「組織行動論」勉強会@立教&Zoom(1)を開催しました。

立教大学院

「組織行動論」勉強会@立教&Zoom(1)を開催しました。

ラーンウェル代表の関根です。

2021年12月6日(月)10時30分~17時@立教大学&Zoomで、「組織行動論」勉強会(1)を開催しました。

企画は、東京大学の池田先生です。

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10時30分~、まずは皆さんの自己紹介からスタート。(13名が参加)

リアルとオンラインのハイフレックス型で、機材は立教大学の加藤さんがご準備下さいました。感謝!

(中原先生のFB記事

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1回目の今回は、6名が担当レジュメを発表し、意見交換をします(発表25分+意見交換20分=45分)

(勉強会の告知ページ

差しさわり無いと思われる範囲で、発表内容と意見交換の様子を共有します。

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●池田先生「資源保存理論 Conservation of Resources Theory」

・資源保護理論 COR理論 
・ストレスに関する理論モデル
・資源の損失を最小限にしようとする。
・資源の損失のほうが、獲得より、影響が大きい。
・チャレンジストレッサー(資源獲得につながる)
 ヒンドランスストレッサー(資源損失)

・チームが挫折した時、レジリエンス資源(自信、即興で動ける等)があれば、回復できるのでは。
・チャレンジストレッサーは、逆U字の関係にあるのでは。あまりにかかりすぎると、マイナスの効果が出る。

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○意見交換

・資源は、概念として広い。
・この理論は使いやすいのでは。色々なものが説明できそう。
・チャレンジストレッサーと経験学習の関係。

・チームの資源とは?個人の持っている資源の集合体?
・資源がどこにあるのか?チームだと、関係性の中?個人の中?

・同僚との人間関係、安全性は、チームの環境に依存する。

・この理論が正しいか実証できているか?
・質問紙調査で、資源を測定している。(例:同僚のサポートがあるか)

・資源という概念を想像したら、説明できる!という大法螺が理論。
・資源と資本の違いは?

・無くした資源を、他の資源で代替できるのか、疑問。
・ストレス研究では使えそう。

・チャレンジストレッサーは、目標設定理論のセルフエフィカシーでも説明できるかも。
・チャレンジストレッサーになるのか、ヒンドランスになるのか、個人の受け取り方次第では。

・減らしながら、増やす、という関係はないのか。
・リソース(資源)が多すぎる。

・たくさん良い武器を持っている人は強いのかも。

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●関根 「自己効力感」

○意見交換

・バンデューラの研究の変遷については、いい線いっている。だいたいそんな感じ。
・長い間、研究をしていくと、色が変わる。
・コアは変わらない。自己効力感、観察学習。

・自己効力感の尺度を作るのは難しい。
・尺度集に載ってるのはいまいち。

・親御さんの影響。親の職業のイメージが、子供の職業観に。
・社会的学習は、抵抗感をなくす。自分の親ができるなら、自分にもできる。
・ピカピカの親の元では、子供達は育たないのかも。
・バンデューラは、後年、アフリカに行って、人々の支援をした。

・言語的説得は、1オン1もそう。
・ちょっとした働きかけで上がる自己効力感と、長期的な人格発達としての自己効力感。

・特性的な自己効力感があるのか?
・自分は何でもできる!というのは、自尊心に似ている。

・研修転移は、ある程度の予測力がある。
・人は自分でできる!と思えないとやらない。
・思い込みでいける人もいる。

・バンデューラは分からない。うなぎみたいな人。
・R.キーガンの発達理論。ステージ4、5の人達。
・Self-authoring 自分の人生は自分で描く。

・リモート環境で働く中での観察学習は?
・リモートでも観察学習はおきている。それができる条件もある。
・お客様との同行は、オンラインの方がしやすくなった。

・論文指導も「がんばれよ!」というだけ。
・この4つ以外にあるのか?
・自己効力感を上げるという方向性の研究は少ない。
・成功体験の積み重ね。

・自己効力感→パフォーマンス
・左側への働きかけ。

・知識を得るには問題ない。リモートでも。
・新人(よく分からない、何をやっているかも)の場合は難しい。
・その人との関係性。
・対面で無いと、学習できないものがあるのか。

・ネガティブな学習もある。反面教師。
・社会にでたら、反面教師が多い。

・「やればできる!」の感覚。やって失敗しても笑われない環境。
・新人の最初の上司の影響。上司が置くリミットが高いと伸びる。もっと高いものを求めている。

・在宅勤務8時間の内、2時間で仕事が終わっちゃう。上司が仕事量を把握してない。指導も面倒なので、放置状態。
・下の人間に高い要求する上司の方が伸びる。

・段取りが考えられると、自己効力感が高まるのでは。

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12時15分~13時30分 昼食休憩です。

せっかくの機会なので、学食に行きます。

ハリーポッターの世界のような学食。

美味しく頂きました。

学食から、勉強会の会場へ戻ります。

キャンパス内のイチョウが見事です。

「腰って、場所はないんだぜ! 絶妙な筋肉のバランスの上に成り立っているのが腰!」と、腰痛について熱く語っている中原先生。

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13時30分~、午後の部スタート!

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●保田さん「コンフリクト Conflict」

・医療の現場は、コンフリクトが起こりやすい。
・コンフリクトは、悪なので、起こさないようという趣旨の論文。
・ただ、常に回避できるわけではないので、対処も必要。

○意見交換

・何に関してのコンフリクトかを追うには、質的研究が必要では。

・コンフリクトの定義づけ自体が難しい。
・看護というコンテクストだと、こんなコンフリクトがある。

・看護師のいじめ研究。日本ではあまり研究されてない。職場いじめの研究も、日本では少ない。
・退職した人に量的調査を行う。
・職場の破壊行動に関する研究はある。

・あるけど、手をつけにくい。
・個人的特性もあるのでは。すぐ沸騰する人もいる。

・集団のダイナミズムをおびるのが、いじめ。

・コンフリクトを構成主義的に見る。
・個人レベルで、ダブルループを更に深くするような学習。

・問題ありのテーマだと、研究のスポンサーがつきにくい。
・「雨降って地かたまる」という成功体験を研究対象にするなら、前向きなものになるかも。

・90年代「日本のいじめ」加害者、被害者、観衆、傍観者、仲裁者。
・コンフリクトも、様々な関係者がいるのでは。

・扱うものがネガティブなものだと、質的が合う。
・「皆がこれを言ってほしかった!」と言うような面白さ。

・「地元の住民は、~と言ってる」と言ってる人は、地元の住民ではない。

・職場に参与観察すると、見えてくる。

・虐待の研究はあるが、いじめは見えにくい。
・「社会的排除=仲間外れ」の研究はある。

・LD開発の中には、意図的にコンフリクトを入れることもある。
・教育的効果として、コンフリクトに期待できることもあるのでは。

・ポジティブな結果もあるが、ネガティブな結果が多い(2つの成功例、8つの失敗例)

・コンフリクト回避にはコストがかかる。

・コンフリクトを、ナラティブで解決していく。

・課題葛藤、心理的葛藤に区分している論文がある。
・ダイバーシティの文脈で語られる。

・仲裁は、政治学の中で扱われている。

・難しいのは、人間関係。心理的葛藤。

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●伊倉さん「チームメンタルモデル」

・チームワークとタスクワークを区別する。
・TMS「誰が何を知っているのか」は、知識の「分有」状態
・SMM:Shared Mental Modelは、知識の「共有」状態を反映。
・タスクワークは、オンラインで対応可能。
 チームワークは、課題が多いのでは。
・バーチャルチームでは、Information Overloadの問題があり、その解決策として、構造的介入がある。

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○意見交換

・どう測定し、どう処理するとよいのか?

・「情報の量と質」「行動の協調」「役割」等を見た論文はある。

・チームだと、Nが少なくなる。
・だから、チームだと、実験研究が殆ど。

・平均値で見る問題もある。
・集約すると、見えないこともある。

・個人が、自分のチームはどうかという判断をして、それの平均値を見る。

・心理的安全性。平均よりも、分散の情報を見ている。

・STROTAは、組織開発、サーベイフィードバックそのもの。

・チームの状況を話すことは、めったに無い。
・実験は、こちらが狙った結果が出るように持っていくことはできる。リアルの現場でやると、そうは行かない。

・メンタルモデルの測定は、まだ模索中。

・TMM/SMMがもたらす結果(右側)は?チームの正かは?
・1本目の論文は、戦闘機シミュレーションの結果。
・チームプロセスが結果でもあり、媒介変数でもある。
・結果は、課題達成度。

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●今城さん「動機付け理論」

・違う世界から、動機付けを研究したらどうなるのか?
・モチベーションはあまり定義付けされてない。
・内容理論(何によって動機づくか)
 過程理論(どのように動機づくか)

・答えたい疑問
「学ぶ気があるといって、でも学ばない人をどうすればいいの?」
「主体的に考えてと言ってもその気がない人には無理」
「興味を持ってすぐに飛びつくんだけど、長続きしない…」

・モチベーションが多数の行動パラメータ(きっかけ、強度、持続時間、方向性)や認知能力(学習、記憶、決断など)に関与していることを考えると、モチベーションは「情報処理システム」としてとらえるべきではないか

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○意見交換

・不確実性とは?不安とは違う?
・良い方にも、悪い方にも転がる可能性もある。

・不確実性を減らすために、行動を起こす?
・まず環境の確認という行動をとる。

・人間は不確実な状態に置かれることを好まない?
・「やる気があるから、行動する」
 「行動するから、やる気があるように見える」
・やる気は、どこから湧いてくるものではない。

・やる気があるから、行動するだと、やる気がない人は、行動しないのか。

・周囲から見ると大きな変化だが、本人は小さな行動ということもある。

・「不確実性の見積もり」が甘い人は、やる気が無いように見える。
・他の人から見ると危機だけど、どうしようもないと思ったら、動かない(Avoidance)

・目の前のことに注意が行く。
・重要だけど、緊急でないと、注意が向かない。

・不確実な当直という経験の前に、若手医師の学習意欲が高まった。

・不確実性の認知。ポジティブに見るか、ネガティブに見るか。

・不確実性、予期、注意。
・「ワクワクする」のも不確実性では。

・不確実=気持ちが落ち着かない

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●水越さん「Constructive Development Theory」

・成人学習、成人発達が専門。

・ピアジェの理論を、成人の認知発達に応用。

・Stage 2~5 構成主義的にレベルを想定。Ways of knowing

・今、4(5)以上の人が、10%ぐらいに増えているときいている。

○意見交換

・段階は、実証的な研究で出てきたもの?
・40年間の研究の結果と言われているが、モデルそのものをどう実証したかは読みきれてない。

・インタビューで、評定する?
・評定は、SOIというインタビューのみ。

・血肉をかきわけて、人の骨を見る感じのインタビューを行う。

・ステージ5まで行く人は少ないのでは。

・10項目の質問。その質問の中から好きなものを選び、話してもらう。
・その人が本当に何を重要と考えているかを訊きながら、自分について見えているものと見えていないものを探す。

・SOIインタビューを受けたことがある。
・Kさんは、SOIインタビューをできる。

・企業の上に行く人達に、この力をつけてほしかった。
・「物の見方」を変える。「視座」を上げる。

・4~5は、ハイフェッツのAdaptive Leadershipと近しいところにあると思う。
・リーダーのアセスメントに使いたかった。
・SOIでふるいにかけるのは危険かも。

・日産のゴーンは、2か4かの議論があった。
・4や5のCapabilityを、悪いことに使うこともできる。

・日本語訳では「人の器」と表現しているが、語弊があると思っている

・日本の社長と話していて感じること
 1)向こう側から見た自社
 2)社会から見た自社
 3)長期的な視点 で語れる人は少ない

・Keaganは、HBR経由で入ってきた。
・「免疫マップ」を広げようとしたHRの人達がいた。

・研究としては無く、ビジネス界隈で流行った。
・今の「心理的安全性」と同じような感じ。

・海外だと、Psych系にはあっても、Org Psychでは見かけない。それよりAdult Education系には載っている。
・Transformative learning メジローとキーガン。

・階層になっているのか。文化差はないのか。状況によって違うのでは。
・年齢による違いはあるのか?

・Ways of Knowingが変わるのは時間がかかる。
・20代で、4は少ない。

・環境が後押しする可能性はある。
・教員や親ができることはないのか。

・スタンフォード式とか、ハーバード流とか、成人教育はまだらに日本に入ってきている。  

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●一言感想

・アプローチが違う、参考になった。

・ああいう考え方もあるんだ。発想の広がり。

・活かせそうな点があった。

・独学で学んだ。周囲に話せる人が少ない。どっぷり浸れた。

・インプットが久しぶりで楽しかった。

・勉強不足。人文社会科学も行き詰っている。

・頭に汗をかきながら、勉強になった。

・理論には、突っ込みどころがある。

・初めて聞くことから、勉強になった。

・学術に足を踏み入れて半年。まだ消化不良。ワクワク。

・贅沢な時間だった。どっぷり浸かれた。

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皆さん、ありがとうございました! 次回(12月7日)も楽しみにしています!

投稿者:関根雅泰

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