ラーンウェル代表の関根です。
2022年1月11日(火)10時30分~16時30分、「新人育成論」勉強会議を開催しました。
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課題本3冊を読んで、それを基に意見交換をしていきます。(私は張り切って、3冊+αで、熱く語ってしまいました(笑))
当日の様子(チャット)を、差しさわり無いと思われる範囲で共有します。
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10:35:20 開始 関根 雅泰 に 全員:
「新人育成論」勉強会議スタートです!
0.自己紹介
・5名の参加者 各自で自己紹介
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10:56:03 開始 関根 雅泰 に 全員:
1.林さんの発表
11:17:18 開始 関根 雅泰 に 全員:
●意見交換したい点
・剥奪的組織社会化戦術を、今どき聞いたことがあるか?
・若い人の話を聴くとき、心掛けていることはありますか?
・役割外行動について
11:25:03 開始 関根 雅泰 に 全員:
・自己啓発系の研修で、受講者同士抱擁しあう研修は受講したことがある。メカニズムは間違ってないが、現実の環境に戻った時に自分1人でやれるのか?という疑問がある。弱いところかと思う。
・コロナが良い転換点となっている。従来のやり方だと宿泊で参加しても問題ない人だけの組織になる
・コロナによって、新入社員研修のやり方が大きく変わった。
・合宿で盛り上がって終わる。記憶には残るし、同期のネットワークはできるが、職場配属後のつながり、学んだことの連続性がない。
・オンラインになって、OffJTとOJTの境目が減り、細切れになった。
・「今やっていることが、仕事に役立つ」と思えないと、やる気がでない。
・「これやって意味があるんですか」という新人さんもいる。
・7~8年前の新人から変わった。自分にとってのメリットや、どう成長につながるのか等、根拠を示さないと、納得してやってくれない。
・なぜ「やってはいけないのか」「やってほしいのか」を、根拠と、彼らにとってのメリットと共に伝えている。
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11:37:26 開始 関根 雅泰 に 全員:
2.Kさんの発表
11:59:07 開始 関根 雅泰 に 全員:
●意見交換したい点
・育成、成長とは、どこがゴールなのか?何をもってして、成長したと捉えるのか?
・仕組み作りを上手く進める工夫は?
・何故、この3冊を選んだのか?
・「新人育成」というテーマの場合「組織社会化論」「経験学習論」「OJT」は見ておくべき。
・「新人育成」を、2つの側面から見たのが、この3冊。
組織:組織社会化戦術(『経営学習論』『関わりあう職場』)
新人:プロアクティブ行動(『若年就業者』)
・個人:経験学習論、プロアクティブ行動、リアリティショック
組織:OJT、職場学習論、組織社会化戦術
12:02:11 開始 関根 雅泰 に 全員:
・課題としては、言われたことは理解し、きっちり実行できる
・イノベーションが必要。
・日本人の良さとして、言われたことは、きっちりこなせる。
・自分自身でこうしたい、ああしたいという、当事者意識をもっている人は少ない。
・ただ、全員が全員、イノベーション人材で無くて良い。
・規律性、ルールが重視されている。命に係わる。
・創意工夫や自由度が、制限される。
・安全とルールを守るのは、最低限。
・「知の深化(言われたことをきちんと行う)」と「知の探索(イノベーション)」(『世界標準の経営理論』)
・成長できたか=学んだことを実践できたか
・実践したことを、次の研修で共有し、経験学習を回している。
・現場で実践する際に、他者にお願いし、人を巻き込む必要がある。
・その時に、自分なりの小さなイノベーションはありそう。
・「現場で活かせたか」を、研修のゴールとしている。
・実践したかどうかを語り合うのは、フォローアップ研修で?
・「現場で何をやるのか」を具体化する。仮に単発の研修であっても。それを、現場の人に語るという取り組みをしている。
・「アクションプランシート」を研修最後に書き、3か月後、6か月後に、上司にコメントをもらい、提出してもらう。
・期初に立てた目標との重複感。やってもらった行動へのフィードバックを、上司や現場に任せている。
・忙しいのにこんなことやらないといけないのか、という声も現場から上がっている。
・皆、成長したいと思っている。何故、研修前後が必要なのかが伝わるようになって、回り始めた。
・今は「自分が宣言したことを、やったか」を重視。とにかくやってみようよ、と。
・やったことの質的評価まで追いついて無い。
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12:23:49 開始 関根 雅泰 に 全員:
昼食休憩
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13:30:02 開始 関根 雅泰 に 全員:
3.Kさんの発表
13:50:49 開始 関根 雅泰 に 全員:
●意見交換したいこと
・いつのまにか、できるようになっていることもある。タイミングにどうやって気づける?キャッチできる?
・中途採用者には、どんな支援をしていますか?
・研修評価:自己効力感を、どのくらい具体的に訊くのか?
・「主体的に」という言葉を伝わずに、メッセージを伝えるには?
・学生時代の学びと、入職後の学びの連続性を、どのように捉えて、支援されているのか?
・関わりあっていることを気づくことができるように、どのような工夫をされていますか?
13:53:18 開始 関根 雅泰 に 全員:
・中途入社が増えている。
・即戦力として期待されている。職場の方が、社内のやり方を押し付けると、能力を発揮しづらいのではと遠慮する。
・入った人も、変に乱したらと、お互い遠慮している。
・1オン1でのすり合わせの機会や、社風を伝える機会を作ったりしている。
・一時期、中途採用だけが集まった会を行ったが、愚痴の言い合いで、辞めたくなったと言われたこともある。
・同じ内容の仕事をしていた中途の方が、アンラーニングしにくいという知見があった。
・中途入社を集めて「会社の良い点、ダメな点」を上げてもらう。キャリア入社の自分たちで変えていこうぜという雰囲気にできたら。
・アンケートで「何に困っているか」を訊く。
・「分かりません」とは、中途は言いにくい。
・周囲から「何が分からないか」が分かるように。
・企業特有の言葉やシステムが分からない。
・その事例集を、ホームページに載せている。期中入社だけでなく、異動者にも好評。
・一般的なグーグル検索では分からないような「社内のお作法」
・採用担当者曰く「主体的にやりましょう」と伝えると、新人はプレッシャーに感じるそう。
・自分で考えたことを、できる範囲でやる。それが自社にとって変革になる、と伝えると喜ぶ。
・新人は「自分たちは役に立ってない」と、自分の存在価値を低く見ている。
・「企業に染まってない」考え方や感性が、職場に力をもたらす。
・とはいえ、すぐの成果は期待してない。
・何を期待しているかは、新しい風を運んでくる事。
・職場メンバーも、新人を見て、素直さや純粋さを感じる。
・「あなたという存在自体が、新しい風を運んでくる」
・社会人になったとたん「自分は何にもできない」と思い込んでしまう。
・人としての素直さ、純粋さは、新人から、先輩社員が学ぶ。
・あまり自分を低く見ないよう。
・「積極的に言ってきてほしい」「報連相をしてほしい」等、先輩は求めてくる。
・そういうことを新人ができるような環境になっているのか。
・先輩は、新人が~してくれない。新人は、先輩が~してくれない。
・現場の人は、自分の新人時代のことを忘れている。
・学生から社会人になって、すぐに大人相手に言える人は少ない。
・上司、先輩から、失敗談を話すことで、新人も相手を信頼して、話ができるようになるのでは。
・「先輩は完璧」と、新人は思い込んでいる。
・新人の時、5年目の先輩がOJT担当。
・めちゃくちゃ先輩に見えた。
・途中で、先輩の言うことの間違っている点も見えてくるようになった。
・今の新人が考える5年差のほうが、年長者が考える年の差は大きい。
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14:18:33 開始 関根 雅泰 に 全員:
4.Kさんの発表
14:34:22 開始 関根 雅泰 に 全員:
●意見交換したいこと
・「新人に全部説明しても消化不良になるのでは?」どこまで説明すべきか問題
・役割外行動も含め組織貢献に期待する上司 VS 自己成長に高い関心がある新人
・飲みにケーション神話からの脱却方法
・弊社の業務アサイン方法と「関わりあう職場マネジメント」の親和性
・「入社2年目の憂鬱」を解消できる階層別研修の内容とは?
14:37:16 開始 関根 雅泰 に 全員:
・ステップを見せてあげられてないのでは?
・今の目の前の業務だけ示していると、その先が見えない。
・長期的なゴールをちゃんと見せてあげる必要があるのでは。
・ゴールは「できるようになったか」ではなく「自分なりにイノベーションを起こせたか」が良いのでは。
・上司も忙しい中大変だろうが、新人とのそういったやり取りは必要では。
・飲みにケーションからの脱却として、強制的に集まってもらって、ディスカッションしてもらっても良いのでは。
・OJT指導者研修の中で「今の自分を作ったエピソード4つをストーリーにして、相手に伝える」
・新人とOJTの価値観の背景まで伝わるように。
・そういうことを、飲みにケーションでやっていたかもしれないが、それを研修でやってもよいのでは。
・「2年目の憂鬱」に関連して、現場で取り組んだ課題を、部長宛てにプレゼンし、助言してもらう研修をやっている。
・自分の上司以外の部長、部門長と話す機会を作れた。
・お酒の力を借りないと、若手の本音を引き出せない。
・上司が、飲みにケーションに頼っている。
・酔っぱらって、自分のストーリーを話す。相手を許す感情が出てくる。
・仕事の業務以外の話ができれば。
・相手の大事にしていることや、嫌なことを理解してあげる。
・「人となり」を知るような時間は、意識的に作るべき。
・テレワークなので、まさしく必要。
・楽しく話せるような。失敗エピソードや。
・「実はさ~」が始まると良い。
・新人とOJTのペアワークで盛り上がる。
・上司も相手を勝手に決めつける。「あの新人は、プライドが高い」
・関係性の初期段階でやると良いのかも。
・そういう場を、人事が強制的に提供すべき。
・地方から東京に初めて出た人。部署の人しか知らない。
・同期同士で、話す場を作った。公的な研修という機会として。
・新人には全部説明してない。必要な時に、必要なことを伝える。
・「導入時に言ったよね」とは言わないようにしている。
・入社時研修の日数を減らした。
・全部説明しなきゃと思い込むが、そんなことは無い。
・新人が質問できるような状況を作る。
・ポイントだけ説明して「今言ったことを、自分の言葉で説明してみて」と、新人に投げかける。
・分からないところが分かり、質問してくる。質問の練習にもなる。
・全部、説明しなくて良い。新人に「自分の言葉で説明する」「質問する」練習をさせてください。
・「それ、研修で教わってないの?」と、現場の人から言われるのがつらい。
・どういう意図で、それを伝えてないかを、共通認識するのが大変。
・研修で教えたこと=知っていること とも限らない。
・部門長、部長クラスが、経営方針を、自分の部の目標として話せていない。
・かみ砕いて、自分の言葉で話せない。
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15:00:37 開始 関根 雅泰 に 全員:
休憩
15:14:03 開始 関根 雅泰 に 全員:
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5.関根の発表(私の発表部分のみ録画)
15:43:57 開始 関根 雅泰 に 全員:
●意見交換したいこと
・発表に対する感想やコメント
・新人育成に、データをどう活用しているか?
・「越境学習」(他社との交流、学び直し、地域活動、副業・兼業等)は、自組織で、どの程度まで可能なのか?(時間、周囲の雰囲気等)
・「学び続ける人材」を育成するには?(資質、環境)
15:51:00 開始 関根 雅泰 に 全員:
・入社前の面談時のデータ。資質の傾向を見たりしているが、人材育成には活用してない。
・人材育成をするために、適切な時期に、人を配置するためにも。
・能力を発揮させられてないのでは。
・越境学習をしている人は、1割程度。
・「村」的。小さい自分の組織内で、価値観が形成されている。
・狭い中での問題解決になっている。
・副業、兼業は、検討し始めている。数年後には。
・そのうち開かれていく可能性はある。
・何割かは副業したいと言っている。
・「学び続ける人材」
・メンタル的な耐性と思考力が、資質としては重要。
・あらゆる問いを自分に投げかける。思考体力。
・あらゆることに興味がある、コンセプチュアルスキル。
・現在の自分を否定することになる。自己肯定感がある程度満足している人でないと難しいのでは。
・自分をいったん否定するのが難しい。
・自己肯定感が高いと、受け入れられる。
・環境としては「問い続ける」「目的は?」問いかけてもらえる環境。
・その人自身の価値を認めながら、色々考えてもらう。
・採用と教育の連携。効果的に人を取り、育成するために。
・採用と育成の連携を具体的にどう行っているのか?
・新人を、1~2年みているので、そこで得た情報を、採用と共有している。
・採用は、採用した時点で、終わってしまっている。
・採用時に気になる人がいれば、育成に教えてもらい、見守るようにしている。
・そういった情報交換はしている。
・個人についてのやり取りが中心。
・人事的なデータを、今まで活用できてなかったが、最近エンゲージメントサーベイを始めた。
・新人で入った時は、ワークエンゲージメントが高い。2年目になると下がる。2年目にケアがいる。
・職場環境、本人の前向きさ。職場の雰囲気が心配なら、個人にフォローしていく。
・入社後しばらくしてから新人にアンケートをとった。率直な意見が出てきた。
・職場の上司に、フィードバックして、数字で説得力。
・越境学習の経験としてベンチャーに社員を送り込んだ。時間の流れ方が違う。
・しっかり戻ってくれた。離職意思は高まらなかった。
・失敗を許容する。チャレンジを良しとする。というのがあれば。
・日本企業の中で「失敗をNG」とされている。ここが変われば良いのに。
・どの企業も良い人材が育てば、日本全体が良くなるのでは。
・「学び」を、大きく広げて、つなげて捉えることが重要。
・育成の人も、採用の時点から入らせてもらう。
・気になる人は、新入職員研修時点で分かる。
・新人意識調査はやってないが、生活を中心とした項目について尋ねている
・職業倫理。学び続けることは、専門職の責任ですよと。
・学んだことによる楽しさや、仲間がいるのでは。
・内省習慣が重要。それをつけるのは、入社直後と考え、力を注いでいる。
・「学びの吸収力」が高い、深い方は、課題感を持っている。
・外資系だと、自分をブラッシュアップしないと、使われなくなるという危機感がある。
・日本企業だと、自分はずっとこの会社に居られると思っている人がいる。
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16:19:24 開始 関根 雅泰 に 全員:
6.ふり返り
●Kさん
・学び続けるには、他者や環境が必要
・まずは、プロアクティブ行動を促すための組織社会化戦術
・研修後の実践について質的評価をやっていきたい
・組織社会化の程度と役立った支援について、年間で測りたい
●Kさん
コロナ禍での若手の組織適応にもともと課題意識があったので、それが理論的に整理されたとともに、その実践について今日の勉強会で他社の事例をお伺いできて、理論・実践両面で情報がアップデートできた。
自分のパートでアドバイスいただいた「新人にどこまで説明すべきか問題」については、「上司が全部教えてやらないといけない」ではなく「新人の言葉で説明させて新人に質問させる」=自分の言葉で話せるように練習させる、というのは盲点だったので早速仕掛けとして情報展開していきたい。
●Kさん
同じ様な課題感を持っていたり、まったく違う状況を共有いただいたこと。また、同じ立場の方々が真剣に仕事に取り組んでいらっしゃるということを感じて、モチベーションに繋がりました。
そして、新たな知識もインプットすることが出来ましたし、自分の考えを社内ではなく、社外の方々に話すというのもあらためて自身で自覚することや、自己に関しての気づきもあり良いトレーニングになりました。
書籍においては、他者の方の学びを聞くことにより、より理解が深まりました。
16:29:31 開始 関根 雅泰 に 全員:
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皆さん、ありがとうございました!
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●参加された林さんのツイッター
●後日、Kさんから頂戴したメール
関根様
先日の新人育成論勉強会では、大変お世話になり、ありがとうございました。
PP資料とは別に、関根さんがアップしてくださっていた資料(ワード資料)を読ませていただきました。
分かりやすくて、簡潔で、私の関心のある所がすべて記載されているという宝物でした。 書籍のダイジェスト版として、私のバイブルにさせていただきます! 本当にありがとうございます。 関根さんの勉強量&質に触れるたびに、尊敬しかありません。今後ともご指導をよろしくお願いいたします
御礼まで
(Kさん、ありがとうございます!「宝物」とおっしゃって頂いた資料は「経営学習論」をまとめたレジュメです。こちらにもあげておきます。)
余談ですが、 やっぱり頭が整理されると、行動につながりやすくなるなと感じています。自分の行動に根拠や自信がもてるからでしょうか。
あと、関根さんにいただいた問い(学び続ける人材)ですが、あれからもずっと考えていました。 「学び続けられる人は、学び方を知ってる人」ではないかなと、今の段階では思うに至りました。
学び方を知っていれば、学び上手になれる。学んで成長できると、もっと学びたくなる。 こんなふうに子育てもしたいものですよ(笑)。まずは、自分も学んで、子どもにも職場の人にも、楽しそう!!やってみたい!!行動してみたい!!って思ってもらえたら。
いつも、内省支援をしてくださり、ありがとうございます。
(Kさん、こちらこそいつもありがとうございます!)
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