22年11月3日(木)15時~17時45分、「こうすれば経営に失敗する12の原則」竹田先生との座談会@Zoomに参加しました。差しさわり無いと思われる範囲で、当日の様子を記録に残しておきます。
15時~
●参加者の自己紹介
15時15分~
●竹田先生
・従業員30名未満の会社では、業績の98%が社長一人の実力で決まる。
・社長が経営の勉強をして、本業に打ち込むしかない。
・つい他に原因を求めたくなる。
・自営業者が、本業から離れて余計なことをすると、収入が減る。
・TKCの経営データを、グラフにして考えてきた。
・固定資産が、粗利益を作り出す手段。
・製造業では、機械設備が価値を作る。
・資金の力と人の力で価値が生み出される。
・お金の力によって価値が生み出されている。グラフにきちんと出てくる。
・従業員一人当たりの生産価値資産が、1500万円以上あると、一人当たりの粗利益も大きくなっていく。
・中小企業の80%は、生産価値資産が1000万円以下。
・資金の力で粗利を作ってない。
・資金のない会社では、社長の戦略実力と従業員の戦術技能で、粗利を作っている。
・戦略×戦術×仕事時間=人の力
・社長が選んだ立地が悪いと、従業員がいくら頑張っても、お客が来ない。
・お客を誰にするか。自分が好きな客層は誰か。
・誰でなければならないか。競争相手との力関係。大手と戦っても勝てっこない。
・何も考えてないで、店を出している。
・社長が戦略実力を高めるしかない。
・どこで経営戦略を勉強したらよいのか。その場所が無い。
・会社は粗利益で出来ていて、その粗利益はお客さんからしか出ない。
・業績を良くするには、お客をどう作って維持するかについて、8割をかけるべき。
・お客作りが入らない経営はあるのか。
・MBAの講座には、お客作りや営業が入ってない。
・1つのテーマで、3万円以上の教材をもってる社長は、100人中3人ぐらい。
・良い社長になりたいという向上心を持っている社長は、正規分布していた。
・社長が勉強しない。にもかかわらず「儲からない」と言っている。
===
●こうすれば経営に失敗する 1
・「できない理由」から考える人が多い。
・言い訳ばかり言う。6割は、できない理由が先に来る。
・会社の経営は、固定給無しの歩合給で運営されている。
・社長が「できない理由」を言うのは、自分の立場を否定していることになる。
・GDPは、30年で2~3%しか伸びてない。
・大卒初任給が、30年で、15,000円ぐらいしか上がってない。
・従業員一人当たりの粗利益が伸びてないから。
・社長の学習計画も、経営計画書にいれるべき。
・簿記3級の知識を持つ社長は、10~15%ぐらい。
・自分が作った経営システムがうまく作れているかどうか。
・それをチェックするには、経営データを分析するしかない。
●こうすれば経営に失敗する 2
・改善の余地はないと強く思い込んでいる。
・経営相談では、業種、主力商品、従業員数、年商を、ざっと聞く。
・6階建てのスーパーとかは最低。
・人口20万人以下なら、1フロアでないとダメ。
・本で調べて、実際に見てきなさいと指導したが、聞く耳を持たない。
・こういう方の経営相談が一番困る。
●こうすれば経営に失敗する 3
・従業員のせいにする。
・「この店はつぶれるだろうな~」と見張りもかねて、店に通う。
・やっぱりつぶれてた。
・従業員100人以下の会社が、98%。
・資金を殆ど使わない産業が7割。
・金利を下げても、仕方ない。資金が必要ないので、借りようとしない。
●こうすれば経営に失敗する 4
・BSとPLの見方を分からずに経営している。
・経営システムは形が無い。上手に作られているか分からない。
・それを唯一測定するのが利益である。ドラッカー先生曰く。
・利益は、会社の安全を保つために備えるための資金。社長のやり方がうまくいっているのかをチェックする役割を持つ。
・経営データは、簿記会計を通じて、出てくる。
・社長向けに簿記会計を教える学校が無い。
●こうすれば経営に失敗する 5
・成果主義の賃金制度を導入する
・教育訓練をやった後の成果賃金なら効果は出る。
●こうすれば経営に失敗する 6
・社長が経営の勉強をしていない。
・1年間に20万~50万円の社長のための教育予算を使って勉強すべき。
・社長になって15年くらいすると、経営に飽きる。
・本業以外の他の事を始めるようになる。
・趣味、公職・名誉職、関係ない業種に手を出す。
・議員に立候補するとダメ。それで倒産する。
●こうすれば経営に失敗する 7
・朝の時間が1時間~1時間半遅い。
・朝が遅いのは致命的欠陥。
・人が超いやがる仕事の場合は、例外的(例:火葬場の耐火煉瓦の改修業務)
●こうすれば経営に失敗する 8
・1000時間も少ないのに、努力してると思い込んでる。
・1年で3200時間の仕事時間で、8時間働いている人の2倍
○1日10時間×6日=60時間×52週=3120時間+80時間(日曜日に4時間×20週)
●こうすれば経営に失敗する 9
・本業と関係ないことに時間を使う。
・20年前のITバブル。
・大学で講座を9年やったが、やるべきではなかった。
●こうすれば経営に失敗する 10
・大会社の社長の役目が正しいと思い込んでいる。
・研修の仕事は、役職者向けの研修が多かった。
・社長が勉強すべき。
・本気で従業員が勉強したら、独立する。
●こうすれば経営に失敗する 11
・戦術だけだ大事だと思い込んでいる。
・戦略と戦術の区別をきちんとつけられる社長が少ない。
・戦略の意味は、本の著者の数だけある。J.バーニーの書籍の中の言葉。
・「稽古」いにしえを考える
・語源を確かめて理解すべき。
・戦略の語源は、古代ギリシャの「ストラテジア」
・娘さんが、アメリカの大学に1年留学。円が250円の時代。
・難しい言葉の語源は、ほとんどの場合、中国かギリシャに遡れる。
・ギリシャ語で、ストラテジアは「将軍の術」だった。
・「虐待」論語 なぜ自分が罰を受けるのか分からないのに、罰を受ける。
・会社から、従業員への請求はできない。
・重要人物が辞めそうなら、その知識、ノウハウを、周囲に教えさせておく。
・1年すればできるやつは覚える。
・関連する情報の寄せ集めが経営。
●こうすれば経営に失敗する 12
・強者の戦略が正しいと思い込んでいる。
・番外弱者ほど勉強してない。
・経営のやり方には2種類ある。それを数字で示したのが、ランチェスター法則。
===
17時~
●質疑応答
・成功するには?
・「戦略名人」の教材で勉強すべき。
・10万円するが、その準備にそれ以上の時間と労力(48年間)をかけてきた。
―――
・6階建てスーパーは何故つぶれた?
・6階建てスーパーは、経費高になる。効率が悪い。
・小売業専門のコンサル 船井先生、渥美先生も、気づかなかった。
―――
・「この人が辞めたら困る」と言う状態。実際辞められて困っている。どうしたら?
・損害保険として、その人以外を育てる。
―――
・12の原則のうち、どれが失敗のパターンとして多いのか?
・勉強しないこと。
―――
・立地に関して、やってはいけない何かがあるのでは?
・こっちから出かけていく業種は、立地は関係ない。お客が来るのを待つ「来店型・客待ち型」の場合は、立地が重要。8割を決める。
・店を出す場合は、何百店舗と観て勉強すべき。
―――
・やめなさい!と助言してもやめない経営者が多い。
・福岡は、サービス産業が多く、製造業が少ない。
―――
・簿記3級は、ざっくり全体が理解できるということで推奨?
・専門用語が理解できず「え~と」と考えてしまうと、知恵、ひらめきが出ない。
・中小企業の科目はたかが知れてる。
・数字が分からない人は、浪費癖がある。
―――
・一度成功した後、失敗する社長は?
・自己を過信する。社長はおだてられると弱い。
・弱者は調子に乗るな。
・福岡でおさまる人ではない。東京にでるべきだと、コンサルに乗せられた。東京に出て、倒産。
・知名度の高いコンサルにおだてられると、つぶれる。
・東京はマーケットが違う。
―――
・弱者の戦略で、地域の絞り込みに、抵抗感を示す人がいる。
せっかく売れそうなチャンスがあるのに、なぜそっちの地域に行ってはいけないのか。
弱者だから資源が少ない、移動時間の無駄、バタ貧社長になる、と伝えているが、伝わらない。どう伝えていったらよいのか?
・なぜ、その地域が良いのか、今の地域がダメなのか、論理的に整理をしてもらう。
・好き嫌いでなく、論理的に。
・福岡から東京に出る。20社中18社が失敗する。
・権威が無いと、言うこと聞いてくれない。
・ランチェスター戦略をやって上手くいった人を根気よく探している。
===
○やっぱり竹田先生のお話と声を聞くと、身が引き締まる。勉強を続けよう!
===
竹田先生、企画して下さった伊佐さん、一緒に参加された皆さん、ありがとうございました!
===
コメントフォーム