○起業家の本。
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『経営の才覚』 N.ブロドスキー&B.バーリンガム(2009)
・優れた企業家を生み出すのは「思考の習慣」それが成功の秘密の一つ。
・(もう一つは)人生を共にするパートナーの存在が、成功を後押しする要素だ。
・成功する企業家になるために、最も重要な資質は「回復力」。
失敗から立ち直り、不利な状況をひっくり返し、間違いから何かを勝ち取る力。
・熱意、執念、粘り強さ、真の根性。それが企業家として持ちうる最も大切な資質。
・初めての事業計画書では、次の4つの質問に出来るだけ正直に答えなければならない。
1)コンセプトは何か?
2)どのように売っていくつもりか?
3)販売する財の生産、および運搬にいくらかかるか?
4)実際に着手し、売上を上げ始めた時点で、何が起こると予想されるか?
・お金よりはるかに重要で、はるかに貴重なリソースは、時間である。
・私は他人の夢の追及をくじくような真似は絶対にするまい、というルールを自分に課している。
アドバイスをする相手について、可能な限り多くを知ることから始めるようにしている。
・手作業で、月間売上高と、粗利益をチェックするよう助言。数字のセンスを養ってもらう為。
・潜在的な問題が深刻化する前に警告してくれるような数字を特定しておかなければならない。
・最良の取引は、全員が少しずつアンハッピーで終わる取引。関係者全員が、少しだけ不満を吞んで終える。
・良い評判は、ビジネスで手に入れうる最も貴重な資産。
同業者から尊敬を勝ち取られるような方法で行動することが重要。
・小口顧客基盤の拡大と多様化に取り組まなければ、たちまち大手数社の奴隷になってしまう。
・あなたの優雅な生活を支えるダシにさせられている。そんな風に思いたがる顧客はいない。そんな気持ちを抱かせるような理由を作らないこと。
・「一番つかまえやすい顧客は既存顧客」という原則に基づき、既存顧客に提供できる追加のサービスを考える。
・ビジネスに近道はない。顧客増加や売上増加といった良い出来事が、一晩で起きるわけがない。
・どんな時でも、基幹事業を最優先に考える。
・起業に喜びを感じる理由。まるで自分が神になったかように感じれられ、アドレナリンだけで突っ走る。
・効果的な営業には、チームプレーが必要。
・この世界には、2種類の営業担当者がいる。
1)最終的に自分で事業を始めるタイプ
2)つねに誰かの下で働くタイプ
・ビジネス上のアドバイスが欲しいのなら、一定期間にわたって事業を経営してきた人物のもとへ行くべきだ。
しかも知識を提供する専門職の従事者(会計士等)ではなく、リアルな物品やサービスを販売している経営者でなくてはならない。
・ビジネスとは、尽きる事の無い学習だ。
・師とは、出会ってきた「人」でもあり、くぐりぬけてきた「体験」でもある。
・この会社を利用し続ける理由を与えるのだ。その最高の理由となり得るのが「好きだから」「信頼しているから」「一緒に仕事をしたいと思わせるから」という気持ちである。
・綿密で徹底的な準備の習慣。
・企業家は、一般的に焦りやすい人たちだ。その衝動をコントロールする術を学ばないと。
・顧客に自分を見つけさせる方法としてのネット活用。
○これは名著! 個人事業主レベルのミニ起業家は必読。(ただ、タイトルはいまいち。原著が「The Knack」だから「起業家の習慣」「起業のコツ」とかでも良かったのかも)
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●参考:著者の一人 ボー・バーリンガムの別の本 2冊
『Finish Big 起業家たちへの、悔いなき出処進退のためのアドバイス』 ボー・バーリンガム(2016)
・ビジネス書という分野には大きな欠落がある。事業売却の経験について、ほとんど語られていない。
・自分はどんな人間なのか(Who)ビジネスに何を望むのか(What)自分を動かしている根拠、理由は何なのか(Why)
・「大きな決断は、必ずシャワーを浴びた後で」というルールを作った。
・スモールビジネスは独特。事業売却という発想を捨て、今のライフスタイルを守れる限り、経営を続けながら、廃業後の生活を支える貯金をしていくことが、最善の道となることも少なくない。
・インターネットがすべてを加速させた。
・大手が、スモールビジネスに、研究開発を外注。
・自分が向き合う問いの性質が変わる。
・「次の機会」が存在しない場合、失敗は改善の手段ではなく、後悔の源になってしまう。
・失敗して高い授業料を払って学習した経験者ほど、リードアドバイザーに適任。
・表面的には不条理な行動に見えるとしても、たいていは根底に筋の通った理由がある。
・元オーナーの大半が、苦痛を味わっていた。苦しむのは普通のことなのだ。
・人間関係は、ビジネスを通じて得ていた最大の収穫の一つ。
・「奉仕」 他人のビジネスのサポート役を務める事に無上の喜びを得ている。
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『Small Giants 事業拡大以上の価値を見出した14の企業』B.バーリンガム(2008年)
・営利的な目的に加えて、別の非営利的な優先事項をもっている。
その仕事で優れた存在になること、働きやすい環境を作ること、
顧客にサービスを提供し、サプライヤーと優れた関係性を築くこと、
生活とビジネスを置く地域に貢献し、自分の生き方に結びつく優れた道を
見つけること。
このような目的にも興味を持つ企業を「小さな巨人」と呼ぶ。
・注目した企業は、いずれも「人間的な規模」のサイズで経営。
組織内の全員が互いに知りあい、CEOが新入社員の面接に当たることができる
ぐらいのサイズ。
・株式非公開を維持し、成長以外の目標を設置することを選んだ場合、
見返りに「コントロール」と「時間」が得られる。この二つの組み合わせ
は「自由」を手にするに等しい。
○これ!これを得たいがために、独立して小規模にとどめているのかも。
もちろん、大規模にするだけの能力がないのもあるけど。
・小さくても一流で、収益性のあるビジネスを行うことはできる。
事業を拡大しないという決断。
・あえて他が選ばないような道を選べば、絶大な見返りが得られるかも。
・優れた企業には、優れた人材が必要だが、彼らに成長の余地を与えなければ
人材を惹きつけることもできないし、維持することもできない。
・従業員のための新たな機会を創出しつつ、社風を維持するという
「管理された拡大」を行うことが解決策となる。
・必死になって規模の小ささを維持。
・顧客との距離が近いビジネスでなくなると、その会社は次第に勢いを失う
・社風が見込み客の目にも魅力的に映る。
・SGは、いずれも顧客密着型の企業。
・企業、従業員、顧客、業者の間での「持ちつ持たれつの感覚」
1)一貫した誠実さ 2)プロ意識 3)人間的な結びつき
・企業人生のどこかで、成長を追求したいという強い誘惑を感じるはず。
成長は「退屈」を紛らわす。
薄れ始めた興奮を取り戻すために「成長」したくなる。
SGは、その落とし穴を回避。彼らを救っているのは「情熱」。
・ドイツのミッテルシュタント(中小企業)は、ドイツ経済のバックボーン
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『社員をサーフィンに行かせよう~パタゴニア創業者の経営論』 イヴォン・シュイナード(2007)
・「社員をサーフィンに行かせよう」という精神は「フレックスタイム」と「ジョブシェアリング」の考え方を具現化したもの。
・この精神は、会社が従業員を信頼していないと成立しない。
・Management by Absense 不在による経営
・こちらが助言を求めさえすれば、熱心に手を差し伸べてくれるもの。
・このゲームに勝つには真摯な姿勢で取り組む必要がある。
・企業家にならざるをえないなら、自分なりの方法でなろう。
・草の根運動には効果がある。損なわれた生息域も努力次第で回復できる。
・小規模なグループに定期的に寄付を行い始めた。
・1996年に、純売上高の1%を寄付すると誓約した。地球税。自ら課した税金。
・パタゴニアを、他の企業が環境的な経営と持続可能性を探るにあたって手本にできるような会社にしたい。
・知識があればあるほど、必要なものは少なくなる。
・日本人は最高の西洋文化しか輸入しない。
・日本は、時代を先取りした社会。
・パタゴニアの品質基準は、世界一要求の厳しい顧客、すなわち日本人に合わせている。
・アイデアは源にできるだけ近い所から得なくてはならない。私たちの「源」はダートバッグのコアな客層だ。
・ロイヤルカスタマーに販売することが最も利益に結び付くことを、私たちは知っている。
・私たちは、大企業になることには興味が無い。優良企業になりたいのであり、小さな優良企業のほうが、実現しやすい。したがって、自制心を身につけなくてはならない。
・民主主義が最も上手く機能するのは、誰もが自分の行動に責任を持たざるを得ない小さな同質社会においてだ。
・自然は多様性を愛する。自然は単一化や集中化を嫌う。
・私たちの成長と長寿は、いかにすばやく変化できるか、にかかっている。
・変化を促すことこそが、長期間生き延びるための唯一の方法だ。
○この本で、パタゴニアのファンになった。今度、買おう
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『ジャリ道~それでも立ち上がった経営者たち』 埼玉新聞社(2018)
●メトラン トラン・ゴン・フック氏
・情熱があれば何でも乗り越えられる。情熱って、愛すること。
●ハイデイ日高 神田正氏
・今のうちに苦労しとけば後で楽。人間は平等。神様が幸福も不幸も上手く配分してくれる。
●新亀酒造 小川原良征氏
・持ってるものを捨てなきゃ、大事なものは手に入らねえんだ。
●デサン 藤池誠治氏
・塗装業で培った技術を生かしながらの新事業。
・両方ができて、作業をワンストップでやれるっていうのが、うちの強み。
●島崎 嶋崎洋子氏
・質のいいものを作る。当たり前の原則に本気で取り組み、会社にいきわたらせた。
●ひびき 日疋好春氏
・うちのお客に悪い人はいない。なにかあるのは、うちがへましているから。
・お客の間違いだと決めつけた瞬間、成長は止まる。
・人は石垣。違う形が集まって強固になる。
参考:
秘伝のたれが人気だった有名焼き鳥店、倒産に追い込んだ社長の“暴走”
●ベンチャーウイスキー 肥土伊知郎氏
・時間が解決してくれることもある。ウイスキーと同じ。一見何も起きてないようだけど、樽の中でゆっくりと熟成され、変化している。
・バーは、1本の瓶が1年かけても空にならないゆっくりした回転。みんな楽しそうに飲んでいた。
・安売りはしない。この味で、この価格で勝負する。
・謙虚で意識が高い。この人が成功したら、僕らの業界が良くなるような気がした。
●丸和運輸機関 和佐見勝氏
・営業や接客が無いに等しい業界で、八百屋時代に培った力を試してみたい。
・依存や受け身の仕事じゃ、成長は無い。
・とにかく洗車、点検だ。そうすれば事故は起こさない。
○すげー本。一章読むごとに、目が熱くなってくる。
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