○日本評価学会の下記文献で出会った本。(ビジネス書1冊)
「ドラッカーによる成果重視の自己評価手法~評価領域拡大への示唆」田中弥生・伊永大輔(2003)
===
『非営利組織の「自己評価手法」』 P.ドラッカー(編著)田中弥生(訳)(1995)
・私は、「第三の日本」つまり、非営利、非政府、そして非企業であるコミュニティ組織に注目してきた。
・地域ボランティア組織は、日本の風土に深く根付いたものなのである。
・知識労働者というものは、本来流動的であり、本来組織に対してよりも、自分の知識に忠誠心を持つ。
・どこか帰属感の持てるコミュニティ組織が必要。
・非営利組織のマネジメントは、ビジネスよりも難しい。
・業績を計るための利潤というものさしがないからである。
ーーー
(訳者注)
・本書で述べる「評価」は、事業方法や組織の運営方法について診断し、その結果を次の運営方法や戦略に反映させるためのものである。原文では、Assessmentという言葉を用いている。
○Evaluationではなく、Assessment。
ーーー
・「自己評価手法」の中で最も重要な点は、その中で問いかけられている質問である。
・最も重要なのは、こうした質問を問いかける行為そのものなのである。
・ドラッカーの経営哲学の真髄に関連した、単純だが、強力な5つの質問。
○ほんと、そうだよな~。年始の比企起業大学大学院ゼミ(第4回)でも、皆と一緒に考える時に使ってる。その時は、こっちの本。『経営者に贈る5つの質問』
『経営者に贈る5つの質問』のレビュー P.F.ドラッカー (関根雅泰さん) – ブクログ (booklog.jp)
ーーー
・使命は、実行可能なかたちで述べられなければならない。
・「使命とは何のことですか?」と尋ねられれば、逆に「あなたが生きている意義は何ですか?あなたが今していることをするのは、なぜですか?」と問い返すだろう。
・使命(仕事)は、焦点が絞られて、狭い方が良い。
・リーダーに求められる究極の能力は、優先順位を決め、それを遵守させることである。
・満足してもらわなければならない人々が、顧客。
・「善を行う」だけでは十分ではない。「上手く行う」ことが必要。
・「第1の顧客」「支援してくれる顧客(寄付者等)」
・顧客は、その満たされてない要望を充足する満足感を買う。
・顧客にとって何が価値があるのか。顧客に質問しなさい。
・私は教授生活を始めて60年以上になるが、1年に1度、講義の期間中、ランダムに選んだ10年前の卒業生、50人から60人に電話をすることにしている。そして「ふり返ってみて、この学校で学んだことで何が役に立っただろうか?いまだに役にたっているのは?」とたずねる。さらに「改善の余地は?もうやめたらよいと思うことは?」とたずねる。彼らのフィードバックは、私が指導し、責任を負っている仕事にとって、真に重要なものとなっている。
○これ凄いな~。まさに、SCM的インタビュー。俺も、比企起業大学の卒業生たちに、訊いていきたい。
・成果は、いつでも組織の中にではなく、外にある。
・教師の成果は、彼から学んだ生徒たちにある。
・成果は、資源のばらまきではなく、集中によって獲得できる。
・重要なのは、上手くやれて、さらに続けたほうが良いことは何で、上手くできず成果が上がらないことは何かを見出すこと。
・もし上手くできないのであれば、それはおそらくすべきことではない。
・決断とは、活動に向けての意思決定である。
ーーー
●訳者あとがき
・これらの質問がなんと辛いものであるか。
・マネジメントという見地から見れば、営利と非営利には、それほど大きな違いがない。
・5番目の計画に関する質問がやや飛躍する感がある。
===
コメントフォーム