「ATD’s OD Handbook 対話型読書会」@立教大学に参加しました。

大人の学習

「ATD’s OD Handbook 対話型読書会」@立教大学に参加しました。

ラーンウェル代表の関根です。

24年7月5日(金)9時半~18時半、あまね舎齊藤さん、立教大学中原先生の企画「ATD’s OD Handbook 対話型読書会」@立教大学に参加しました。

差しさわりないと思われる範囲で、学んだことを記録しておきます。

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●関根の抜き書き(評価に関して)

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9時35分~

はじめに

9時50分~

1.The Foundations of Organization Development

・組織開発の定義が広い。HRMと同じ。

・ODプロセスのフェーズは、だいたい同じ。
・DDDMは、クライアントが意思決定するためのもの。

・診断型によってるのでは。対話型のワードは入ってない。
・フェーズ2に、診断も入っているし。

・診断型だから、医者の喩えが出ているのでは。

・「ODは、ギャップ分析の取り組み」
・対話がなくて良いといったら、NTLは納得しないのでは。
・対話における偶発性、創発性は、重視してなさそう。

10時09分~

2.Working Inside and Outside the Organization

・Big OD 戦略的OD と Little OD 戦術的OD
・OD部門は、「言われたことは何でもやる」
・変革は、既得権益を脅かすもの。
・OD機能のスタッフやリソースが増えているなら、評価されていると判断。

・非公式な組織図を把握し、情報を得る重要性。

・いきなりドロドロな感じで。組織内政治の話。
・複雑系のODで、組織内のパターンを見ようという話もある。

・新規にOD担当を雇うことで、社内、社外コンサルの悪い点ばかりになる。
・「最近、ODが流行っているから」と、OD担当を採用したケース。

・インフォーマルにパワーを持っている人、情報を持っている人にアクセスできない。
・担当者に「2つ上の上司を連れて来てください」と依頼して、連れて来れる担当者とそうでない担当者がいる。

・トップのコミットメントが重要。
・内部で不正が起こらないと変わらないのでは。

・予算がつくだけで、ハードルを越えている。
・「憂えている人」がいないと難しい。

・経営陣はGoサインを出すだけで良い。
・想いをもった担当者がいることが大事では。

10時30分~

3.Developing Organizational Values

・MVVの定義が不明確では。
・日本だと、MVVの定義合わせから必要。

・コアグループをどう構築するか。
・誰を、どうやって選ぶかが大事。

・この章は、Valueの浸透を重視。

・新しい感じがしない。
・対話型ODだと、コアグループを作るやり方がある。
・コアグループには、トップを入れない方が良い。対話がしづらくなる。

・最近入った人に対しては、Valueの確認をしていないかも。

10時50分~

4.Diversity, Equity, Inclusion, and Belonging

・4レベルが出てきているのも、ATDぽい。
・研修内容が従業員に適用されない。転移しない。
・データ活用をするのも、ATDぽい。

・Belongingを測定している会社は少ない。

・InclusionとBelongingの違いは?
・Belongingは、所属意識のよう。主語が、従業員に変わる。
・Belongingは、継続意欲との相関が高い。

・Belongingが強く、辞めようとしない。文句を言い続けているが。

・Belongingは、何に所属する? 会社全体というより、職場レベル?

・ODは、パフォーマンスを上げる手段。
・この章は、ODから遠い。

11時12分~

Dialogue

・Belongingが、なぜ、最近ついたのか?

・Identification研究

・孤立、孤独の研究では、Belongingが大事と言われている。
・DEIに、Belongingがついているのが、違和感。

・イギリスの「孤独大臣」

・人の死因は、生活、社会習慣。

・会社以外の沢山のグループに所属していると良い。
・中年男性は、会社へのBelongingが強そう。他に所属がないから。

・組織が、個人を信頼してくれていると、個人が組織にBelongingしている。

・ODの評価は少ない。
・学術的なOD評価論文は無い。

・ODと、OC:Org Change(組織変革) の違い

・ATDは、どんな人達が集まって始まったのか。←Training Directors

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11時30分~ 昼食

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12時40分~

7.Lean and Agile

・リーンやアジャイルとODやHRDは、ともに経営者や株主への説明の難しさ、という課題を抱えている。

・ODの人も、リーンやアジャイルという手法を使ってはどうか。

・Sixシグマのイエロー(帯)を持っている。
・抜け漏れを確認するツールとしては良い。

・リーンがどうつながるのか、ピンとこない。
・内部支援者ならありそう。

・複雑型OD 

13時00分~

6.Business Alignment:Designing an Organization to Meet Business Objectives

・戦略と現状の差を特定する。ATDぽい。

・人事が強い会社がある。そこは、経営戦略が弱い。

・組織デザインとは何かまで定義されていない。

・人事機能は必要だが、経営企画に入ってもいいのでは。
・人材確保は、経営課題。「人事部」はいらないのでは。

・労務的な機能は残る。人事の上は、経営企画に入るかも。
・労務は、労働法を守る。

・戦略を実行する為に、どんなリソース、人事機能が必要か。
・「ODのためのODになっている」戦略実現にどうつながるのか。

・HRBPもある中で、どう棲み分けるか。

13時20分~

9.Change Management

・ODに取組むリソースを割くために。
・会社の優先順位を上げさせるには? 採算改善の段階にある会社。

・スモールウィンを作る。
・残業が減った。無理無駄が省かれて、生産性が上がった。

・変革が求められる状態では、皆疲れている。
・疲れている人に、新しいことをやるのはきつい。
・元気な時に、栄養ドリンクを飲まない。

・ローカルからグローバルに変えていくチェンジマネジメントを経験した。
・余白、任される、選べることで、疲弊感と戦った。

13時40分~

8.Fostering Employee Engagement Through OD

・実務家目線なので、すぐにHowに入ってしまうのは。

・サーベイ疲れ 
・従業員サーベイを取ってない会社もある。

・変化の実感のために、サーベイフィードバックを行う。

・サーベイを説明して返している会社は少ない。
・自部署が良くなるための会議を「サーベイフィードバック入門」を使って実施。

・対話を生むのが真の目的だったが、そこまで行けてない。
・「対話的な対話」が生まれてない。対話が怖い。
・出てきたものに対応しないといけない。

・サーベイ結果を見て、フォローしている間に、半年後ぐらいになっている。
・すぐに翌年のサーベイが来て、しかも数字に変化が無いと、やる気がなくなる。

13時55分~

Dialogue

・日本発の研修プログラムは少ない

・海外でのエビデンスが、日本でどの程度、通じるのか。

・ODが、組織のハードな面にいかに影響するのか。

・エンゲージメントサーベイ後の職場ミーティングをやってない。

・質問項目は、会社が目指す姿。
・「これは、俺に訊かれても・・・」という質問もある。

14時10分~休憩~14時20分 

10.Building a Global, Culturally Diverse Organization

・ERG:Employee Resource Group

・広告のミスというより、文化のミス。
・どこまで感度を高めるか。

14時40分~

11.Supporiting Work in a Remote Environment

・RW対策をしている会社はあるのか?
・働き方を考えるワークショップはやった。

・マイクロマネジメントが、できなくなった。

・アウトプットではなく、姿勢で評価。

・「リモートワークを科学する」業種、職種による。
・産業組織心理学 1990年代から研究されている。
・時間管理ではなく、成果で管理する文化。

・静かな離職。気持ちが会社から離れてしまう。

・WLBが、RWでとりやすくなった。
・RWだと、上司との関係が良くなり、同僚との関係が悪化する。

・RWと対面をハイブリッドにする。その時こそODが求められるのでは。
・多様性が求められる時に、RWが合いそう。

・同質性のマネジャーは、全員出社。
・出社させることで、成果が出ると考えている。

・自分の組織内の貢献度が見えづらい。特に、サポート業務の方は。

15時00分~

12.The Skills Revolution:Transitioning to a Skill-based Organization

・スキルベース コンサル業界が儲かる
・スキルが無い従業員は退出していって、スキルがある従業員に入ってもらう

・ジョブ型 仕事 その下にスキルがあるはず。

・スキルマップができた頃には、スキルも変わってるかも。

・エンジニアぽい思考。スキルベースで、仕事をアサインする。
・他の職種だと、スキルベースにしにくいものがあるのでは。

・研修を受講すれば、スキルがついたと判断される。

・若手が、あの職種につきたい。でも、どうすればなれるか分からない。
・ゴールを示さないと。離職防止の観点から、スキルマップを作ろうとしている。

・この職位につくには、5段階の5を持ってないと。

15時22分~

Dialogue

・スキルマップの話はよく出る

・スキルが、経営戦略につながっている。

・スキルをもっていても発揮できない状況もあるのでは。

・ギグエコノミーや隙間バイトというループから抜けられるのか。

・ODぽい話が少なかった。
・これがODぽくなっているのでは。

15時40分~50分 休憩

15時50分~

13.Relationship Building

・管理職の対人能力を上げるのが、ODの仕事?
・上司がODプラクティショナーとして活動?

・ODというより、マネジリアルコーチングよりなのかも。

・90日間は、試用期間でバッサリ行く。

・関係構築の質問になっているのか?

・オンボーディング中のかかわり方?

・いっぱい来るから、辞める人も多い。

16時10分~

14.A Holistic Approach to Developing a Leader’s Soft Skills

・戦略的人事の必要性を訴えているのでは。

・コアスキルは、組織依存ではなく、一般的なもの?
・Core Capabilities modelを身に着けるのは、研修では無理なので、学習環境を、作っていく。

・ODとのつなぎ。そこをリードするのが、L&D担当者。

・リーダーを評価する指標として、学習環境を作れるかを組み込む。

・日本の役員層の研修は、お金がかけられていない。
・やっても今更。役員は上がりという雰囲気。

・役員同士で対話する会社もある。社長の思いが強い。

・評価軸が、パフォーマンスなので、ソフトスキルが弱い人でも、役員に上がっている。
・役員個人の心理的安全性。自分が言いたいことを言える。従業員ではなく。

16時30分~ 

15.Building High Performance Teams

・レジリエントな資質を発揮できるのは、小規模なコミュニティやチーム

・仕事の82%が、チームで行われている。

・アメリカの研究では、個人に注目があたる(リーダーシップ等)

・変化を予測する 未来のための7つの学習スキルの一つ 

・バーチャルチームは、初期に対面で会うことで、関係を築きやすくなる。これはロバストな知見。

・成果:タレントの最適化、コスト削減。信頼がビジネスのコストを下げる。
・手上げ制で、異動させると、プレッシャーもあり、潰れることもある。

・ネットワークを持つ人は、生産性が25%高い(Forman 2020)

・「良いチーム」を作りたい
・チーム全体への働きかけ、チームを率いる人への働きかけ

・どういう風に仕事をアサインするかで、チームでの生産性を決める。
・「仕事をふる」「おろす」

・アサインについては、やり方のコツがありそう。
・仕事をどう「仕立てる」か。 テイラーする。

・リーダーが部下を見てない。課題を把握していない。

・仕事(Job)を、人(Skill)にアサイン。その際に、仕事を変えることもしている。

16時50分~ 

Dialogue 

・スキルの見える化

・IR 取締役のスキルを示す 

・アサインとフィードバックが鍵

・キリスト教の学校で、利他の精神を学んだ

・MBA的スキルを、マネジメント層がもってない。
・本当にスキルだけでいいのか。利他というマインドも必要では。

・今の学校教育は、社会貢献の意識を高めている。

・NTLで大事にしている「ODの思想」が出てこない。
・ODと言ったら、もっと儲かる。看板の付け替えのようにも見える。

・アメリカもそんなに凄くないな。日本発の取り組みを、外販できるのでは。

・ODを経営学で扱う難しさ。

・マネジャーによる仕事のアサイン。そこにODの要素を取り込むとしたら。

17時10分~ 休憩~ 17時20分

17時20分~

齊藤さん

・Well-being

・サクセッションプランニング 

17時30分~17時45分

関根

「ATD24測定と評価参加を踏まえて考える今後の研修評価の方向性」

・(ROIの話は)良く出るので、またかという感じ。
・Utility Analysisで行われている。
・全仕事時間、年収、このあたりが怪しい。
・良い数字は出そう。

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17時55分~

中原先生によるラップアップ

・ODとは、谷川俊太郎である。 
・組織開発=HRM 
・NTL的OD
・ODという大きな傘に、人材開発も位置付ける。
・対話が無い 
・哲学がない 価値観レス アメリカ型のOD

・OD担当は、政治を駆使。
・「なんでも屋さん」になる。

・変革チームは疲弊する。

・DE&Iは、リバウンドする。岩盤は、中間管理職。
・フォールトライン 分断線を作る。

・組織「が」変わることの研究の限界 

・OD実践者は、超人? 
・卒業生同士のアライアンス LDC卒業生レンジャー 

・RWは、組織による 

・ジョブだとメッシュが荒いから、スキルで見る。
・スキルレス社員をExitさせる。
・~Based 型と呼ばれるもの

・中途採用は「経験ある新入社員」

・役員層へのスキル研修は厳しそう。
・管理職の仕事を分ける。 

・「アサインする」中で行われているミクロな行為は何か?

・日本は「有毒」社会。ハラスメントは増えている。
・緩くなったのは、一部。

・レベル5は、オワコン。ゾンビのようによみがえってきたことにビックリ。

・あらゆるものを飲み込んでいくブラックホールのような「OD世界」
・NTLのような原理主義を守っていくことも、おそらくできない。

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18時20分~ 

一言感想

18時40分~ 片付け

19時~21時、懇親会@池袋

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○研究者目線だと「今後の研修評価の方向性」として「ROIは無いのかも」と思ったのですが、実務家目線だと必要になってくるかもしれないので、まずは自分自身が勉強します。その上で、また色々考えていきます。

企画して下さった齊藤さん、中原先生、ご参加下さった皆さん、ありがとうございました!

投稿者:関根雅泰

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