【木曜日24-7】認知科学本

木曜日

【木曜日24-7】認知科学本

読書会議で、Kaさんからお薦め頂いた本。(2冊)

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『言語の本質』今井むつみ・秋田喜美(2023)

・認知科学での未解決の大きな問題「記号接地問題」
・身体に根差した(接地した)経験がないとき、AIは~を「知っている」と言えるのか。

・オノマトペは、言語である。
・「イマ・ココ」を超えた超越性を持つことは、言語の特徴の中でも最重要なもののひとつである。

・言語の恣意性というゴールドスタンダード自体が揺らぎ「言語は身体的である」という理論が広く受け入れられるようになってきた。

・オノマトペで表現できるのは、具体的に知覚できるもの。

・言語とは、その形式と意味の結びつきに慣れ親しむことで、しっくりとくるようになる体系である。

・AIは、記号接地をしていないのに、「記号から記号の漂流」で見事な翻訳をする。

・「ブートストラッピング・サイクル」 自らの力で、自身をよりよくする

・最初の端緒となる知識が接地されていれば、その知識を雪ダルマ式に増やしていける。
・ある足がかりがあれば、そこから学習を始め、知識を創って行く。

・学習は「経験の丸暗記」によるものではなく、「推論」というステップを経たもの。

・ブートストラッピングサイクルは、帰納推論とアブダクション推論の混合によるもの。
・最初の大事な記号は、身体に接地していないといけない。

・対称性推論をごく自然にするバイアスが、ヒトにはあるが、動物にはなく、それが生物的な種として言語をもつかもたないかを決定づけている。

・人間は、知識を過剰に一般化する。
・人間にとって、アブダクション推論は、最も自然な思考であり、生存に欠かせない武器である。

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『知ってるつもり~無知の科学』 S.スローマン&P.ファーンバック(著)土方奈美(訳)(2018)

・人類の本質的なパラドックス:人間の知性は天才的であると同時に、哀れをもよおすほどお粗末。
・なぜ人間の思考が、これほど浅はかであると同時にすばらしいものとなりえるのか。

・人間は、自分が思っているより、無知である。

・なぜ思考するのか。思考の目的は行動だ。行動の方が、思考より先にあった。

・「説明深度の錯覚」

・認知科学者は、コンピューターを、脳のメタファーとしてそれほど重視しなくなった。

・脳が最も得意とすることは、抽象化である。
・脳は、最も有益な情報を選び出し、それ以外を捨てるという作業に忙しい。

・思考の目的は、特定の状況下で、最も有効な行動を選択することである。

・システム1=直観、システム2=熟慮

・思考は、身体を通じてしか、世界を認識できない。
・知識は、すべて私達の頭の中にあるわけではない。

・知性は、集団的協業という背景の下で進化してきた。
・志向性を共有する能力は、人間の最も重要な能力:知識を保存し、次の世代へと伝える能力を支えるものかもしれない。これは「累積文化」をもたらす。

・「認知的分業」

・「知識の呪縛」とは、自分の頭の中にあることは、他の人の頭の中にもあるはずだと考えがちなことを指す。
・「知識の錯覚」とは、他の人の頭の中にあることを、自分の頭の中にあると思い込むことを指す。

○これあるよな~。

・人間の強みは、新たな状況に柔軟に対応する能力である。
・人間の最も重要な任務は監督である。間違ったことが起きるのに備えて、その場にいることである。

○だとしたら、かなりつまらないだろうな~。時間つぶしが必要になる。

・知識のコミュニティに貢献することは、人間の協力本能の一部。

・欠乏モデルは間違い。客観的情報を提供しても、意識は変わらない。
・因果的説明を求めることで、知識の錯覚を打ち砕けば、立場が穏やかになる。

・リーダーの任務は、自らの無知を自覚し、他の人々の知識や能力を効果的に活用することだ。

・知能は、個人が集団の推論や問題解決にどれだけ貢献するかだ。

・「g(General一般的)因子」と「c(Collective集団)因子」

・人間はすべての科目に秀でるようにはできていない。コミュニティに参加するようにできている。

●参考:J.デューイ

・科学者の行動様式を身につければ、分かってないことが何か分かるようになる。
○これきっとあるだろうな~。研究者の方々と話すと感じる「知的謙虚さ」

・アン・ブラウンの「ジグソーメソッド」

・意志決定をするときに、たいていの人は「説明嫌い」になる。

・「リバタリアン・パターナリズム 緩やかな介入主義」
・変化を促す行為「ナッジ(軽く突く)」
・個人を変えるより、環境を変えるほうが、簡単で効果的。

・錯覚は楽しい。錯覚は人間の文明の進歩に必要だったかもしれない。

●参考

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●参考

投稿者:関根雅泰

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