○『評価者の失敗』に前書きを寄せているPatton先生と娘さんの本。(1冊)
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『Utilization-Focused Evaluation 5th edition』 M.Q.Patton & C.E.Campbell-Patton(2022)
・3人の子供の一人、娘のCharmagneが、Evaluator評価者の道を選んでくれた。
・私は、偶然評価者になった。当時は、プロフェッションがなかった。
・今は、評価者というプロフェッションが、世界的に存在する。
・この本の1st ed.は、1978年に出た。2ndが、1986。3rdが、1997。4thが、2008。
・伝統的に、評価者は、観察し審判する役割で、介入はしてこなかった。
https://edge.sagepub.com/patton5e
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1.What Utilization-Focused Evaluation(U-FE) is and Why it matters
・質問こそが、評価の背骨である。
・Evaluation is making love to questions.
・評価は、使えるか、実際に使うかで、審判されるべき。
・Pragmatist philosophy プラグマティストの哲学が、U-FEに影響を及ぼしている。
・U-FEの最低限の特徴
○自分なりに整理すると、1)人 2)目的 3)プロセス 4)フォロー 5)変化 ってことかな。
・評価は、究極は、People businessである。
・primary intended user 重要な使用予定者の目的を確認する。
・評価プロセスで、評価者は「Active-Reactive-Interactive-Adaptive」に行動する。
・評価レポートを1回出して終わりではない。フォローアップし、評価結果の使用を促す。
・Context状況や文脈は変化するもの。
・コロナ禍のとき、評価などは、人々の頭に浮かぶ最後のものであった。
・Criteria基準がないと、評価できない。
・2007年に橋が壊れ大勢の死傷者が出た。何度も「危険」という評価が示されたが、結局改善されなかった。評価が使われず、無視された事例である。
・コロナ禍において、ホワイトハウスのスタッフは、トランプ大統領が聞きたいことだけを報告していた。
・危機においては、素早いフィードバックと行動が必要である。
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2.Utilization-Focused Evaluation Principles
・Principle原則が、Guide導いてくれる。
・原則が、不確実性に向き合う際に、知恵と導きを提供してくれる。
・Evaluators do IT under difficult circomstances.
・Use 評価が使われることに、焦点をあてる。
・ステークホルダーの「興味」と「権力」によって分類する。
・ステークホルダーには「否定者」「文句言い」「皮肉屋」「不安家」「知ったかぶり」「情熱者」「反対者」「政治屋」等、色々いる。
・評価で、人間関係は大事。どれだけ時間をかけたか、お茶を飲んだか、一緒にご飯を食べたかが左右する。
・すべては「目的」から生まれる。
・目的の種類:
1)審判(総括的評価) 2)学習と向上(形成的評価) 3)説明責任 4)モニタリング 5)知識生成 6)イノベーション(Developmental evaluation 開発的評価)
・I would really like to know ___ about ○○.
・○○について、本当に知りたいことは何か? それが評価すべきこと。
・L.J.Cronbach(1982)は、評価設計は、科学と同じくらいアートだと考えた。
・評価結果が出てから、使い方を考えるのではなく、最初から、評価結果の使い方を考える。
・リハーサルをしておく。
・What?So What?Now What?
・重要な使用予定者は、忙しい人々である。評価結果は簡潔に示す。
・Prospect Theoryによると、人は得ることよりも、失うことのほうを怖がる。
・一つの否定的な評価結果を打ち消すには、5つの肯定的な評価結果が必要。
・Useは、プロセスである。1回のイベントやレポート提出は、評価のUseではない。
・U-FEは、直線的なステップではない。原則が、ガイダンスを提供する。
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3.New,Emergent,and Urgent Directions for Utilization-Focused Evaluation
・Posttruthな政治文化の中では、科学的根拠よりも、個人的意見のほうが重視される。
・Truthiness 本当であってほしいことを、本当のことだと思いたがる。
・Thoughtlessness in a Posttruth World
・私たちは、地球を壊していることを知っている最初の世代であり、何かができる最後の世代である。
・Anthropocene 人新世 Holocene 完新世
・Colonialism植民地主義 White supremacy白人優位主義 Global Capitalismグローバル資本主義
・Blue Marble Evaluation(Patton 2020)は、開発的、原則重視の評価である。
・Evaluative thinkingは、Democracy民主主義を強化する。
○こういう反省からの新しい取組みは素晴らしい。しかも、それを自分の娘世代が考えてくれているのでから、お父ちゃん(Patton先生)は嬉しいだろうな~。
・R.Stake(2004)「評価者は、世界を救うために何ができるのか?」と問題提起。
・M.Schriven(1991他)は、Value-free science 価値中立の科学という誤謬を攻撃した。
・Equity と Sustainability が、Global Common Goodの基礎になる。
・Transformation means ”No One Left Behind”.
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