【木曜日32】研修評価本(4)

木曜日

【木曜日32】研修評価本(4)

○ジャック・フィリップス教授関連の本。

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『教育研修効果測定ハンドブック』 J.フィリップス(1999)

・第3版

・評価についての10の神話
 -CEOは要求していない
 -あまりにも多くの変数がありすぎる
 -お金がかかりすぎる 等

・CIROアプローチ
 1.状況評価 2.インプット評価 3.リアクション評価 4.結果評価

・CIPPモデル:状況、インプット、プロセス、成果(Product)

・5レベルROIのフレームワーク

・ほとんどの組織では、ROIレベルでの評価を実施していないのが現実である。
・しかし、近年では、カークパトリックのモデルを改訂した筆者の5レベルROIフレームワークが急激に承認を得てきている。

・顧客満足ツールとしての評価プロセス
・ほとんどのプログラムには、2つの顧客グループがある:一つは参加者。もう一つはマネジャーたち。
・L1、L2は、参加者。L3は、直属の上司。L4は、直属の上司と上級管理職。L5は、上級管理職と経営幹部。

・ROIプロセスモデル

・L4で収集したデータを、金銭的価値に変換する。

・プログラムコスト表の作成
 -プログラムの設計、開発費用、および維持費
 -参加者に配布される教材のコスト
 -準備時間と実施時間も含めたインストラクターのコスト
 -プログラムに必要な設備コスト
 -旅費、宿泊費、食費などのコスト
 -参加者がプログラムに参加する場合に必要な給与プラス手当のコスト
 -管理費および間接費用

・CBR:Cost Benefit Ratio=プログラムの利益/プログラムのコスト
 ROI(%)=プログラム純利益/プログラムコスト×100

・無形の利益を識別する。

・トレーニングの効果を識別するのに役立つ10の方法
0)他の要因の確認:業績向上に貢献したと思われるすべてのキーファクターを明確にする。
1)統制群の使用:採用直後の従業員を2つに分けて、教育を実施する事例。
2)傾向線分析:予測を上回る業績向上分は、トレーニングの結果によるものと考えることが出来る。
3)予測手法
4)参加者による算定:業績に影響を及ぼした要因、起因すると考える向上率、信頼率
5)上司による算定
6)経営職による算定
7)顧客からのインプット
8)専門家による算定
9)部下からのインプット
10)他の要因による効果の計算

・評価における統計の利用には、3つの主要な目的がある
 1)統計は多くの情報を要約することができる(平均値、中央値、最頻値、標準偏差)
 2)統計によって、2つもしくはそれ以上の項目間の関係を決定することができる(相関関係)
 3)統計は2グループ間のパフォーマンスの違いを比較する方法を示す(信頼水準)

・統計を用いる時、できるだけシンプルにすることが望ましい。

・組織の中で尊敬されている人物によって説かれれば、効果的で強力なインパクトを持つ。

参考:

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『越境する対話と学び』

第9章 コミュニティメンバーと共に変容を続ける人材育成マネジメント協会 (堤宇一 2015)

・筆者は教育効果測定の事業化を目標に、ジャック・フィリップス博士とのコネクションづくりのために、2000年を境に何度も渡米を繰り返すことになった。

・フィリップス博士が主宰するROIネットワークに参加するようになり、ボードメンバーとなった。

・2000年10月11日~12日、ジャック・フィリップス博士を招いて「教育研修効果測定ワークショップ」を東京プリンスホテルで開催。

・日本でのプロジェクト内容を、事例として執筆し、ASTDから、2003年に刊行。

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『人的資本:教育を中心とした理論的・経験的分析』 G.ベッカー(1976)

・「すべての資本の中で最も価値のあるのは、人間に投資されたものである」A.Marshall

・職場訓練の2つのタイプ:
 1)一般訓練 general training  2)特殊訓練 specific training

・人間を資本として扱うことに対する根強い抵抗がある。

・訓練を受けた者が去ると、企業は損失を被る
・退職率や一時解雇率は、特殊訓練の量と逆の関係にある。

・教育と能力との間に正の相関関係があるらしい。
・能力ある者ほど、自分自身への投資が多いと言われている。

・人的資本投資でも、あるものは収入に影響を与えない。それは、費用を支払い、資本を回収するのが個人ではなく、人を雇う企業や産業や国家の場合である。

・人的資本は、まさに、発展、所得分配、労働異動、その他今後長期間に起こるであろう多くの問題について考えるのに、重要な役割を担うという判断を、私は抱かざるを得ない。

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・教育を人的投資と見なせば、資本の理論を労働力に適用することにより、教育の収益率などを測ることができる。

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『人的資源管理論の歴史とその評価に関する研究』 朴容寛, 金壽子 (2014)

・HRM人的資源管理は、人的資本論 Human capital theory や行動科学を理論的な根拠としている。

・人的資本論は、人(労働力)を資本として見るもので、人間に体化さえた知識、スキル、訓練、体力などを向上し、価値を高めるための教育訓練等を投資として見做している経済理論である。

・人的資源論は、人間を手段化し、「物扱い」あるいは「ツカイ捨て」にする発想ではないかという批判の声もある。
・「人を、資源と呼んでいいのか」

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R.Torraco(2016) Early History of the Fields of Practice of Training and Development and Organizational Development. Faculty Publications in Educational Administration.15.

・TWIにより、1945年時点で、23,000名の社内講師と約1,800,000名の監督者への研修を実施

・最初の名称は the American Society of Training Directorsであり、その後、the American Society for Training and Development(ASTD)となり、現在のthe Association for Talent Development(ATD)に変わっている。

・Becker(1975,1993)のHuman Capital theoryが、大きな影響を及ぼした。研修を投資として正当化できるため。

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投稿者:関根雅泰

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