○起業家が育つ環境に目を向けた論文
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Cohen,B.(2005)
Sustainable Valley Entrepreneurial Ecosystems.
Business Strategy and the Environment
Published online in Wiley InterScience (www.interscience.wiley.com). DOI: 10.1002/bse.428
○法政大学GMBAの学生さん達に紹介された論文。
・Sustainable Entrepreneurial Ecosystems(SEE)は、新しいベンチャー企業の支援と促進を通じた持続可能な発展を、ローカル地域コミュニティーに対してコミットする相互につながったActors役割者のグループである。
・カナダのブリティッシュコロンビア州の州都 ヴィクトリアを事例に検討。
・EEのシステムコンポーネント:(Neck et al.2004)
1)Informal network 2)Formal network 3)University 4)Government 5)Professional & Support services 6)Capital services 7)Talent pool(従業員候補)
・非公式なネットワークに、助言、メンタリング、モラル支援を期待。
・Physical infrastructure 物理的なインフラも重要。家の値段や供給。交通機関。
・シリコンバレーは、アメリカの平均的な家賃の4倍になっている。
・Cultureには、地域の自然地形、気候、市民の集合的関心と知識、コミュニティの集合的スピリットが含まれる。
・アウトドアでのレクリエーショナル活動も重要。
・SEEの背骨となるのは、地域の自然環境とコミュニティの文化である。
○Start-upsの集団を前提にしているが、Self-employed自営業の集団ならどうか?
1)Informal network 5)Professional & Support services は必要だと思う。
ときがわに魅力を感じる人は、その自然環境 Natural environmentと、
接する人達の人柄 Culture of the community? にも惹かれてくれているのかも。
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Heidi M. Neck, G. Dale Meyer, Boyd Cohen, and Andrew C. Corbett(2004)
An Entrepreneurial System View of New Venture Creation.
Journal of Small Business Management 2004 42(2), pp. 190–208
○上の論文で引用されていた Neck et al.(2004)の論文。
・アメリカ コロラド州 Boulder郡
・Entrepreneurial Systemとは、地域の起業パフォーマンスを決定づけるアクター、役割、環境の相互活動(Spilling,1996)
・Spawning effect 産む効果
・Malecki(1997)によると、高いレベルの起業家活動が地域にあると、将来の起業家を生み出すことがある。
・組織は、mimicマネする傾向がある(DiMaggio and Powell 1983)
・似たような新しいベンチャーが、地域に生まれる可能性がある。
・6つの主要なコンポーネンツ:
1)Incubators 2)Spin-offs 3)Informal Networks 4)Formal Networks 5)Physical infrastructure 6)Culture
図
・インタビューした起業家の100%が、文化が重要と述べている。
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ANDREW H. VAN DE VEN(1993)
THE DEVELOPMENT OF AN INFRASTRUCTURE FOR ENTREPRENEURSHIP
Journal of Business Venturing 8,21 l-230
・これまでの起業家研究では、個人の特性に目が向けられてきた。
・今後は、社会システムの観点も織り込むべき。
図
・1)Institutional Arrangements 2)Resource Endownments 3)Proprietary Functions
・技術よりも、社会的、政治的影響の方が強いことが多い。
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Allen J. Scott(2006)
ENTREPRENEURSHIP, INNOVATION AND INDUSTRIAL DEVELOPMENT:
GEOGRAPHY AND THE CREATIVE FIELD REVISITED
Small Business Economics volume 26, pages1–24
・一般的に、起業家は、リスクテイクする、アニマルスピリッツを持つ、自己実現を目指す、独立した個人として描かれることが多い。
・しかし、Product-cycle model(Vernon 1966)では、違った起業家像が示される。新しい産業セクターが生まれたとき、セクター内で起業家が孵化される。そこでは、incubator が重要となる。
・起業家は、自身のビジョン実現に向けて動く孤独な個人ではなく、大きな製造システムの社会的エージェントでもある。
・起業家は、社会的、空間的に埋め込まれた現象であるといえる。
図
・ネットワークの進化を模式図として示した。
・実証研究の結果、起業家は、自身が住む地域に、会社を立ち上げることが多いことが明らかになっている(Almeida and Kogut 1997他)。
・暗黙知と形式知。Creative fieldでの知識蓄積。
○研究者の知識を得るために、物理的に近い場所にいたほうが良いという知見もあったな~。
>スターサイエンティストの近くにいて、その知識を企業に移転する。そのための移動時間を減らすために、近くにいる。『イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経済学』牧兼充(2022)
・暗黙知の転移こそがカギである。
・パリのファッション、ロンドンのシアター、ナッシュビルの音楽、スコッチのウィスキー等、場所と製品の連想がある。
○「ミニ起業」といえば、埼玉県比企郡ときがわ町となったらいいな~。
・1920年代~70年代にかけては、フォードの大量生産が主流であった。
・1970年代~80年代にかけて、イノベーションまたはデザインセンターが増えてきた。
・起業家活動とイノベーションは、社会的、空間的に埋め込まれたプロセスととらえることができる。
・特定の場所と時期に、際立った創造性が発揮されることがある。19世紀のランカシャー、1915年以降のハリウッド、1960年代~70年代のシリコンバレー等。
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