○ミンツバーグ教授の本。Sさんもおススメしてくれた。
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『マネジャーの実像』(2009、2011)
『Simply Managing』(2013)
・1973年に、博士論文を基に「マネジャーの仕事」という本を書いた。
1.マネジメントがいちばん大事
・マネジャー=指揮者説は、もう捨てた方が良い。
・問題は、リーダーシップの過剰と、マネジメントの不足である
・マネジメントとリーダーシップの両者をいわば「コミュニティーシップ」の一部をなすものと位置付ける。
・マネジャーとはなによりも人々の背中を押す仕事。
・マネジャーとは、組織の全体、もしくは組織内の明確に区分できる一部分(部署)に責任を持つ人物のことと、この本では定義する。
・1920年代に、メアリー・パーカー・フォレットが残した言葉を借りれば、マネジャーは主として「ほかの人たちの行動を通じて、仕事を成し遂げる」
・マネジメントとは、けっして解決しないパラドックスと矛盾とミステリーと向き合う仕事。
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2.マネジメントのダイナミクス
・マネジャーとして成功するためには、様々な業務の上っ面を上手になでられるようになる必要がある。
・成功するマネジャーは、誰よりも大きな自由を手にしている人物ではなく、手持ちの自由を最大限活用できる人物のようだ。
・マネジメントという仕事の本質をとらえた言葉が「計算された混沌」と「統制された無秩序」である。
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3.マネジメントのモデル
・マネジメントのモデル
・マネジメントは、3つの次元で行われる。情報、人間、行動の次元。
・他人に依存する傾向は、地位が高くなるほど強まる。
・マネジャーにとって最も大事なスキルは、数々の局面と長い期間を通じて、多くの課題に対処し続ける能力なのかもしれない。
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4.マネジメントの知られざる多様性
・マネジャーの1日に大きな影響を及ぼしていた要素は「組織のタイプ」と「業種」
・モーガン・マッコールは、1988年の著書で、マネジャー育成の手段として、正式なトレーニングを実施するより、計画的人事異動を通じて、様々な試練を経験させる方が効果的だと強く主張した。
・私も「MBAが会社を滅ぼす」で、従来型のMBAプログラムは分析偏重でバランスを欠いたマネジメントを助長すると指摘し、実務経験のあるマネジャーを対象に自分自身の経験を振り返らせるプログラムを普及させる必要性を訴えた。
・マネジメントスタイルとして、アカデミズムの世界で最も注目されてきたのは、課題志向型と人間志向型の違いだ。前者は「指揮・統制型」後者は「支援・権限移譲型」と呼べばよい。
・マネジメントスタイルの三角形
・マネジャー以外によるマネジメント
・最小型と支援型は、シャン・マーティンが「マネジャーなきマネジメント」で提唱したマネジメント形態である。しかし、最小限の役割を果たすだけにせよ「マネジャーが不可欠」であることは明らかだと、マーティン自身も述べている。
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5.マネジメントのジレンマ
・チェスター・バーナード曰く「折り合いをつけることこそ、マネジャーの役割」なのである。
・マネジメントの13のジレンマ
・上っ面のなで方を磨くことに加えて、もう一つ重要なのが、仕事の中で「ふり返り」を行う能力を育むことである。
・IMPM(国際マネジメント実務修士課程)では、マネジャーが他のマネジャーと一緒に、自分の経験を振り返るよう促している。その参加者の一人が、秀逸な新語を作った。その言葉とは「リフラクション(Reflaction)」。「ふり返り(リフレクション)」と「行動(アクション)」を結びつけることの大切さを良く表現した言葉だ。
○いい言葉!
・優秀なマネジャーは、激しい重圧に曝されているときに、たとえ短い時間でも、一歩後ろに下がって冷静に考えることにより、思慮深い行動をとれる。
・組織にとってマネジャーが暇をもてあますことほど、危険なことはない。
・マネジメントとは、他の人達を通じて、ものごとを成し遂げること。
・大きな組織には、トップと現場を結び付けられるミドルマネジャー層の存在がたいてい不可欠だ。
・昨今の職場で大きな問題を生んでいるのは、現場に口出し過ぎるマイクロマネジャーより、むしろ「マクロリーダー」だ。
・ハードデータの弱点:
1)ハードデータは、ものごとを描写する土台にはなっても、説明する土台にはならない場合が多い。
2)ハードデータは、しばしば過度に集計化されすぎる。
3)ハードデータは、えてして手元に届くまでに時間がかかる
4)ハードデータの中には、信頼性の乏しい情報が驚くほどたくさん混ざっている。
・数字が「統計」という名前で呼ばれるようになると、聖典のごとく権威があり、神聖不可侵なものとみなされるのである。
・目標設定によるマネジメントは、シニアマネジャーの責任逃れに過ぎない。下のマネジャーに押し付けられるだけ。プレッシャーは「組織階層の下部に移された」だけだった。
・傲慢への一線を越えることなく、適度の自信を保ち続けるには。
・健全な自信の裏返しで、謙虚にふるまえる人物をマネジャーの地位に就ける。
・マネジャーの肩書を手にした人物は、自分をあまり重要な人物だと思わないように心掛けた方がいい。
・アメリカの作家 F.スコット・フィッツジェラルド曰く「ある人が第一級の知性をもっているかどうかは、二つの相反する考え方を同時に受入れ、しかもその両方を機能させ続けられるかどうかで分かる」
○ミニ起業家もまさにそう。矛盾するところに、チャンスあり。
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6.有効なマネジメント
・成功するマネジャーにも欠陥はある。マネジャーとして成功する人は、その欠陥が、致命的な弊害を生まないのである。
・組織や社会を健全に保つためには、行動することと配慮することの両方ができるリーダーが必要なのではないか。
・マネジメントの成功と失敗を考える枠組み
・「リフレクト(ふり返る)」という英単語の語源は「折り曲げる」という意味のラテン語だ。
・優れたマネジャーは、振り返りのための時間を取りづらい環境の中で、振り返りを行う方法を見出している。
・「Worldlyワールドリー」になること、すなわち広い視野を持つことだ。
・うまく機能している家族では「敬意をともなった話し合い」が行われる。「親密だけど別々」というのが家族のルールなので、違いがあることが許容されて、対立は話し合いによって解決される。
・関与型マネジメント Engaging Management
・どのような組織でもマネジメントできる「プロのマネジャー」も存在しない。
・時々、研修プログラムのメリットを、数字で知りたいという人がいる。この類の質問を受けると、私はこう問い返している。
「最近読んだ本を思い返してください。その本を読むためにかかったコストを割り出せますか?」この問いにはすぐに答えが返ってくる。本を買うのに費やした金額、読み通すために要した時間を計算すればいい。次に私はこう尋ねる。「なるほど。では、その読書の効用を数字で割り出せますか?あなたがその本から受けた影響を数字で表せれば、ぜひ私に教えてください。私もこのプログラムについて同じことをやってみますから。」
・読書の効用を数字で測定するのは極めて難しい。
○これ、ほんとそうだよな~。
・マネジャーの育成は、組織開発と表裏一体で行うべきである。
・Coaching ourselves https://coachingourselves.com/
・誰もが敬意を払われ、他の人たちにも敬意を払う。(それが自然)
・マネジメントとは本来、いたって自然な活動だと、私は考えている。
○『Simply Managing』(2013)は、『マネジャーの実像』の抜粋版。2013年にAOMに参加した時に、お土産で買った本。
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参考:
ミンツバーグ本(1) https://www.learn-well.com/blog/2021/07/mintzberg1.html
『戦略サファリ』(ミンツバーグ他 1999) https://www.learn-well.com/blog/2013/08/post_392.html
AOM2013 https://www.learn-well.com/blogsekine/cat41/aom_2013/
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