【木曜日24-30】一倉定先生本

木曜日

○「オンラインで学ぶ一倉社長学」に参加するのをきっかけに読んだ、最近(復刻版含む)の一倉定先生の本(5冊)

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『マンガで学ぶ 一倉定 社長の姿勢』(2023)

・事業の本質は、市場活動である。

・決定は、社長。実施は、社員の役割。
・決定権とは、結果に対して、全責任を負う者のみが持てる権利。

・外部指向、未来指向、構造指向、これこそ社長の基本的態度。

・今使ってないものは、何もかも捨てる
・環境整備こそ、すべての活動の原点である。
・環境整備なくして、正しい事業経営などない。

・経営学と称し、内部管理こそ経営であると教える全く間違った思想の大害悪。

・お客様の不満が(自然に収益があがる)ポイント。

・蛇口作戦:末端への巡回訪問作戦

・自らの商品は、自ら売らなければならない。
・流通業者に出すマージンは、販売チャネルの利用料。

・正しいサービスを行うことにより、正しい報酬を頂かなければならない。さもないと、事業を継続し、更に発展することができないからである。

・社長の姿勢それ自体が「お客様第一」になっていない。

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・供給体制の整備は、事業継続のエンジン。

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『マネジメントへの挑戦』(1965年、2020年)

・計画とは、「将来に関する現在の決定」(ドラッカー)

・筆者は、管理者という言葉は嫌いだ。管理者ではなく、部門の経営者なのである。

・実施とは、計画をやらせることである。

・実戦に役立つためには、タイミングこそ絶対条件。

・問題とは、計画(標準)と現状との差である。

・統制の限界は、迷信。

・経営者に、最も高く厳しい見識、人格、努力を要求し、その次が管理者であり、監督者に対しては、ずっと少ない要求しかしないのが本当。

・まず、自分自身を管理せよ。

・時間を有効に利用する方法:
 1)決定を早く 
 2)上役との連携に時間を割く 
 3)繰り返し仕事は部下に任せる 
 4)準備を時間をかける 
 5)時間の使い方をチェック 
 6)予定を組み過ぎない

・真に生産的に利用できるものは、その人の長所のみ。
・得手に帆をあげる

・現事業費は節約しても、子供の教育(未来事業)をするのが、親(経営者)のつとめ。

・従来の歩留まり20%の講義式訓練だけではいけない。被教育者を行動させることを考えていかなければならない。

・アメリカの人間関係論は、きまった繰り返し仕事をしている現場の人々のみを対象にしている。
・ホーソン工場の実験。

・アレン・W.ラッカーの「ラッカープラン」
・賃金総額は、生産価値に正比例して変動する。

・労働のもっているはたらきとは、付加価値を生み出すこと
・労使の利害は完全一致する。ともに付加価値の増大に専念すればよい。

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・父は、常に常に、考えていた。

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『ゆがめられた目標管理』(1969、2020)

・現在の目標管理は「新しい衣をまとった古い人間関係論」がその本質である。
・人間関係論は、経営不在の理論なのである。

・企業の目標は、生き残るための条件が基礎となる。

・決定はワンマン。実施は任せる。これが本当のトップである。

・へなへな人間関係論なんかは、業績を落とす役目しかない。
・何事も「仲良くやる」ことが最上であると思い込む。
・人間関係論の最大の欠陥は、経営を無視していること。

・訓練を効果的にするものは、経営者の明確な育成目標。
・訓練で最も大切なものは、外部講師によるものではなく、本人の仕事それ自体を通じて、上司が行う体験教育でなければおかしい。

・ランチェスターの法則:企業の危険度は、企業規模の二乗に逆比例する。
・強者有利の法則

・いかなる製品も必ず斜陽化していく。
・斜陽化の前兆は、競争の激化である。

・一人当たり年間税込み利益目標:優秀なメーカー40万円以上、優秀な商社70万円

・設備投資は不況時に行え

・10年後を考えている社長は、経営を誤ることはないだろう。

・企業というものは、ほおっておけば赤字になり、倒産するようにできている。それを黒字にもっていき、存続させなければならないのが経営者。

・企業の本当の支配者は、顧客。
・内部の人間関係を重視するあまり、顧客を忘れてしまう。

・不達成目標に対しては、原因は聞かずに、前向きの対策を言わせる。
・目標は上司の決意であり、チェックは執念のあらわれである。

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『あなたの会社は、原価計算で損をする』(1963、2021)

・一倉定が、最初に著した書籍。
・1962年に旧大蔵省により「原価計算基準」が制定された。

・固定費を、単位当たり材料費や、客の人数に割りかける計算のやり方を、全部原価計算 Total Costingという。
・全部原価計算こそ、経営にとって「百害あって一利なし」といえよう。

・原価計算の本当のもk的は、経営政策決定のため。

・事業経営の必要に重点を置いた原価計算、すなわち「寄与価値」による原価計算。
・直接原価計算 Direct Costingが、普段着の「管理会計」

・全部原価計算に頼っていたら、酷い目に合う。その原因は常に固定費の割りかけにある。

・全部原価:売上高-売上原価(比例費に固定費を割りかけたもの)=利益
 直接原価:売上高‐売上原価(比例費)-固定費=利益

・付加価値=生産価値(ラッカー・プラン)=寄与価値(ドラッカー=限界価値 Marginal Income

・ダイレクトコスティングの原則:売価‐比例費=限界利益=固定費+利益

・計画とは、「将来のことを、今決める」
・実施とは、「やることではなく、やらせる」こと。

・清潔、整頓を、勤務時間外にやらせるということは、重要ではないという意志表示である。

・これからの経営は、産出高-投入高=生産価値 という考え方でなければならないはず。

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『一倉定の環境整備』 舛田光洋(著)一倉健二(協力)(2022)

・環境整備を続ければ、確実にお金は入り続ける。

・一倉式環境整備とは、いらないものを捨て、残されたものの位置を決め、埃や汚れを取り除き、磨き抜かれた空間を作ること。

・環境整備こそ、すべての人々の活動の原点。

・環境を整えようと行動すれば、心が正しい方向に変わる。
・会社は、社長の心の現れ。
○痛いな~。

・会社というのは、自然にしていれば、必ず潰れるようにできている。その理由は、お客様の要求が常に変わっていくから。

・仕事部屋の環境整備を毎日欠かさず行う。
○俺も、これをやろう!まずは自宅オフィスから。

・作品ごとに部屋を変える。

・信用は、正直さから作られる。
・環境整備を日々行うことは、毎日正直であることの確認でもある。

・「塵を払わん、垢を除かん」

・社長の仕事は、会社の未来をつくること。

・環境整備をしていると、小さな変化がぱっと目に入る。
○山歩きでもこれはあるな~。

・未来に起きることは、必ず現在に隠れている。
○耳が痛い。環境が乱れていれば、それは将来の乱れにつながる。

・潰れる会社は、経営トップが数字に弱い。
・社長というのは、数字を作り出す人。
・数字に弱い社長で、その会社の業績がいい会社、これはありません。

・一倉式環境整備の目的は、お客様のための環境整備。

・清潔 ①いらないものを捨てる ②いるものを捨てない

・整頓 物の置き場所と置き方を決める

・いつか使うかもしれないと思うものは、永遠に使わないもの。

・必ず正規の勤務時間に、毎日1時間行う。会社が存続している限り行う。

・掃除道具を綺麗にしているか。

・不況は、会社をしっかりと作り直すチャンス。

・決断の速さは、捨てることが得意だったからかも。
・短納期でやるのがいい、バタバタの中作っていいものができる。

・考えて考えて考え抜くと、潜在意識がまとめておろしてくる。

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●これまでに読んだ一倉定先生の本

『一倉定の社長学』作間信司(2019)

・スタートアップ時点で、イグジット(出口)を考え経営することも否定はしないが、経営の主流になることはない。
・親父は「インフレ育ち、売上至上主義」VS 倅は「デフレ育ち、利益至上主義」
・同じ話でも、こっちの聴き方で、気づきが毎回違ってくる。
・「人間関係論」は「会社が潰れないことを前提にした平和な春の野のピクニック理論」
・中小企業は、社長の一つの決断ミスが、破綻の引き金になりやすい。
・貪欲な社長は、後輩の社長の困りごとを聴くことさえも、自らの勉強にしてしまう。
・アメリカで経営学と称される「内部管理学」「人間関係論」「大手企業の組織論」を、経営現場を知らない学者が、最新の経営学として紹介している現状に対して怒っている。
・社長定位置は、お客様のところ。
・緊急時には、収益よりも、資金が優先する。
・「次の事業」を創る力こそ、社長が備えなければならない経営力。
・経営数字は、社長にとっても通信簿である。
・リピート顧客に圧倒的に支持されている事業が一番強い。
・高価格戦略は、中小、小企業のほうがとりやすい。
・限られたお客様に、圧倒的に支持される会社を作り、小規模ながら確実に利益を出す体制を築く以外に道はない。
・「自分の性格に合わないと思ったら、やめろ」
・大手企業の協力事業をしている会社の事業定義は「高級サラリーマンの出世支援業」
・最強の販売戦略は、定期訪問。
・社長業は、一見派手に見えるが、本質的には極めて地道な作業の積み重ね。
・新しいことをやってみて、お客様に買って頂いて、売上利益が伸びれば正解。伸びなければ失敗、再挑戦である。審判はお客さまに、お願い。
・お客様が、会社の支配者である。
○やっぱり、一倉定先生の言葉を読むと、身が引き締まる。

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一倉定先生の『社長学』(9巻)

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『経営の思いがけないコツ』一倉定(1997)

・社長というもは「毛並みの良さ」を絶対に必要とする。氏素性や教養だけではなく、行動半径の大きさ、立派な異業種の友を多く持っていることが大切。

・事業経営とは「市場活動」である。
・内部管理からは、収益は生まれない。

・GMのA.スローンの戦略:
 1)ニューモデルを次々に発売して、フォードのT型を陳腐化する
 2)上記戦略から必然的に発生する中古車の市場を再編成する

○これ、すげ~。特に、2)が凄い。

・社長の努力とは、徹底したお客様訪問のこと。

・シンデレラとは、先方からの飛び込み仕事。

・初心者の社長と先輩社長の最も大きな違いは、お客様訪問回数、素晴らしい自信と柔軟な頭脳である。

・お客様に少しでも恨み心がでたら、もうそのお得意先に誠意を尽くすことはできない。
・だから恨むのではなく、自らの力で新たなお客様を開拓しなければならない。

○ほんとそうだよな~。それができることが「お客様を選ぶ」ことであり、そのためには営業力が必要。

・クレームは、お客様の「怒り」の声である。とにかく謝る。絶対に言い訳をしてはならない。
・クレーム処理は、全ての業務に最優先する。

・お客様に可愛がられること。そのために一番いい方法は「表敬訪問」である。5分程。
・訪問の目的は、売込みではない。お客様との間に良好な人間関係を築くこと。
・お客様に密着することこそ、最大有効の販売促進である。

・環境整備の時間ほど、貴重な時間はない。社員の人間性が全く変わってしまう。
・まず社長が先頭に立って環境整備を行う。正規の勤務時間に、毎日1時間行う。限定した部分だけを磨き上げる。

・独裁はするが、独断はしない。
・社長として一番先にすべきことは、お客様のところを回ること。お客様が教えてくれる。

・事業経営=市場活動は、社長以外にはできない。

○だからこそ、新規顧客の開拓も、既存顧客の維持・フォローも、社長である私がする!
 (提供サービスである研修は、パートナー講師の方々が、やって下さったとしても)

○LWの場合、社長の仕事は「顧客面談(話を聞く)・戦略構想(打ち手を考える)・協力依頼(助けを得る)」ことかな。

・社長最大の怠慢は、お客様訪問をしないこと。
・社長は必ず販売の全権を握っていなければならない。

・売った金額(売上高)-買った金額(変動費:外部仕入)=儲けた金額(付加価値:粗利益)-使った金額(固定費)=残った金額(利益)

・「年計」とは「1年間の数字を、1か月ずつ移動して累計する」という計算法。傾向だけが浮き彫りになる。
・売上年計、得意先別売上高ABC分析、商品別売上高ABC分析の3つの資料

・運転資金と固定資金の定義

・「労せずして大金が儲かる」味を知ったら、面倒くさく、苦労が多い「事業の経営」など、あほらしくてできるものではない。(バブル期に)投機に走り、会社をつぶしてしまう。

・「ランチェスターグラフ」
・地域戦において敵に勝る兵力を持つことによって、戦いに勝つことができる。
・大消費地を狙うな。敵の強い所に近寄るな。

・自社が優位に立って行動できる地域。
・地域の代わりに、特定の業種や業態に絞っても良い。この場合、地域戦略に対して、チャネル戦略と言われる。

○TCは「地域」戦略として、比企郡に絞り込んでいる。(比企で起業するなら「比企起業大学」に入る)
 LWは「客層」「商品」に絞り込み、「地域」での絞り込みはしていない。あえて言えば、東京および大都市圏(車移動が無くて済む場所)かな。

・弱者は常に戦場を絞り、ここに全力投球することこそ生き残る道である。

・日本の自然な経済圏は、江戸時代の藩である。

・ランチェスター戦略とは、細分化したテリトリーまたはチャネルに、敵に勝る戦力を投入することより、占有率を高める戦略。
・最強の戦力とは、訪問回数である。

○となると、やっぱり顧客別の「面談件数」の計画と実績の管理が必要。

・多角化というのは、上手くいくと、相互扶助の関係となり、不足を補いあうことができる。

○LWのR&D機能としてのTC。

・人材は、社長の死に物狂いの努力を見て、これを真似しているうちに、自然に人材が生まれてくるのである。

○やっぱり、一倉先生の本を読むと、身が引き締まる。

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投稿者:関根雅泰

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