○Kazuma企画の読書会議「ニュータイプ」に参加するにあたり読んだ本(ビジネス書4冊)
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山口周(2019)『ニュータイプの時代』
・「問題が希少」で「解決能力が過剰」
・7世紀の遣隋使の頃から、20世紀後半まで、日本にとっての「問題」は、常に海外先進国との差分として明確に示されるという恵まれた状況。
・「未来がどうなるか?」ではなく「未来をどうしたいか?」を考えるのが、ニュータイプ。
・「意味を与えると、人は豹変する」
・その時代の若者は、常に「その時代に足りないもの」についてハングリーなだけ。
○確かに、今の時代だと、「意味」にハングリーなのかも。
・切っ先の鋭さゆに、強い貫通力を持つ。
・「すぐ役に立つものは、すぐ役に立たなくなる」 小泉信三
・「意味の市場」においては、むしろ多様性が増す。「役に立たないもの」こそ多様。
・「役に立つ」より「意味がある」ほうが、高く売れる。
・社会主義が唯一生き残る場所が、企業。
・大企業による寡占化と、企業に依存しない個人の台頭というトレンドは、二極化の双極。
・成長の肥料となるのは、「体験の質」と「仕事の環境」である。
・「試し上手」は「やめ上手」 何かを試すためには、何かをやめなくてはならない。
・いたずらに独占を目指さず、むしろ積極的に他者と実りを共有することで、全体としての富を大きくしていく。
・Liberal arts とは、自由になるための技術。
・他者とは、「気づき」の契機である。
・矛盾は、システムのカタストロフィを避けるために、とても重要な概念。
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山口周(2017)『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
・コンサルティング会社が提供している価値を一言でいえば「経営にサイエンスを持ち込む」ということになる。
・論理や理性で考えても白黒のつかない問題については、むしろ「直観」を頼りにしたほうがいい。
・哲学を学ぶ機会を与えずに、エリートを育成することはできない。それは危険であるというのが、特に欧州における考え方。
・「アート」は、アカウンタビリティを持てない。
・「なぜそのようにしたのか?」という理由を、あとでちゃんと説明できるのが、アカウンタビリティ。
・トップに「アート」を据え、左右の両翼を「サイエンス」と「クラフト」で固めて、パワーバランスを均衡させる。
・Planをアート型人材が描き、Doをクラフト型人材が行い、Checkをサイエンス型人材が行う。
・デザインと経営の本質的な共通点。「エッセンスをすくいとって、後は切り捨てる」
・経営という営みの本質は、「選択と捨象」
○これ面白いな~。デザイナーの方と話してみよう。
・アイデアが優れたものであるかどうかを判断するためには、それが「美しいかどうか」という判断、つまり美意識が重要。
・世界観とストーリーは、決してコピーすることができない。
・オウム真理教と類似しているのが、戦略系コンサルティング業界と新興ベンチャー業界。
・エリートは、システムに対して最高度の適応力を持っている人たち。
・「偏差値は高いけど、美意識は低い」という人に共通しているのが、文学を読んでいないこと。
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山口周(2018)『劣化するオッサン社会の処方箋』
・現在50代~60代の人たちは、1970年第~1980年代に、社会人となった。
・彼らは、教養世代と実学世代の間の知的真空世代である。
・哲学や思想は、システムを批判的に思考する技術。
・権力者に圧力をかける方法は、オピニオンとエグジット。この2つの欠如は、年長者を甘やかす。
・年長者は、一種のデータベース。
・流動性知能のピークは、20歳前後。結晶性知能のピークは、60歳前後。
・より深い思考を促すような本質的な問いかけを行うための「教養」が必要。
・学習によって、人の脳は変化する。
・年長者が担うような重要な職責を若い人が担うことで、はじめて人材は育成される。
・秋に当たるサードステージの50歳~75歳では、それまで培ってきたものから世の中に対して実りを返していく時期。
・「学ぶ」ということは、本質的な意味での「若さ」を保つ秘訣である。
・重要な処方箋は、謙虚な気持ちで、新しい物事を積極的に学び続けること。
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石山・伊達(2022)『越境学習入門』
・ホームとアウェイを往還する(行き来する)ことによる学びを、越境学習と定義。
・OJTは「深化」には適しているが、「探索」には適していない。
・「経験学習」が、熟達としての縦の深堀りであることに対し、「越境学習」は、熟達を意図的に一旦停止し、視野を広げて横へ展開していくこと。
・自立とは、何かから独立してやっていけること。自律とは、自分が大切にしている何かで自分を律していくこと。
・越境学習者は、二度死ぬ。越境後の葛藤と衝撃のほうが大きい。
・認知的不協和の状態を持続させていることが肝要。
・上司の役割は、「関心は持つが、関与せず」 関心は寄せつつ、関与は慎重に。
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