郷学研修所・安岡正篤記念館 ビジネス会員向け 令和5年度「古典講座(4)」に参加しました。

古典に学ぶ

ラーンウェル・ときがわカンパニー代表の関根です。

隣の嵐山町にある「郷学研修所・安岡正篤記念館」企画のビジネス会員向け「古典講座」に参加しています。2か月に1回、1年間かけて学んでいく講座です。

令和5年度は、安岡正篤・正泰先生の書籍『為政三部書に学ぶ』が課題本で、講師は、安岡定子先生と、縄文アソシエイツの古田さんです。

【木曜日23-20】安岡正篤先生本(11)
https://www.learn-well.com/blog/2023/05/yasuoka-kyougaku11.html

2023年11月21日(火)18時~20時@Zoomで、第4回講座に参加しました。私の理解の範囲で、印象に残った言葉を記録しておきます。

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●事前読書(印象に残った箇所)

第六 薦擧 

・多くの知識や才能ある人物を広く登用任命してはじめて正しい政治がおこなわれる。

・小人の長所を取り入れて小職に用いる。
・小人を、決して上には立てない。

第七 糾弾 

・人材は得難いもの、ましてや徳のある優秀な人材はなかなか得られない。

第八 奏對 

・「げうげうたる者はかけやすく、けうけうたる者はけがれやすし」

第九 臨難

・冷静に非難を受け止め、発言の真意を説明していくしかない
・口学問、耳学問だけであって、真の大人物になるべき学問、精神を自得していなかった。

第十 全節

・節義とは、世の中の規範

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18時00分~

●安岡定子先生による講義

<風憲忠告 法務監察に対する忠告 第六 薦擧 ~ 第十 全節>

・初穂(はつぼ)
・昔は、秋の収穫といえば、お米をさしていた。
・お米はお金と同じ価値がある。

・p113 上に立つ人物は「多くの知識や才能ある人物を広く登用任命してはじめて正しい政治がおこなわれる」

・p114 公的な会議の場で、私的な感情の論議はしてはならない。

・日本人は、その人の人柄全部を見て判断しようとする。政治的手腕と、私生活を分けてとらえるのが難しい。

・p115「常に意中に人有り」

・p116 西郷南洲の言葉 人材を採用するときは、できる人(君子)とできない人(小人)を、区別しようとすると難しい。10人のうち、7~8人は小人。その人たちの才能を発揮させることが大事。

・p119 推挙するのは下級職から。糾弾するのは上級職から。

・現場に行ったら、賢才をあげよ。

・p121 刑故無小 けいこむしょう 故意に犯した罪は小さな罪でも刑罰を与える

・p121「治人あって、治法なし」荀子

・人を糾弾するには、自分に自信がないとできない。

・p123 上に物を申す難しさ 正論を直言する

・古典は、言語力、言葉に力がある。
・自分が良いと思った言葉を、若い人に伝えることは良い。

・p124 心を平らかにして、気を落ち着け、淡々として、ただ事実だけを言上する。

・今これを言わないことが、相手に不誠実になると思えるかどうか。

・p126 臨難

・肝が据わっている本当の君子と、そうでな人の差
・時局が深刻になると、苦し紛れに何をやるか分からないのが、小人。そういう人がトップになると大変。

・何もない穏やかな時には、皆同じに見えるが、いざという時に、人の違いが見える。

・p128 冷静に非難を受け止め、発言の真意を説明していくしかない。

・p128 子路が、孔子につめよる。「こんなに困窮するのか!」君子も窮する。小人は乱れる。

・結局、最後は自分に返ってくる。「己を修める」修身。

・p134 節操と道義を貫けるのが、理想のトップ
・p135 節義とは、世の中の規範

・君子は泰かにして奢らず、小人は奢りて泰かならず。

・p135 志のためには、命をも惜しまない「節義を全うする」指導者が求められている。

・エリートによって決まる。

○古田さん

・会社が小さい内は、社長が自分で採用。
・大きくなると、人事が採用。そうすると、劣化してくる。
・大企業になっても、社長が自ら採る会社は強い。

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18時56分~ 30分 

●グループ意見交換

・言わないといけない 自分はできてない時は言いづらい
・若い人に言わないといけない場面筋を通して言うと分かってくれる

・若い20代の良い点を見つけたら、ほめて伸ばす。
・昔は、上司から怒鳴られた。

・怒られて気が付いた。言ってくれる先輩はありがたかった。

○定子先生

・今の若い人は、育ち方が違う。ガツガツしてない。やればできる。
・業態に関係ない研修をしている。
・古典の話を聞いたことがない。それに触れると変わる。
・本当は、社長や上司が言いたいことを、古典を通じて、外部講師に言ってもらう。
・昔の人もそう考えていたんだ。
・触れてないことが大きい。厳しく育てられてない。

・継続的に研修をしている企業は変わっている。
・古典に触れてないことが問題。

・理不尽なこともあると古典には書いてある。
・真面目にやっているのに、他の人が評価されている。
・古典に触れてない若い人の方が柔軟。

・「僕も頑張ろう!」という気持ちになるが、業務に埋没すると忘れる。それで大丈夫か?と訊かれた。
・言葉にふれている。帰る場所を持っているのが、強い。

・「いい大人に育てる」ためには、良い言葉に触れさせることが大事。
・ただの物知りもいる。学んだことを活かしていない。
・「感動する心と情緒」が、スイッチを入れる。身に着けたことを実践できる。

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19時26分~

●クラス共有

○Nさん

・自分を律する。本質を追求する。
・人材採用、登用も大事だが、育成が大事。両輪。
・登用しても、7~8割がた上手くいってない。降格も簡単にできない。
・一緒にやっていく仲間。
・人を良く見れる、現場を良く分かる、起きてる現象を理解する。自分を磨くことがセット。

○Sさん

・若い人の育成。
・自分を律する。言わなければいけない時に、筋を通した説明。

・苦しい時、有事の時、窮した時の言動。

・良い点はある。そこをしっかり伸ばす。
・経営計画書に中に、全社員の1年間のテーマが書かれている。その「コト」に関して会話をする。

・昔は、どなられた。言ってくれた先輩に感謝。
・きつい経験をしてない若手が、幹部になることへの不安。
・古典に触れることで、そういう若手も学べる。

○Iさん

・人を採用する。人を見極める難しさ。
・会社の成長をどう考えているか、部下とどう関わっているかを聞きながら、相手を見極めようとする。

・人に伝えるときは、具体的事例があると分かりやすい。
・「利他的悪人」社会のためなら、悪人も買って出る。
・「利己的善人」
・利他的善人が、君子では。

・会社が今は「キビキビ」状態。決めたことはやり切る。

○Hさん

・終わりがあるからこそ。
・コオロギの例えも絶妙。
・組織改革が回ってない。

・「これはそうだよね」と思えること自体が成長。
・「やってみろ!」という課題が与えられたと考えている。

・異動にあたっては、その人が次の部署で活躍できるよう説明する。

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19時42分~

●全体まとめ

○安岡定子先生

・実践することが難しい。
・こういう言葉に触れること、あるべき姿に近づこうとすることが素晴らしい。
・それが、古典が残っている意味。

・先人の言葉に触れ続ける。

・若い人をどう育てるか。
・若い人の外に見える姿勢は、昔と変わった。
・「何を一番に心掛けるか?」と、新入社員に質問する。

・コロナ前は「時間を守る」「言葉遣いに気を付ける」という回答。
・その前は「早く仕事を覚えたい」「一人前になりたい」という声が多かった。

・物事の考え方が変わっていく。

・先人の言葉に触れている周囲の人が少ないと、若い人にも伝わらない。

・スキルアップするセミナーや、専門性を高めるセミナーの中に「論語」が入ると皆戸惑うが、その後、じっくり考えてくれる。

・今いる人員で、いかに最高の力を出していくか。

・自分自身のバランスは自分でできる。組織の場合は、バランスをとるために、適材適所が必要。

・私利私欲は悪い事なのか?という質問。
・私利私欲というより、野心ではと思った。
・自分の利益や欲求を満たすことだけで行動するのが私利私欲。野心は悪くはない。

・「あうんの呼吸」で通じる人だけではないので、言葉で説明し、行動で示す重要性。

・切れ者の社長に、穏やかな参謀がつく。
・人間の組み合わせの面白さ。

・身を修める、家を斉える、国を治める、世が平らかになる。

○古田さん

・小人のほうが、仕事ができる。
・小人をマネージするのが、社長の役目。

・「人を使うは、苦を使う」

~20時終了

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皆さん、ありがとうございました。次回(24年1月)も楽しみにしています。

投稿者:関根雅泰

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