2022年9月28日(水)10時~17時15分「異動研究会」@立教大に参加しました。(病み上がりだったので、オンラインで参加させてもらいました)
私の理解の範囲で、差しさわり無いと思われる内容を、メモ書きしておきます。
●チェックイン
○中原先生
・異動が難しい時代になってきた。
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10時15分~
○Iさん
Moyle, P., & Parkes, K. (1999). The effects of transition stress: A relocation study.
・異動、転勤には、ネガティブなものだけではなく、ポジティブなワクワク感もあるのでは。
・仕事も変わらず、職位も変わらず、場所だけ変わることはある。例)小売業、営業。
・ハイパフォーマ―から、異動、転勤の希望を叶えている。
・会社都合で動かされることに、個人がどう感じるのか。
・自分の意志で異動するわけではない。
・個人が強くなってきているので、今までのように会社都合で動かしづらい。
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○Yさん
Pinder, C. C., & Schroeder, K. G. (1987). Time to proficiency following job transfers
・成果変数は、習熟までの時間。
・以前であれば「新しい人が来たんだな」ということが、隣の部署からも分かった。
・今は、オンラインなので、分からない。
・栄転か、左遷か。本人がどう受け止めるか。
・ライフイベントで、個人の気持ちが変わる。
・大企業に入ってくるときは「転勤ありき」だったが、子供ができて「転勤無理」となった。
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○Sさん
Hippler, T. (2010). A comparative study of domestic, European and international job-related relocation
・昔は、海外駐在は、栄転とみられていたが、今は、日本の本社と現地の板挟みとなるので、行きたがる人が減った。
・目的無く送りこむ日本企業が多いのでは。
・海外といっても欧米だけではない。
・異なる文化での勤務経験は、上に上がっていくために必要とされている。
・選ばれる人たちは、ライフイベントとも重なっている。
・日本から出て、テレワークで働いている人たちも増えてきている。
・ポストを維持したいために、無理やりにでも、人を海外に送り込んでいる企業もある。
・グローバルに活躍できる人材の育成。
・現地で採用した人を育てる道もある。
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11時45分~
○Nさん
Fisher, C. D., & Shaw, J. B. (1994). Relocation attitudes and adjustment: A longitudinal study.
・「ふわっとした」転勤だけでなく、日本企業では仕事のあり方も「ふわっとしている」
・「転勤拒否」を防ぐには?
・内示を伝えられるのが、ギリギリ。
・3週間ぐらい。
・海外派遣だと、2~3か月前に、内々示。
・人事権の強さを見せつける。
・断る前提が無い。「伝える」
・YesかNoか聞いてない。
・教員の異動も急。
・「納得せぬまま異動」なぜ自分が異動するのに、あの人は残るのか。
・「新しい風」を吹かそうとすると、「こっちにはこっちのやり方ががある」
・組織にとっては、異動は、需給の調整。
・自分がいなくても仕事が回るようにする。
・いつ異動しても大丈夫なように。
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○Tさん
佐野晋平, 安井健悟, 久米功一, & 鶴光太郎. (2019)転勤・異動と従業員のパフォーマンスの実証分析.
・転勤は、適職感と仕事満足度で正の関係を持つが、幸福度とは関係しない。
・幸福度のみを高める「勤務地限定制度」の導入は、経営にインパクトをもたらすのか?
・エリア限定で採用した方が、適職感も幸福度も高まるのでは。
・今の学生は「転勤無し」の会社を選びたがる。
・同じ場所でずっと同じ仕事をするしんどさもある。
・異動があることで、リセットされる。
・マイナスのレッテルを貼られて、異動させられるときつい。
・「静かな離職」
・社員の幸福感のために、会社がどこまでやるのか。
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○Kさん
松原光代. (2017). 転勤が総合職の能力開発に与える効果
・組織にとって転勤は不要なのか?
・人材開発に資する異動とは?設計できるのか?
・地方に転勤しないと出世できないという会社もある。
・その地域では採用できないから、会社から人を送り込む(転勤)必要がある。
・転勤したい人が集まる会社になったら、競争力が高まるのでは。
・人は、どれだけ先のことを考えられるのか?
・一つ先の仕事は考えられたとしても、2つ先のことまで考えられるのか?
・「これだ!」と思ってたものだと「がっかり」することもある。
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14時15分~
○関根
Podolny, J. M., & Baron, J. N. (1997). Resources and relationships: Social networks and mobility in the workplace.
・Buy in 社内政治で囲い込み。
・Buy inは、派閥という考えてよいと思う。
・既存の組織メンバーとがっちり。
・そうならないために、異動がある。
・構造的隙間。喫煙室おじさん。社内の情報を得ている。
・今なら自販機周りかも。
・社員証を併せると、2本のジュースが出る。
・リモートワークで、情報が得にくくなった。
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○Yさん
Valcour, P. M., & Tolbert, P. (2003). Gender, family and career in the era of boundarylessness: Determinants and effects of intra-and inter-organizational mobility.
・転職して、年収が下がっている。
・アメリカの調査結果。男女でなぜこんなに差が出るのか。構造的要因があるのでは。
・組織内異動をした方が、男女とも年収が上がる。
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○Sさん
Rosenbaum, J. E. (1979). Tournament mobility: Career patterns in a corporation
・初期段階で、昇進できた、できなかったは、日本企業でも意識するものか?
・新卒一括採用の同期が、昇格スピードのずれで、ネガティブな状態になっている。
・トーナメントだと、ずっと勝ち続けないといけない。
・昇進していく人が、勝者なのか?
・外部から、部長、役員ポジションにポンとくる。
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15時45分~
○Sさん
若林満. (2006). 組織内キャリア発達とその環境.
・「上司を選びたい」という若者の声がある。
・上司が、自分のキャリアに影響を及ぼしてしまう。上司ガチャの問題。
・名古屋大丸さんでの研究。
・入社3年時点で、かなり差ができている。
・ある会社では、3~4年目で優秀な人は、本社に呼ばれている。そういう人の昇進は早い。
・上司ガチャの前に「親ガチャ」もある。
・3年目までに成功体験を持つと、2回目の配置で、またチャンスをもらえる可能性が高まる。
・経験資源を得やすくなる。
・会社がすべきは、マネジャーを鍛えることかも。上司ガチャにならないよう。
・落ちた人が復活できるチャンスが複数あることが大事では。
・たまたま仕事や上司が合わなかったからかもしれない。
・仕事を変えたり、場所を変えたり、することで、人は変わるのでは。
・場所が変わって、仕事が変わることで、
・ハコを変えることで、人は変わる。
・評価の軸が複数あっても良いのでは。会社で上に上がっていくという軸だけではなく。
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○よしきさん
山本寛. (1999). 組織の人的資源管理施策と管理職のキャリア・プラトー現象との関係- 大企業の課長職を対象として
・トレーニングしていても、成果が出ないプラトー時期が来る。
・キャリアが上がらなくても、やりがいをもって仕事をしている人もいる。
・自分が成長している感じがしない。プラトー。
・プラトーにいても、そこに良さを見出している人もいるかも。
・プラトーに対する手段としての異動、転勤もありそう。
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○Hさん
八代充史. (2011). 管理職への選抜・育成から見た日本的雇用制度
・経営者もトーナメント移動で昇進したのであって、そのゲートキーパーが人事である以上、人事が経営者を選んだともいえる。
・ずっと同じ場所にくすぶるよりも、異動することで昇進の可能性が高まるのでは。
・人事権をどこが持つかは会社による。
・30代専門職、高収入の人は、組合が守るべき組合員になるのか?
・管理能力がよいから登用しているのか。仕事ができる人が、管理職に登用されているのでは。
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17時05分~
●チェックアウト
・昇進だけが、本人の幸せではない。経営としても考えないと。
・自社でも方向性に悩んでいたので、参考になった。
・なぜ、異動がここまで問題になるのか。
・「転勤悪者」から、転勤のポジティブサイドも見れた。
・1980年代に問題になったことが、なぜ今というのは、改めて考えてみたい。
・人事の方は、社員さんのことを考えているんだとあたたかい気持ちになった。
・時代背景を見ながら、先行研究を読むことが大事。
・人事をやっていると、自社目線に立ちやすい。
・異動希望を叶えようとすると、希望しない人を動かす必要もある。
・非常に複雑。個人に寄り添うというのは綺麗だが、変数が多くて、組織で管理できるのか。
・個人の時代になっているのは間違いない。人事がどこまでできるのか。柔軟性を高めておくぐらいでは。
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次回は、11月14日です。
参加者の皆さん、企画して下さった塩川さん、伊勢坊さん、保田さん、中原先生、ありがとうございました!
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