○年末年始に読んだ歴史本。やっぱりこういう本は、仕事を離れられる時間じゃないと、読めないですね。(5冊)
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『B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊』E.Cline(2018)
・本書の主眼は、3000年以上も前に崩壊した青銅器時代文明と、その崩壊を引き起こした要因についてみていくこと。
・本書で考察するのは、グローバル化された世界システムだ。
・今日のますます均質になると同時に、制御不能になっていく、グローバルな経済や文化に、非常によく似ている。
・安定していた国際的なシステムが、何世紀も栄えた後に、なぜ突然崩壊したのか?
・前1177年に何が崩壊したのか。
・以前は、この時代の破壊は、全て「海の民」のせいにされがちだった。
・「海の民」による無慈悲な破壊とか怒涛の入植とかいう「物語」は、フランスのエジプト学者 G.マスペロらによる創作だった。
・人的、自然的な事象の連鎖-気候変動や干ばつ、地震嵐と呼ばれるほどの連続的な地震、内乱、そしてシステム崩壊など‐が重なって「パーフェクト・ストーム」現象が起こり、それがこの時代に終止符を打ったという可能性のほうがはるかに高いと、現在では考えられている。
・クレタ島のミノア文明とエジプトの新王国のあいだに交流があった。
・前14世紀には、贈物を装った国際交易がおこなわれていたのである。
・歴史を学ぶ者は、その気になれば、その成功を繰り返すことができるのである。
・前15世紀は、古代地中海世界ぢゅうで、持続的な国際関係が生まれてきた時代と言えるだろう。
・とくにエジプトは、他国の王たちから交易相手として熱心に望まれていた。
・『ギルガメッシュ叙事詩』と、ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』との類似性や、ヒッタイトの「クマルビ神話」とヘシオドスの『神統記』との類似性は、文化と文化の交流によって説明できるのではないか。
・カーターは、いつもキャンプを張っていた場所の発掘を始めた。すると、3日後、ツタンカーメンの墓への入り口を発見した。
○まさに、宝は足元にありだな~。
・前13世紀は、世界が初めて真の意味でグローバル化した時代だったのである。
・「出エジプト」がほんとうにあったとすれば、それは前13世紀なかばのことのはずである。
・後期青銅器時代は、混沌の内に終わるが、その混沌を抜け出して、新たな世界秩序を作りあげる民族集団のひとつ、それがイスラエル人なのだ。
・後期青銅器時代は、経済のグローバル化が進んだ時代だった。300年以上も続いたその時代が、前12世紀に、劇的な終焉を迎えるのだ。
・図 前1200年ごろに、破壊された都市
・現イスラエル、イズレール谷のメギド、聖書に言うハルマゲドンの遺跡。
・「大災害は、人類史の区切りである。しかし、過度の損害をこうむることなく、人類はおおむね立ち直ってきた。そして以前にもまして努力することで、さらに大きな成功をつかんできたのである」
○この言葉、勇気づけられるな~。
・レンフルーは、システム崩壊の一般的な特徴をまとめた。
1)中央行政組織の崩壊 2)従来の支配階級の消滅 3)中央統制経済の崩壊 4)集落の移動と人口減少
・このような崩壊の側面が全て完了するまでには、1世紀もかかることがある。
・崩壊の後には、より統合レベルの低い社会政治体制への移行が起こり、以前の時代について「空想的な」暗黒時代神話が生まれるという。
・青銅器時代文明の崩壊のさいには、レンフルーが示した典型的な特徴のすべてが現れている。
・青銅器時代に繁栄を謳歌していた文化と人々を、「パーフェクト・ストーム」が叩きのめした。
・システムの一部だダウンすると、ドミノ効果によってそれが波及し、ほかの部分もダウンしていく。その後に起こる「システム崩壊」は、次々に社会を瓦解させていく。
・予測不能なシステム崩壊が、気候変動によって引き金が引かれたことは大いにあり得る。
・いま、私たちも、気候変動の影響を受け始めているではないか。
・たった一つ社会が崩壊しただけで、国際的な交易ルートや経済に壊滅的な影響が及び、ほかの社会の破滅につながることもあり得る。
・複雑なシステムが崩壊した時、それが「いくつもの小さな実体に分解する」これはまさしく、青銅器時代の文明が終わった後、鉄器時代に起こったことである。
○地域コミュニティが、この「小さな実体」であれたらいいな~。
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『1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』C.マン(2007)
・「コロンブスが到着したころの新世界は、どんなところだったのだろう」
・本書では、3つの新発見に的を絞って、掘り下げていくことにする。
1)先住民の人口 2)起源 3)生態系とのかかわり
・1492年に、コロンブスが足を踏み入れた大陸には、すでに隅々にまで人の手が加わっていた。
・現在では、先住民が生来の素朴さや純真さを持ち合わせていたから、環境に影響を及ぼすことが少なかったというシナリオが一般的だ。
・最初に示したのは、H.D.ソローだろう。
・標準的な高校教科書の1987年度版は、新世界におけるヨーロッパ人の歴史は「何もなかったところに、文明を打ち立てていった歴史である」と教えている。
・先住民の多くは、リオ・グランデ川の南に住んでいた。彼らは狩猟民族などではなく、世界でも類を見ないほど大きく豊かな都市を築いて定住していたのだ。
・コロンブスが来航した後、疫病と制服によってあえなく消え去った。
・これほど少人数のグループに滅ぼされてしまった帝国は、インカのほかにはない。
・最初の接触から、130年の間に、アメリカ大陸の先住民人口が、95%も失われた。
・アメリカ大陸では、動物原性感染症が殆ど見られなかった。
・何千年もの間、独自に発達してきたアメリカ大陸は、斬新なアイデアや夢、物語、哲学、宗教、倫理観、発見といった精神活動の宝庫だったのだ。
・ヨーロッパ人と南北アメリカ大陸にすむその子孫が、責任をとるためにまずしなければならないことは、今日の先住民に対し、敬意をもって接することだろう。
・アメリカ大陸は、驚くほど多様な人々であふれかえっていた。
・ミトコンドリアDNAは、父系ではなく、母系を通じて伝えられていく。
・多くの考古学者たちは、「クローヴィス文化」を生み出した人々が、「最古のアメリカ人」に違いないと考えた。
・クローヴィス最古説は、根拠の薄い仮説の最たるもの。
・ペルーでは、文明が誕生したあとで、農耕が始まったことになる。
・メソアメリカには、4千年の昔から繰り返し耕されてきて、いまだに生産力の衰えていない土地がある。
・トウモロコシを栽培する「ミルパ」という畑は、長期使用を可能にする唯一のシステム。
・自然は、人が手を触れることではじめて、完全となりうるのである。
・インディアンが野焼きをしていたことさえ、忘れ去ってしまった。
・マヤ文明には、驚くほど、古代ギリシア文明に似た点があるようだ。
・広大なアマゾンの森林もまた、カホキア(ミシシッピー)やマヤ中部地域と同様、文化の所産、つまり人口物だという意見も出てきている。
・ヤノマモ族の牧歌的で自然体と見える現在の暮らしぶりは、じつは哀れな亡命生活でしかないという。
・焼き畑耕作は、ヨーロッパの斧の産物であり、ヨーロッパの伝染病の産物でもあった。
・アマゾンの「自然」の大半が、祖先の作った果樹園で構成されていた。
・「焦がし畑耕作」は、賢明な方法。二酸化炭素の放出量がずっと少なくなる。
・1972年、クロスビーは、生物界に起きた混乱を指す語として「コロンブスの交換 Columbian Exchange」という用語を作り出した。
・海域全体の生態系の成り立ちを左右する種=キーストーン種
・誰もが平等という感覚。
・(自由の使徒の)源泉は、アメリカ先住民文化に、特にホーデノショーニーの文化にあると思われる。
・ヨーロッパやアジアでごく当たり前に見られた独裁社会とちがって、ホーデノショーニーのあり方は、まさに自由主義者の夢だったのである。
・男女は、それぞれが全く別個の社会的役割を与えられていて、一方が他方に従属する形をとっていなかった。
・女性は戦いの指揮官になることができず、男性はリーターとしてクランを束ねることができなかった。
・「別個だが、平等」な体制。
○これ、素晴らしいな~。
・インディアンの生き方の特徴は、ヨーロッパでは見られなかった個人の自立度の高さだ。
・インディアンが主張する個人の自由には必ず、社会的な平等がともなっていた。
・ヨーロッパ人社会では、人が階級によって分類され、下位の者は、上位の者に従うべしとされている。
・インディアンのそばで暮らし、自由を体現する生きたモデルを見ている内に、ヨーロッパ人入植者は、彼らの影響を受け、自立した生き方を身に着けていった。
○比企起業大学も、そういうモデルになりたいな~。組織人にとって、自由を体現する「ミニ起業家」たち。
・ヨーロッパの知識人(ロック、ヒューム、ルソー、ペイン)が書いた本や歴史書から、インディアンの自由のイメージが、16世紀北米北東部から時空を超えて、様々な人に影響を及ぼしていることに気づく人もいるだろう。
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『1492 西欧文明の世界支配』J.アタリ(2009)
・ユダヤ人が存在することだけで、キリスト教がヨーロッパの生れではないことがはっきりするので、知らず知らず人びとは、彼らに恨みを抱くのだ。
・この時代のいかなる出来事も、印刷術の出現が引き起こした驚くべき知的変動を抜きにしてはなかなか理解しにくいだろう。
・もう一つの発明が、読書と知識の進展をかなり促進する。「眼鏡」である。
○確かに~。
・すべては、フィレンツェで、1462年に始まる。コジモ・デ・メディチは、プラトンの全著作を、ラテン語に翻訳する事業に出資することを決める。
・10世紀から、地球上でもっとも支配力があるのは、中国である。
・1405年に、明の第3代皇帝 永楽帝は、宦官の海軍大将 鄭和に、中国周辺で人の住むあらゆる土地を、視察させている。
・一方、日本帝国は、もっと閉鎖的である。天皇は、京都で宗教的権力を行使している。将軍は、鎌倉で行政面を統括し、対外貿易を管理している。次第に海上輸送は、商人たちの独占となる。商人だけの新しい年が出現する。のちの大阪である。
・1467年から天皇の権力と幕府は、諸国の守護大名のために崩壊する。
○応仁の乱
・15世紀末に、5つの顔がヨーロッパを支配し、その未来像を形成する。5つの冒険家の顔とは、商人、数学者、外交官、芸術家、探検家である。
・新大陸発見ではなく、出会いなのだ。
・楽園はどこか別の所にある、というヨーロッパが心に抱いているあの変わらぬ想いがいつもある。ヨーロッパは、不幸な汚れた土地であり、そこを純化する必要がある。
・クリストファー・コロンブスは、たぶん1451年8月にジェノバに生まれる。
・コロンブスは、多くの書物を読み、書き込みをする。
・1492年以降、ヨーロッパは、世界の支配者となった。
・1491年12月31日、中国はまだ世界第一の権力者であり、アステカおよびインカ帝国、マリおよびソンガイ帝国は、素晴らしい繁栄の中にある。
・1492年5月1日、ユダヤ人追放令が、王国に掲示。
・1492年10月11日、コロンブスが先住民と接触。
・1492年は、世界の占有、「大陸=歴史」の誕生という一つの長いプロセスの加速度的展開をはっきり示している。回顧録や信仰、信条に対するヨーロッパの支配を推し進めるのに早速使用される「概念」「言語」「軍隊」が配備される。
・ディアスはアフリカを「迂回」し、コロンブスはアメリカに「植民を行い」ガマはアジアで「取引する」
・1519年に発見の時代は終わる。
・所有すること、それはまず命名(ノメ)することだから。
・1492年に、命名と言語の押し付けのすさまじい時代が始まる。
・先住民のどの叙述の中にも、不思議と「セックスのことが執拗にでてくる」
・インディオたちが、全く申し分のないキリスト教徒を生み出すのに、理想的な「人間資材」となる。
・インディオは新しい人間を作りだすのに、理想的な材料なのだ。
・1492年が終わると、ヨーロッパでは「進歩(プログレ)」が具体的な現実となった。
・人類史上で最もすごく激しい「混合(メランジュ)」が行われる。一方の計り知れない豊かさのために、もう一方の住民の2/3以上を殺すことになる、不平等な交易だ。
・新しい社会の理想、市民(ブルジョワ)の理想。
1)自然を神聖化しない 2)欲動を抑制 3)人間は表現する
・梅毒により、家族の重視とその基盤となる概念が打ち出される。制限し、節約し、抑制すること。
・1492年以降は、ヨーロッパ1千年の間で唯一の性的自由の期間が終わる。
・1493年に、デューラーが、歴史上最初の自画像を完成する。芸術家は、今や呪われた者でも、無名氏でもなく、称賛に値する存在なのだ。
・1492年は、ユダヤ民族根絶の執拗なプロセスの始まりを示す。と同時に、1492年の追放は、残虐行為の隙間を縫って、驚くべき精神の変革を推し進める。
・ユダヤ人は過去であり、彼らが存在するだけで、神がローマ、次いでスペインのものである以前にまずバビロニア、次いでパレスチナのものであることを、思い出させる過去なのだ。
・1492年には、ローマ教会の威信が地に堕ちる。
・印刷術のおかげで、今後は誰もが聖書を読むことができるようになる。
・離教と異端が進行し、ヨーロッパの統一が遠のく。ナショナリズムの大時計、この時限爆弾が動き始める。
・1492年にナショナリズムという新しい爆発の点火装置が始動し、それは5世紀の間、ヨーロッパを不幸にする。
・人間は、たえず新しい、純粋な、理想的な人間を見つけ出そうとしている。
・1592年に、アメリカ南部は完全に征服され、破壊される。日本では、秀吉が朝鮮に攻め込む。
・1492年は、人びとが過去を葬り去れないことを教えている。
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・本著は、著者が訂正を加えた「1992年版」テキスト(500年祭に向けて)に基づいて訳出した。
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『1493 世界を変えた大陸間の交換』 C.マン(2016)
・前著『1491』では、現代の研究者たちが、先コロンブス期アメリカ大陸の歴史をどう見ているかをまとめた。
・コロンブスの航海は、新世界を発見したのではなく、創出したのだという認識も高まった。その新しい世界がいかにして創られたか、というのが本書のテーマである。
・コロンブス以来、世界は激しいTransculturacionトランスクルトゥラシオン(部下の相互獲得を通して新しい現象が生まれる変容課程)に翻弄されてきた。
・グローバリゼーションは、経済的観点からのみ取り上げられるが、これは生物学的現象でもある。
・「コロンブス交換」は、恐竜の絶滅以来、もっとも重大な事件なのだ。
・コロンの航海が、「均質新世 Homogenocene」という新時代を切り開いたとする生物学者もいるほどだ。
・コロンブス交換により、もとは生態学上まったく異なる特徴を持った土地同士が、次第に似通ってきた。
・北半球で、1550年頃から1850年ごろまで「小氷期」と呼ばれる寒冷期があった。
・先住民による野焼きが行われなくなり、空気中から二酸化炭素が奪われた。これが、3世紀にわたる小氷期を引き起こしたのだと考える研究者が増えている。
・ジェームズタウンは、ほんの数週間の間に、代表民主制度と、動産奴隷制度を発足させた。
・イングランド南部でマラリアに感染していた何人かが、チェサピーク湾にこの病気を持ち込んだ。
・アフリカ人は、マラリアに免疫を持っていたがために、奴隷にされてしまった。
・「メイソン=ディクソン線」は、北部と南部の文化の境界線であり、マラリアがエンデミックであった地域、アフリカ人奴隷の使用を主制度とした地域も分けた。
・福建省(特に、月港)は、中国の国際貿易の拠点だった。
・ポトシとメキシコで算出された銀の大半は、福建省の月港で荷揚げされた。
・マニラの中に「パリアン」と呼ばれる初のチャイナタウンができた。
・スペイン帝国は、史上初の真のグローバル企業であった。
・中国が世界でもっとも人口の多い国になった理由の一つは、トウモロコシとジャガイモとサツマイモというコロンブス交換のため。
・中国では、今日でも、タバコ(相思草)が、大きな利益を生んでいる。
・ヨーロッパと北米が、ジャガイモを導入したことで、近代農業のひな形(農工複合体)が出来上がった。
・グアノ貿易は、近代的農業誕生のきっかけとなったが、ジャガイモ疫病菌の移動にもつながった。
・1種の野菜しか栽培していない農場は、まさに均質新世の象徴であり、病原体の突破も容易であった。
・産業革命には、3つの原料が必要であった。鋼鉄、化石燃料、ゴム。
・ウィッカムは、1876年に、ゴムノキの種子7万個を、こっそりイングランドに持ち帰った。彼は「コロンブス交換の意図的仲介人」となった。
・ラス・カサスは、スペイン人のふるまいを非難した書物を書き、国王にショックを与えた。
・コルテスとピサロのようなコンキスタドールの多くは、スペイン山間部のエストレマドゥーラの出身であった。
・メスティソ、ムラートという概念は、のちに「カスタ制度」と呼ばれる複雑な階級制度で、重要な位置を占めるようになった。
・1603年と、1609年に、マニラで中国人の暴動が起きたとき、日本の侍がその鎮圧に貢献した。
・1630年代に入って、日本が鎖国してしまうと、国外に暮らしていた日本人は、その地に止まらざるをえなくなった。多くの日本人が、メキシコに移住した。
・アフリカ人奴隷が、ブラジル原住民に助けられて死を免れるというキロンボの物語。
・逃亡奴隷と先住民は、ブラジルのキロンボで共生するようになった。
・利益は放散し、世界中に広まるが、苦しみは激しく、局地的なものにとどまる。
・人間の欲望が、均質新世を出現させ、数十億人の人々が、次第に似通った景観で暮らすようになる。
・コロンブス交換が、採り入れられ、作り変えられている。
・外の世界からの生物学的攻撃を受入れ、自分たちのものへと変えたのだ。
・ほかの問題も、入ってくる都度、解決されていくだろう。
○ここが、希望なんだろうな~。グローバルな影響(経済、文化、生態)からは逃げられなくても、自分たちの土地(比企郡)で、それを受け入れつつ、取り込み、変えていく。
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『世界大異変 現実を直視し、どう行動するか』J.ロジャーズ(2022)
・お金を印刷し続けるほど、次のクラッシュがよりひどいものになる。
・一番ダメージを被るのは日本になる。なぜなら日本の出生率は低く、外国人を受け入れておらず、日銀は今もなお大規模な緩和を続けているからだ。
・円安のデメリットは、若い人に対してより重いものになる。
・バブルの最後には、全ての株があがる。
・タクシー運転手が株でもうけた話をしてきたら、バブルの終わりを告げるサインだ。
・アメリカという国は既にピークに到達し、今後は横ばい、あるいは衰退の道をたどっていく。
・次の覇権国は、中国になる。
・孤立したロシアの存在が、中国覇権を後押しすることは、十分に考えられる。
・社会を豊かにするためには、消費より投資をしたほうがいいと断言できる。
・消費だけでは社会は豊かにならない。
・苦境に陥った政府は、国民に真実を伝えることはしない。
・1990年代の前半に、日本ではバブルが崩壊し、政府は巨額の借金をして、数多くの企業を救済した。そこから、日本の失われた30年が始まった。
・スウェーデンでは、救済せずに破綻させた。その後は急速に回復。国家財政も日本よりはるかに健全。
・コロナが明けて、一番旅行に行きたい国は日本。
・間違いなく言えることは、50年後、日本の総人口は、7500万人にまで減少し、債務が急激に増え続け、労働人口も減少することだ。
・今後は、再び実物をつくれる産業が伸びる。
・日本の農業、漁業、水産業は、そのポテンシャルに気づいていない。
・日本の医療も、今後明らかに成長するマーケット。
・日本で学びたいという外国人学生はたくさんいる。
・インフレとは、知らぬ間に、庶民の財布が、国の財布に付け替えられること。
・資産の一部を、円とは別の通貨に分散することを、強く勧める。
・家から離れることが、もっともよい教育。
・あって良かったとおもうものが、他国の銀行口座。
・MBAには否定的。小さくてもよいから、何か事業を始めればいい。
・「安く買って、高く売る」
・日本の農地は、かなり割安で、今が底値に近い。
・「慎重に待つ」
・株を売った後は、しばらく何もしないこと。
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