【木曜日22-19】ライフサイクル本(4)

木曜日

【木曜日22-19】ライフサイクル本(4)

○エリクソン本(研究書2冊)

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『アイデンティティ 青年と危機』(1973)

・本書は「幼児期と社会」につづくものである。

・アイデンティティの形成は、反省と観察の同時的な過程を含んでいる。
・心理社会的アイデンティティは、人間の今ここにあるはかない存在を、錨のように定着させるものとして必要なのだ。

・フロイドが、物理的エネルギーに関する諸概念を心理学に応用したことは、重要な第一歩であった。

・女性患者が、男についてもっているすべての矛盾した心像を、精神分析家(つまり私)へ転移したものを分析してこそ、精神分析学は可能となるのである。

・心理的に元気でいるためには、これらの葛藤をつねに再解決し続けてゆくものだからである。

・漸性原理。成長するものはすべて基礎計画をもっている。
・すでに予定されている段階にしたがって発達するもの。

・基本的信頼というものを、活力的なパーソナリティーの隅石とみなすようになった。
・自律性が成長するためには、信頼が早くからしっかりと発達していることが必要である。

・成熟した人間は、自分が必要とされることを欲するもの。

・並外れた人間の自伝というのものは、アイデンティティの発達を見るための一つの源泉となりうる。

・言語学的にも心理学的にも、アイデンティティとアイデンティフィケーション(同一視)とは、根が共通している。
・相手の人間との融合は、アイデンティティの喪失をもたらすのである。

・フロイドは、50歳になろうとするときに、イルマの夢を見た。
・人生後期に再び体験するアイデンティティの危機を説明するのに役立つ。

・ひとかどの人間になるということは、自分の父親の予言を撃破するためである。
・この撃破は、反撃してくることを期待して、自分のこどもをはずかしめようとする全ての父親が熱烈に希望しているものなのである。

・支配的な男性的アイデンティティは「役に立つもの」に基づいており、それが建設に役立つのか、破壊に役立つのかということには、無関係なのである。
・遊戯行動において、少女は、内的空間を強調し、少年は外的空間を強調していた。

・アイデンティティは「わたしとは誰か」という問いではなく、「わたしは何になりたいと思っているのか、そのためには何に働きかければならないだろうか」というのが適切な問いである。

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『ライフサイクル、その完結(増補版)』E.H.エリクソン&J.M.エリクソン(1997、2001)

・老年期が発見されたのは、ごく最近のこと。
・老人は、選り抜かれた一握りの長老(Elders)という意味から、大量の年長者(Elderlies)の群を表すものへと変化し、老年期の再定義が必要になった。

・心理社会的Psychosocialという用語と概念が現れたのは、心理性的Psychosexualな理論を補完する意味をもっていた。

・発達初期のパターンによって後のライフサイクル全体を予測しうるという発達仮説。

・漸性的発達、つまり胎児の身体諸器官が一歩一歩段階を踏んで成長すること。
・各々の部位は、その部位の発達の決定的かつ臨界的な時期が、正規に到来する以前にも何らかの形で存在。

・心理社会的危機 

・各段階の順序は変わらない。

・仕事や愛情における頼もしいパートナーと出会い、その信頼度を十分に確かめるまでは、誰も自分が誰で「ある」かを本当に「知る」ことはできない。

・ピアジェは彼の発達段階とエリクソン達のそれとの間には、少なくとも何の矛盾も見いだせないと述べた。

・子供は、基本的には、両親以外の大人との出会いを強く求めているものである。

・各発達段階の年齢を細かに特定することは、妥当ではない。
・新たに第九の段階を設定し、80歳代後半から90歳代の老人の目を通して、理解する。

○この章を書いているのが、エリクソンの奥さん、93歳だそう(エリクソンは、1994年に、92歳で亡くなった)

・失調要素による試練にさらされる時、同調要素が我々を支える。

・周囲の人たちは、老人たちとどのように打ち解ければいいか分からない。
・年老いた人たちに対する今世紀の人たちの反応は、嘲りであり、侮辱の言葉であり、激しい嫌悪ですらある。

・生殖性の段階は、発達図式上で最も長い期間(30年あるいはそれ以上)を占める。

・役割モデルとなる老人がいないのであれば、たった一人で直面しなければならない人生の終わりをいかに迎えるかを、彼らからどのようにして学ぶことができるだろうか。

・老いるということは、偉大な特権である。

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投稿者:関根雅泰

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