ラーンウェル代表の関根です。
2022年12月26日(月)「OJT研修」でお手伝いしている某社のS様から、メールを頂きました。『研修評価の教科書』も熟読下さっていて、それも踏まえてのご質問です。
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●S様からのメール(以下、許可を得て転載)
研修後アンケートの集計報告方法についてお聞きしたく連絡致しました。
研修評価ミニマムコースで自由記述する質問のまとめは、どのようにするのがよろしいでしょうか?
・この研修で「学んだこと・得たこと」は何ですか?
・この研修で学んだことを、いつ、どんな場面で活用できそうですか?
本ではテキストマイニングによる分析や、受講者間で共有してモチベーションアップする方法が紹介されていました。
ただ、事務局側が実施結果を報告する際、テキストマイニングを見せても、研修が役立ったのか判断するのには適さないかなと。
現状は簡単に分類して報告していますが、有効な分析方法や報告方法はありますでしょうか?
年末のお忙しいところ申し訳ありません。何かアイデア頂けると幸いです。
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●関根からの返信
S様、メールありがとうございます。関根です。お久しぶりです!
>事務局側が実施結果を報告する際、テキストマイニングを見せても、研修が役立ったのか判断するのには適さないかなと。
確かにそうかもしれませんね。
>研修評価ミニマムコースで自由記述する質問のまとめは、どのようにするのがよろしいでしょうか?
①この研修で「学んだこと・得たこと」は何ですか?
②この研修で学んだことを、いつ、どんな場面で活用できそうですか?
はい!例えばの案をご説明しますね。
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①は「レベル2学習」の評価です。
そのため、当初の研修目標と照らし合わせて、どの程度達成されたかを示すのも一案かと思います。
(あくまで定性コメントからの主観的判断とはなりますが)
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OJT研修の場合
1)教え上手と教え下手の違いを理解している
2)新人の良い点を観察する重要性を理解している
3)一人で教えず、周囲を巻きこむ重要性を理解している
4)新人の成長を促す叱り方を理解している
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これらをカテゴリー候補として、これらの目標が達成できたと思われるコメントをまとめる。
達成されたのであれば、教育係が、新人指導において学ぶべきことがクリアーされているということで、教育係の役に立ったと伝えることができるのでは。
これら以外の「学んだこと・気づいたこと」が出てきた場合は、形成的評価の一環として、次年度の研修設計時に、それらの項目を反映させる。
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②この研修で学んだことを、いつ、どんな場面で活用できそうですか?
②は「レベル3行動」の評価に活用する為のもので、研修後の「転移促進」が目的です。
研修直後時点で、参加者が「いつ」「どんな場面で」活用できそうと考えているのかを、まずはまとめることができると思います。
(研修部門の)課長部長に対しては、研修受講者が「こういう場面で活用しようと考えているので、現場の協力を得ながら、実践を支援していきたい」と、転移も踏まえた説明(研修のやりっぱなしで終わらない)もできるのではと思います。
(現場の)課長部長に対してなら、研修受講者が「こういう場面で活用しようと考えているので、支援してほしい」旨を伝え、転移を促す側面支援になるのではと思います。
そのうえで、実際に「それらの場面で活用したのか?(転移度)」を聞くことができるかと思います。
あくまで例えばの案ですが、Sさんから見ていかがでしょうか?
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●S様からのご返信
関根先生
なるほど…非常に勉強になります。
単純なフリーアンサーと勘違いしていて、学習と行動に紐づいていたのに気づけなかったのは勉強不足です。
>①は「レベル2学習」の評価です。
そのため、当初の研修目標と照らし合わせて、どの程度達成されたかを示すのも一案かと思います。
(あくまで定性コメントからの主観的判断とはなりますが)
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OJT研修
1)教え上手と教え下手の違いを理解している
2)新人の良い点を観察する重要性を理解している
3)一人で教えず、周囲を巻きこむ重要性を理解している
4)新人の成長を促す叱り方を理解している
…
こちらに関しては1~4は必ずしも段階になっていなくてもいいですよね? 段階では表現しづらいのかなと感じました。
①の目標を達成したと感じるコメントが〇件、②は〇件…のように報告する形式もありだと思いました。
>②は「レベル3行動」の評価に活用する為のもので、研修後の「転移促進」が目的です。
研修直後時点で、参加者が「いつ」「どんな場面で」活用できそうと考えているのかを、まずはまとめることができると思います。
現場の課長部長に報告するので、回答を分類→活用場面を抽出→上長へのサポート提案の流れでしっくりきました。
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●関根からの返信
Sさま、早速のご返信ありがとうございます。関根です。
>こちらに関しては1~4は必ずしも段階になっていなくてもいいですよね?
おっしゃる通りで、段階ではないです。便宜上、1~4という番号をつけただけでした。すみません。
定性的なコメントである「学んだこと・気づいたこと」も大事ですが、それらを現場で活用すること(現場での実践:転移)のほうがより重要です。
現場での実践を予測する「自己効力感」は、定量的な数字で取ってあるはずなので、それと組み合わせて提示すると、より受け入れられやすいのではと思います。
>現場の課長部長に報告するので、回答を分類→活用場面を抽出→上長へのサポート提案の流れでしっくりきました。
何よりです!
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S様、ご質問ありがとうございました!
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