに最も短期志向。したがってより権威主義的な国が最初に動くことになる。
・全体の幸福が個人の利益より優先されるシステムが、修正資本主義。
・世界は愚かにも意義ある行動を先延ばしにしてしまう。理由は、世界を動かしている民主主義と資本主義が短期志向だからだ。
・2052年に中国は世界のリーダーになっている。
・成長なしで再分配を行う方法を学ぶ必要がある。
・賢明な社会は、GDPを公平に平和裏に分配する方法を見つけ出すだろう。例えば、税金が支える公共事業、ジョブシェアリング、労働日数の制限など。
・米国を除くOECD(日本含む)の人口は、現時点で既に増加が止まっており、2025年以降、緩やかに減り始める。
・新しい幸福の基準を定めることで問題は避けられる。消費が減るという事実を受入れ、以前とは異なる方法によって幸せを追求するのだ。
○1972年は、私が生まれた年。2022年で50歳になる。2052年には80歳。おそらくまだ生きているだろう。
○「グロークライン」「中国がリーダー」が特に印象的。
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『アフターデジタル』藤井・尾原(2019)
・デジタル時代のビジネスは、寄り添い型になる。
・リアルの場所は「密にコミュニケーションできるレアな接点」になる。
・アフターデジタル:デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる。
・リアルの方が「ツール」になる。
・デジタル接点:テックタッチ、リアル接点:ロータッチ(場所)ハイタッチ(人)
・OMOは、顧客から見たら融合している方が便利という顧客視点の考え方。
・属性データは、そこに普段の行動デーがつながって初めて意味あるデータ、価値あるデータになる。
・ソーシャルの時代は、人に教えたくなるような圧倒的な体験が「貨幣」になり、流通される。
・日本の「温かさ」
・「便利にする」という文脈だけでは、差異化できなくなる。
・行動データを使ってエクスペリエンスを良いものにし、エクスペリエンスが良いので行動データが集まるというループを高速で作る。
○コロナのお陰で「アフターデジタル」の考え方が受け止めやすくなったかも。デジタルで接点を作り、リアルは貴重な密度の場として活用し、デジタルでフォローする。顧客と長い関係を築き、寄り添い続けていく。
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『人口減少で日本は繁栄する』日下公人(2005)
・人口の減少期は、文明の転換期。
・人口が減っていけば、一人当たりの余裕ができる。
・「女性はまず若いうちに子供を。大学へ行くのはそれからでもできる」
・A.スミス曰く「生産拡大と貯蓄増強は、結局は消費の為である」
・二宮尊徳が説いた「勤倹貯蓄」は、働くことが美徳と考える日本人にはまった。
・日本社会の中では、少女が一番自由な存在。
キリスト教社会の欧米では、女性は自由がない。
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『人口減少経済の新しい公式』松谷明彦(2004)
・人口の減少高齢化は、日本の「経済規模のわりには貧しい国民生活」という問題を解決する好機。
・需要の大きさは、賃金総額の大きさによって決まる。
・生産能力については、縮小が、企業経営の基本。
・不況というのは、需要の縮小が原因。
人口減少経済では、最初に労働力の縮小により、生産能力が低下する。
不況と人口減少経済は違う。
・投資主導から、消費主導の経済へ。
・戦後日本の経済は、投資財産業が中心で、その工場用地は、東京湾、伊勢湾、大阪湾しかなかった。
・消費財産業の多くは、市場に近い所に立地する。
・年金制度は、究極の平等化。
・GDP世界第二位の経済大国でありながら、賃金水準が低く、余暇時間が短いのが、戦後日本経済における最大の問題点。
・終身雇用、年功賃金制により、勤労意欲と企業への忠誠心を涵養し、低い労働コストで、高い品質の製品を生み出した。
・ある職種に従事し得る能力を「スペシャリティ」と呼び、
よりうまくこなせる能力を「スキル」と呼ぶ。
・収益率、つまり付加価値率の向上こそが、企業存続の鍵。
・人口が減少し、日本経済が縮小しても、確実に増加し続けるものがる。それが「余暇時間」。
○「余暇時間」が増えて、そこで消費する人が増えれば、経済は回る。
消費=お金、時間の使用と考えると、俺はそこに「学習」を置きたい。
自らの学習に、時間とお金をかける(=自己への投資)
それに見合った場(商品・サービス)を提供していくのが、うちの仕事かも。
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『生命科学的思考』高橋祥子(2021)
・生命の原理や原則を客観的に理解した上で、それに抗うために主観的な意志を活かして行動できる。
・そもそも思考というのは、生物学的には多くのエネルギーを消費する行為。したがって、思考しなくても良い環境であれば、生物は極力思考をしないことを無意識に選択する。
・地球上の生命の最大のミッションは、とにかく生き残ること。
・課題があること自体が、より良い未来に向かって常に行動を起こし続けるための「希望」
・利己主義を拡張して、他人の利益も考えられるようになったのが、利他主義である。
・覚悟を決めたなら、葛藤は生じない。
・ある目的を達成したいと考える「同質性」を持つものをまず集め、多少の環境変化にも対応できるための手段として、多様性を確保する。
・人間は完全な意味で自然に生きることなどはありえない。自然と人工は二分できるものではなく、二者のグラデーションの中でしか生きられない。
○「世界標準の経営理論」の勉強会で、宇都出さんから紹介された本。やっぱり面白かった!
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