郷学研修所・安岡正篤記念館 ビジネス会員向け「古典講座(3)」に参加しました。

古典に学ぶ

ラーンウェル・ときがわカンパニー代表の関根です。

隣の嵐山町にある「郷学研修所・安岡正篤記念館」企画のビジネス会員向け「古典講座」に参加しています。2か月に1回、1年間かけて学んでいく講座です。

安岡正篤先生の書籍『先哲が説く 指導者の条件 ~「水雲問答」「熊沢蕃山語録」に学ぶ~』(1998、2005)が課題本で、講師は、安岡定子先生と、縄文アソシエイツの古田さんです。

2022年9月20日(火)18時~20時@Zoomで、第3回講座に参加しました。私の理解の範囲で、印象に残った言葉を記録しておきます。

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事前課題『先哲が説く 指導者の条件 ~「水雲問答」「熊沢蕃山語録」に学ぶ~』(1998、2005)の第三章

●第三章 人間の用い方(印象に残った個所の抜き書き)

・体験に根差し叡智から発するところの学問。その場しのぎの間に合わせの学問ではなく、世界の先の先を見通すだけの見識。

・見識とは判断力。(知識を基に)これをどうするかという見識。

・小人の才子を用いるには、よほど腕に覚えがないと。

・人間を、才と徳とに分ける。
・才が徳より勝っておるタイプの人間は、小人。徳が才より勝っておる型の人間を、君子という。

・褒美には二つある。才人には、賞。徳ある人には、地位。

・家庭教育で一番大事なのは「悪(にく)まずして厳」
・厳とは、子に厳しいことより、自己に厳しくすること。

・善の善たるゆえんは、まず己に返り反省するところにある。

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9月20日(火)当日講座

●安岡定子先生

・実りの秋を迎える

・11月23日 社稷 p33

・「人物から学ぶこと」に根底に置いているのが、今回の本。

・上に立つものは、義と利のバランス感覚が大切。

・徳をどう磨くか。

・人は皆違う。

・「論語塾」に、外交官の親と参加した子供から出た質問「今、何か国あるか?」
・日本から見た時は、195か国ぐらい。
・それは日本から見た時は正しいか、他の国から見たら違う。

・「日本は平和か?」
・世界から見たら、日本は不安定で、平和とみられない。

・違う目線から見る。

・どういう人を用いるかが、今回の章のテーマ。

・人を登用するときに、何を大事に?

・人が人らしくある核になるものが「徳」

・p101「見識とは判断力」

・能力の有り無しを、登用の判断にしてよいのか。

・p108「君子小人の使い方」

・小人は、未熟な人。

・人の好い所を探して、その人にチャンスを与える。

・育てることには、忍耐力がいる。

・「政は、正なり」政治は不正をただすこと。

・能力のない人を感化していくのが、本当のリーダー。
・能力のある人だけを残すのではない。

・指導者としてどうあるべきか。

・手紙のやりとりしかない時代。
・手紙を書く労力。悩みを整理して、他者に伝える。

・出来の悪い人を置いていくのではなく、育てる。

・諦めない。

・(定子先生が)生まれた時に、安岡正篤先生が、60歳だった。

・言葉で伝えてもらったことはない。
・一緒に住んでいて、自分がどう感じたか。
・食事の時の雰囲気。
・人の悪口を言わなかった。そこを尊敬していた。

・その人の行い、雰囲気を見せ続けることも、強い力がある。

・気長にかかわる。

・即効性がない教え。

・良い所が伸ばせる場所に置く。

・古典は読むと、アドバイスになる。

・古典を学んでいた過去のリーダーたちの書簡のやり取りから、学ぶ。

・未熟な人をどう登用するか。

・「どう人を登用するか?」

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●グループでの意見交換

・「どう人を登用するか?」

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●クラス共有

○グループ1 Hさん

・「徳は見えないもの」管理職は優先してやっているのか?

・社員旅行も、価値観を示す場。

・最後は、徳のある相手を選ぶのでは。

・「適所適材」Job description 社内ポスティング。

・仲間意識、情の部分で、登用に悩む。

○グループ2 Sさん

・「徳が見えない」

・最終面接者として、質問を大事にしている。見えないものを、言語化して引っ張り出す。

・経営理念を大切にしている。

・相手が何を考えているか、相手にしゃべってもらうと、対話が進む。

・即効性ある部分も充実させることも、実世界では重要。

・介護という仕事で、同じ気持ちを持つのは難しい。
・一人が変わっても、組織は動かない。

○グループ3 Tさん

・徳をどう評価するか?

・会社として「応援されている人」になってほしい。

・徳と才でいうと、才が重視されている。才が高い人が、上に行く。徳をどう判断しているか「あいつなら行けるだろう」ぐらい。
・人事として、どう徳を評価するか。
・Value、こういう行動をとってほしい。意見を否定しない。業績を上げた人は、ボーナスで評価。Valueを体現している人が、昇格している。
・ブラックな企業が、20年たって変わった。上が、Valueに沿った行動をとっている。

・人の採用において、徳のある人をどう見極めるか。

○グループ4 Sさん

・実行力までが足りない。

・徳とは何か?

・稲盛先生と永守さん。

・忙しいのに、時間があるように見える経営者。そういう人には徳があるのでは。

○グループ5 Yさん

・人材を登用する際の重視点

・モノの見方は、異なっている。大企業、中小企業。生え抜き、中途採用。それぞれ違う。

・大企業はゴールが明確。職能要件。
・中小企業は、先が見えない中で、違うDNAが集まっている中でのリーダー像が異なる。

・素直な向上心が必要では。

・大企業では、評価に差が付きづらい。

・任せてみて、人材を見極める。

・一人で完結できる業務は減ってきていて、人の協力を得て巻き込める人か。
・知情意の内、不透明な社会では、知だけではなく、情意が必要では。

○グループ6 Nさん(私がいたグループ。Nさん、ありがとうございます!)

・人間の用い方

・多様な人材が必要。
・家庭教育の話。
・人を用いる前に、自分が人を扱える人物たるか。
・身近な組織。家庭の話。
・仕事の話そのものより、どんな影響を受けたか、どんな交流をしたかの話。
・上から下だけではなく、下から上。横からも学ぶ。
・見られている自分。勉強する姿を子供に見せる。そういう態度で伝える。
・人を用いる前に、自分はどうか。身近な家庭でのやりとりはどうか。

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●安岡定子先生からのコメント

・人間性、素直さが、徳につながる。

・謙虚であるためには、素直でないといけない。
・自分の未熟なところを認めざるを得ない。それが謙虚さ。

・修身斉家治国平天下

・子供が健全に育つ。親の学んでいる姿勢を示す。

・徳を、自身の日常に当てはめて考えているのが素晴らしい。

・子供と論語をお寺で読む。最初に、お寺を掃除する。

・物事に向かう時の姿勢。場を浄めるというのは、示しやすい。

・何が徳かの定義はできないが、考え続けることが大事。見えない徳について考える。
・考えることを諦めないのが、哲学。

・最後に家庭教育に話がいったのがよかった。

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皆さん、ありがとうございました。次回も楽しみです!

投稿者:関根雅泰

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