【木曜日23-20】安岡正篤先生本(11)

古典に学ぶ

【木曜日23-20】安岡正篤先生本(11)

○「郷学研修所・安岡正篤記念館 令和5年度 ビジネス会員講座」の課題本(東洋古典1冊)

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『為政三部書に学ぶ』 安岡正泰(2003)

・車の両輪ともいうべき人間の心の問題がなおざりにされ、精神的な問題が全くおろそかになり、顧みられなくなってしまった。

・微に入り細に渉って親切な尊い訓戒

・張養浩こそは、耶律楚材と同じく「百姓の爲に哭し」た人であり、眞に「社稷の臣」と言うべきである。
・彼が地方長官として、監察官として、大臣としての真剣熱烈な体験と飽くなき学問求道の精神とより、民を思い国を思うの餘りに成ったもの。

・三事忠告とは、県令となって著した「牧民忠告」御吏となって著した「風憲忠告」大臣となって著した「廟堂忠告」の三部を併せて名付けたもの。

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「廟堂忠告」大臣に対する忠告

第一 修身

・ひたすら己を修め、己を律する者だけが、その栄誉を受けられる。

第二 用賢

・優れた賢人賢材を知るにはどうすればよいのか。
 1)人々の意見をよく聞く 2)その人物の行動を見る 3)その人物の推挙する所を見る

第三 重民

・部下は上に立つ人の日常を良く見ている

第四 遠慮

・遠慮:将来を見通す

・先手先手と対策を立てていけば、なんら憂慮することはない。

第五 調燮 ちょうしょう

・人事を尽くして、そして自然の和を壊すことのないようにする

第六 任怨 

・義に基づいて政治に取り組んでおれば「悠々の言」無責任な世間の風評などに惑わされることはない。

・甘んじて怨に任ずる覚悟が求められる

第七 分謗 

・人の怨を甘んじて受け、責任のある地位にある同僚に降りかかる謗を分たなければならない。

第八 應   おう?  

・情報に振り回されずに、先ず事実を確認すべきである。

・危機に対する処し方

第九 献納 

・善政は、君主の功として、失政は、自分の責任とする。

第十 退休 

・だいたい前へ進むことは知っていても、退くことを知らない。
・退くべくして退く機がある。

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「風憲忠告」法務監察に対する忠告

第一 自律

・より一層自らを律するに厳しい責任がある

第二 示教

・刑罰だけで、人民は治められない

第三 詢訪 

・家を斉えようとすれば、家族をはじめ使用人一人一人の性格や特質を知っておかねばならない。

第四 按行 

・多算は、少算に勝る。少算は、無算に勝る。

・「貪らざるを以て宝と為す」

第五 審録 

・人を愛する立派な人物の心は、天地自然の心と同じである。

・厳しい姿勢が求められるが、心の中には、思いやりがあり、やさしくなければならない。

第六 薦挙 

・多くの知識や才能ある人物を広く登用任命してはじめて正しい政治がおこなわれる。

・小人の長所を取り入れて小職に用いる。
・小人を、決して上には立てない。

第七 糾弾 

・人材は得難いもの、ましてや徳のある優秀な人材はなかなか得られない。

第八 奏對 

・「げうげうたる者はかけやすく、けうけうたる者はけがれやすし」

第九 臨難

・冷静に非難を受け止め、発言の真意を説明していくしかない

・口学問、耳学問だけであって、真の大人物になるべき学問、精神を自得していなかった。

第十 全節

・節義とは、世の中の規範

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「牧民忠告・上巻」地方行政に対する忠告

第一 拝命

・「修身」「自律」「省己」
・指導者は、まず己を正す自己修練が大事。

・一度でも利己心から罪を犯すようなことになればどうなるか。

・地方行政を委任できる優秀な人材を配置することが何よりも大事な人事施策。

第二 上任

・着任前の事前調査

・簡単明瞭でぴしゃっと肝腎要のツボを得た話し方。

・自分を厳しく律していくことが、一番大事な身の処し方。

第三 聴訟

・矛盾を追求していけば、真偽のほどは判明してくる。

・心を平らかにし気をやすらかに。

・よく諭して、自宅に戻らせて話合わせる。

・全て住民の苦しみは、自分の苦しみと同じように考える。

第四 御下

・精査するとは、大網を把握して本質をおさえておけばよい。
・上司を部下が信頼して欺くことが忍びないようにするのが上策。

・徳、明、威を備える。

・行政で省略することのできないのが、堤防工事である。
・一害を除き、一事を減らす。

第五 宣化

・すべての治政は、学校から出発している。

・視察が農民をつかれさせている。

・その身正しければ、令せずして行われる。

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「牧民忠告・下巻」地方行政に対する忠告

第六 慎獄

・為政者が自己の教養を怠り、道を誤るならば、政治が乱れる。

・最初の取り調べが大事。

・天地の徳は、「好生」生を好む。

第七 救荒 

・善行を積むことは、人びとに恩恵を与えながら、実は自分自身に恩恵を与えている。

第八 事長

・忍耐することは、多くのことの入り口である。

・すべて自分のものとしないで、人に与えることが人を大きくする道である。

・自分を律することを厳しくとも、人に対しては思いやりをすべきである。

第九 受代

・後任者を郊外まで迎える

・善行については誰がやっても同じ。
・自分だけが善行を行って、他人の善行を願わないようなことはすべきではない。

・終を慎むこと始の如し。

・淡々として人が知ることを求めようとしない人物が最も高い人格の持ち主。

第十 居閑

・功成り名遂げた人がきれいに退く姿

・忙しい時にも心を練り、静かな時にも心を養う

・名誉と節操は、一度失ってしまうと一生取り戻すことはできない。

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投稿者:関根雅泰

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