【木曜日22‐25】研修評価関連本

参考文献

○今週は1冊しか読めなかった。ま、良しとすべ。

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『学習の支援と教育評価 ~理論と実践の協同』佐藤浩一(編著)(2013)北大路書房

・既習事項を新たな新たな場面で生かすことは「転移」と呼ばれ、学習心理学・教育心理学の重要なテーマである。

・短期間に集中的に繰り返す集中学習よりも、時間間隔を空けて繰り返す分散学習のほうが記憶に残りやすい(北尾2002)。

・教師から教えられるより自分で考えたほうが記憶に残りやすい。これは「生成効果」と呼ばれる。

・最初に既習事項や日常経験に触れることで、学習者の既有知識を活性化させることができる。これは「先行オーガナイザー」と呼ばれる。

・転移とは、先行する学習が、後続の学習や問題解決等に影響を及ぼすことである。

・負の転移:ある事柄を学習したばかりに、次の学習がマイナスの影響を被る。パソコンのOSがバージョンアップした際に、使い方に戸惑って失敗するのは、負の転移の例である。

・心理学の研究では、転移が起こりにくい、あるいは極めて限定された範囲での近転移しか起こらないことが、繰り返し指摘されている。

・学校現場に存在する手ごわい負の転移:わかったつもり、誤概念。

・体験活動で学んだことが、その後の学校生活に生かされた、という意味で、まぎれもない正の転移なのである。

・「転移」は心理学の用語であり、学校現場における実践では「転移」という言い方はあまりしない。

・指導計画を作成するにあたっては、どこまでの転移を望むか、どこまで学んでほしいかを明確にすることが大切だ。

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・3人が集まっても、文殊の知恵とはなりにくい。

・一斉指導という形態は「勉強した」という気分を保障してくれるのではないか。

・他者との対話が、メタ認知をはぐくむと主張する研究者は多い。

・転移の一つ「教訓帰納」は、オフラインメタ認知の一種であり、その練習は、メタ認知の育成につながると期待できる。

・最終的に学習結果を評価するにあたり、教師は「真性の評価 authentic assessment」を目指す必要がある。

・「エバリュエーション evaluation」という概念は、最も古くは、Tyler,R.W.(1971)によって提案されたものである。

・教育評価に及ぼす観察者効果、実験者効果
・ホーソン効果、クレヴァー・ハンス効果、ピグマリオン効果、ハロー効果

・教育は熱い情熱。評価は冷めた目。

・教育に関する多くの研究は、概して初歩的な、統計学的知識の欠如からくるミスが非常に多い。

・平均に戻ってくる=回帰する
・誤差の範囲で、そういう結果になったに過ぎない(回帰の誤謬)

・リアリティを「現実性」と訳すのは誤りで「真善美」と訳すべき。

・なにゆえ、そのような性格になるのかという点に関する理論が、血液型診断に欠落している。血液型と性格との間をつなぐだけの構成概念妥当性が不十分である。

・2名での評価が最も効率が良い。観点数は3点。

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・ルーブリックの語源は、赤いインクを意味するラテン語に由来するとされる。
・ルーブリックとは「学習者の達成度を示すための基準」を意味する。

・「量的」な見方を脱して「質的」に思考力や判断力などの高次の目標の達成状況を「見取る」ために提案されたのが「ルーブリック(評価指標)」という考え方である。

・「キジュン」や「ルーブリック」の大まかな概念図

・間隔尺度にまでルーブリックを練り上げるのは、ほとんど不可能に近い。

・パフォーマンスとは、リアルな課題を解くときの「ふるまい」すべてを総称するもの。

・学校を出ても勉強し続けることを推奨する、社会人向けの勉強法をまとめた本の中にこそ、「リアルな課題」を設定したり、評価するためのヒントがあるのではなかろうか。

・ルーブリックは、横軸を「観点」、縦軸を「段階」としている。

・妥当性、信頼性を高めた学習評価をしていくには、円滑な学級経営(児童生徒との良好な人間関係の構築)が、その基盤となる。

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・理論や研究を、教師が実践のために学ぶなら、複数の情報源にあたるべき。

・理論を実践に生かす2つの方向

・教育評価では、診断的、形成的、総括的の3つが区分される。

・自分が言及する先行研究は、孫引きではなく、オリジナルを読んでいなければならない。

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投稿者:関根雅泰

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