「OD勉強会」@立教大に参加しました。

企業内教育担当者向け

「OD勉強会」@立教大に参加しました。

ラーンウェルの関根です。

2022年8月2日(火)9時~17時、立教大学 池袋キャンパスで、「OD勉強会」に参加しました。

ORGANIZATION DEVELOPMENT: A PRACTITIONER’S GUIDE FOR OD AND HR

Mee-Yan Cheung-Judge、 Linda Holbeche 著

(↓予習で読んだ内容の抜き書き)

差しさわりないと思われる範囲で、意見交換で印象に残った言葉を記録しておきます。

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01 What is OD? Its brief history

・「組織開発」という言葉は、あえて使わない。
・「楽しいイベント」という位置づけにする。


02 Theories and practices of OD: a theory overview

・なぜ、組織開発が嫌いなのか?
・自分が経験した組織開発のグループワークで、嫌な思いをした為。

・複雑系のとらえ方が、ざっくりしている。
・「複雑だから分からん!」とまとめられるのは、ちょっとむかつく。

・AIで「最悪の未来」「最高の未来」を話し合った。
・普段話せない「ドリーム」を話したら、アゲアゲな状態になった。

・8つの理論の中で、システムやアクションリサーチは、ODの中核にある理論。
・何かを見る眼鏡としての小さな理論も、ごっちゃになっているのでは。

・5番と7番の考え方は、共訳不可能。理論として違う道筋。
 5)Complexity and chaos theories;
 7)Dialogic OD theory;
・これらを、フラットに中核理論として使うことは危険では。混ぜるな危険状態。


03 Theories and practices of OD: the OD cycle and the entry and contracting phase

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●グループ意見交換

・世界は語られないといけない。
・OD実践者は、よって立つ理論が必要。

・診断型ODは、上手く進行しないと、通知表を渡された人たち状態になる。

・「とはいえさ」という発言が出ると終わる。 変わらないことを選んでいる。

・人事は、現状維持と改善は得意だが、何かを改革するのが不得意。
・基本は、ルーティン業務。

・人的ネットワークを広げることが、人事として大事では。


04 Theories and practices of OD: the diagnostic phase

・「診断」という言葉の利用をやめたほうがよいのでは。
・偉い人が「は!」と治してくれるようなイメージ。

・恣意的な介入ではなく、客観的な診断を基に介入。
・診断をするというのは「理想の組織像」があるという前提。「理想の組織」というのが本当にあるのか。

・「エンゲージメントサーベイ」は、簡易にできる分、リスクもあるのでは?
・テンプレート型のエンゲージメントサーベイでは、大事な点を見落とすのでは。


05 Theories and practices of OD: the intervention phase

・どのレベルの人、その人が権力を持っているかどうかで、できることが変わってくる。

・ベンチャー企業内で、役員でやろうとすると「また何かの介入か」と、しらける。
・「診断」とか「介入」という言葉が偉そう。

・介入とか教育とか、全部偉そう。
・周りの人から「変えられる」のは嫌。周りは、相手を変えたいとしても。

・中原先生のルートセオリーは「学習」


06 Theories and practices of OD: the evaluation phase

・時間のかかり度合い
・プレとポストで、組織がよくなっているかどうか。
・うまいスープのうまいとは何か? 幸福は、多様。

・評価のスパン。ODは長い。
・「評価」という言葉が合わない。定期的なモニタリング。

・漢方は、飲んで、すぐに結果は出ない。

・四半期に、株主に説明しないといけない経営者。
・ODは、時間軸が長い。

・人的資本経営では「年」単位。事業は「四半期」


07 Living at the edge of chaos and change

・「ODマップ」を見る限り、カオスというより、計画的、サイクル論では?
・カオスというなら「小さな出来事が、大きな影響になる」という面もあるのでは?


08 Back-room and front-room change matters

○関根の担当章

 

・バックルームとは、何の比喩か? ←舞台裏

・バックルーム(企画側)で話されていたことを、どの程度、フロントルーム(実行側)に開示するか?

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●グループ意見交換

・組織だけでなく、グループでも、組織像が違う。
・「やってみないと分からない」

・ゴールがバラバラ。最初に握ったゴールと変わってくる。

・最初に、JD(Job Description)を合意したなら、JDを達成できたかで評価。
・ミッション、ビジョンだと、抽象的で評価しづらい。

・何があると、ODとして成功したのかを、ふわっとでも握る。
・「ODやってよかったね」「次もやってみよう」となるように。

・ODをやって、エンゲージメントが上がるのか。補助線が必要か。

・会社のミッション(例:対話と内省重視)と、ODを融合させる。
・Noと言えないメジャメントになる。

・ODの結果、どういう行動をとってほしいのか。
・それが状況によって違う。

・創発するコンポーネントを見つける作業。
・2~3つの要素が絡むと立ち上がる。

・氷山の下の10の要素。チェックリストがあって、調べられると。
・キーストーンスペーシーズ。森だとキツツキ。 Keystone species 

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12時~13時15分、昼食。

立教大学キャンパスそばの「ベトナム料理屋」に行きました。

暑い中、熱いフォーを食べたので、汗だくになりましたが、美味しかったです!

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09 Can behavioural change be made easy?

・HSDは、ウェブで公開しているツールがある。

・「文化を考える」と、「文化的に考える」の違いが分からない。


10 The Organization Development practitioner

・システムコーチングと似たところがある。

・「自分のセンサーを磨け!」そのためには、どうするか?
 自分以外の他者からのフィードバックが必要では。

・「セルフ」の正しさを、どう担保するか? 「自分、最強!」となってしまう。
・暴走したファシリテーターになってしまう。

・学問や他者から、自分を見つめる。


11 Power and politics in Organization Development

・パワーベースに入るとは、派閥に入ることなので、フラットな立場になれないのでは?

・ODは、上の方の理解を得られるかによって、どのくらいのことができるかが決まる。
・ODチームが、アメリカで潰されたのは「パワーによらずに、コーチング等に走ったから」という説もある。

・契約時に「クライアントが誰か?シャドークライアントは誰か?」を考える。
・本当にパワーを持っている人とつながる必要があるのでは。


12 What is an organization? What is organization health?

・「健全」ということは「不健全」もある?
・「儲かってるから、健全なのか?」「健全だから、儲かってる?」
・先に、健康の指標があがり、その後、売上が上がると、マッキンゼーは言っている。

・ODを何のためにやるのか?
・「組織がワークしている状態」というふわっとしたものだけでなく。


13 How to build up your presence and impact on organization life

・社内にODをしているメンバーがいる。
・ずっとやっていると、ダラダラしてしまう。
・外部だと、かかわりが期間限定。

・マンネリ化の懸念は、確かにある。

・イベント的な介入を行うチームと、
 普段の業務プロセスに介入する「社内ODチーム」がある。


14 HR in relation to OD

・OD専任と、兼務OD担当もいる。
・分けない方が、やりやすいこともある。

・労務観点や、タレントMgt視点で、ODを考える必要もある。
・HR全体として、ODの知識は必要では。

・人事の人が知りたいことは、OD、HRD。(毎年のパーソル調査)

・OD側も、給料や制度を知る必要がある。


15 Organization Design

・Starモデルで、自社で行ったODを分析してみた。

・やっぱり全部じゃん!という印象をもった。

・結局、何がODの仕事なのか?

・「組織は、戦略に従う」
 「戦略は、組織に従う」

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●グループ意見交換

・ODは、幅広い。
・OD担当者、企業の問題をはっきりさせる。
・人事の各セクションの担当者が、ODのことを分かった上で。

・部長、役員は、ODを知っておいた方がよいのでは。

・OD 社会構成主義 人間に寄り添う
 戦略は、数字 
・相性が合わない 

・共感性が高い人は、人事にいる。
・配置転換 外科的な人もいる。

・矛盾。人と数字。
・一人で何でもできるわけではない。

・政治、関係者をおさえる。そういう話が出るということは、それだけ多いのでは。

・アメリカでのOD。リストラ。首切り。
・ダウンサイジングした組織のモチベーションをいかにあげるのか。


16 Transformation and culture change

・AIを用いて、1オン1の状況確認をしている。

・現場で、双方向の会話をしているかを、把握するのが難しい。それを、AIで定量化しようとしている。

・人事が、色々なレバーを使う。
・評価、育成、給与をからめる。つながりを作って、だから変えるんだというストーリーが必要。


17 Building organizational agility and resilience

・アジャイルでも遅い。

・計画が無いと、上も判断できない。

・大企業だけでなく、ベンチャーでも、アジリティが足りないところもある。

・意思決定フローは、役職者についている。
・情報共有は、フラットになっている。

・トップダウンではないから、進みがのろいが、皆が合意されたものなので、その後は早い。


18 A culture conducive to innovation and learning

・破天荒な人物が、うざがられる組織もある。

・破天荒な人物の「衝動ドリブン」で動いたことは認めた上で、「戦略との合致度」で考えてもらう。

・イノベーションを起こすのは、破天荒な人なのか?


19 Building the context for employee engagement

・人事部担当者のメンタルケアはどうしているか?
・「社内政治力」を開発するには?

・「良い仕事」とは?

・従業員と経営者の契約がある前提で、エンゲージメントがある。
・従業員個人が、エンゲージメントを高める必要があるのでは。
・従業員側の「やってくれくれ感」がある。

・成熟した考えのもとに成り立つ。
・プロであり続けることが、お前の仕事だろ!

・人間観が違う。
・「会社の村人」に、エンゲージメントと言われても・・・


20 Developing effective leadership

・シェアドリーダーシップ(SL)発揮を拒むネックは?

・リーダーの脆弱性は、弱点ではなく、リーダーの強みにもなる。

・組織文化がネックになるのでは。
・若い世代の方が「SLってよくわかる、そっちの方がいいじゃない!」と思っている。

・SLで結果が出せると、SLが広がるのでは。

・上の人が、若い人と、カルチャーチェンジをしている。

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●チェックアウト(最後に一言)

・企業の中に、ODのプロフェッショナル集団が必要。

・「先は長いな」と思った。ODと言わないODを、現場マネジャーに意図を隠して、インストールする必要もある。

・アメリカと日本のODは違うのでは。

・ODは再帰性が高く、自分がどうあるべきか、誠実なのか、問わないと。NCR:やらなかったときの負債を見るべき。

・自分のやっていることの再確認になった。

・診断、介入、教育という言葉が偉そう。「評価」も何か良い言葉がないか。

・組織文化を扱うことを、再認識した。人の行動変容に着目しがちだったが、文化に着目すべき。

・ODはやることが一杯あり、チームでやる必要がある。

・言葉をどう使うか。工夫していきたい。

・社内政治の壁に当たっているが、それも前提にやっていくヒントが得られた。

・人材・組織開発部という部署名に変わった。経営陣も期待している。

・抜き差しならない関係性の中で、ODが必要とされたアメリカの状況。

・ベンチャーのキラキラODは、違う。欧米流の外科的な対応をするところに、ODが必要では。日本だと、上のおじさんをどうしようというODだが。

・久々疲れたな~。人事の存在価値を再度明確に持ちたい。レバーをたくさん持つ必要性。

・ODの教科書で、網羅性があった。引き出しとしては幅広くもち、何を使うかは吟味する。

・ODでやることは一杯ある。ODだと、対話や入り込みが必要なので、人がいる。ツールがあれば楽。コーチングを多くの人ができるようになるために。

・「ODとは、何をしているのか」という問いを持ち帰りたい。

・ODの幅広さ、奥深さを感じた。Use of Self。ワークショップをしている自分を振り返る。

・BigI介入、Selfが印象に残った。

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企画してくださった中原研の斉藤さん、東南さん、ご参加された皆さん、ありがとうございました!

投稿者:関根雅泰

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