○日経の書評(上田岳弘さん)がきっかけで全巻購入。これは凄い!出会えて良かった(15冊)
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田中芳樹『銀河英雄伝説』正伝10巻・外伝5巻
・独裁者は、出現させる側により多くの責任がある。黙って見ていれば同罪。
・3~4千年前から、戦いの本質は変化していない。戦場に着くまでは補給が、着いてからは指揮官の質が、勝敗を左右する。
・敵が分散している状況を利用して、各個撃破。
・戦術とは、戦場において勝利を得るために兵を動かす技術である。
戦略とは、戦術を最も有効に生かすための条件を整える技術である。
・古来多くの国が、外敵の侵略によって滅亡したと言われる。
より多くの国が、内的要因によって滅亡したという事実である。
・英雄や偉人が存在する必要性をなくすための制度が民主共和制。
・英雄や偉人の権力を制限する不利益より、凡庸な人間に強大な権力をもたせないようにする利益のほうがまさる。それが、民主主義の原則である。
・登るべき山を定めるのが政治。どのようなルートを使って登るかを定め準備するのが戦略。そして与えられたルートを効率よく登るのが戦術の仕事。
・剣より、ペンが絶対に強い。
・自分がこうしていれば事態を変えることができた、と思い込むのは、自己過信というべき。
・戦略とは状況をつくる技術。戦術とは状況を利用する技術。
・国家が個人を犠牲にしない社会体制は存在しえないかもしれない。しかし、国家が個人を犠牲にしにくい社会体制には、志向する価値があるように思えた。
・名君たろうとして挫折した者こそ、往々にして最悪の暴君となるのである。
・誰かに命令され、誰かに従属して生きるほうが楽なのだ。それこそが、専制政治を、全体主義を人々が受け入れる精神的な土壌なのだった。
・民主主義とは、力をもった者の自制にこそ真髄がある。強者の自制を、法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。
・誰からも罰せられることのない人物こそが、専制支配者。
・ランチェスターの法則というものがある。戦史にあてはめたときには、常に正しいとは限らない(8解説:波多野鷹氏)
・(必勝の戦略とは)敵に対して少なくとも6倍の兵力をそろえ、補給と装備を完全に行い、司令官の意思をあやまたず伝達すること。
・状況をつくるのが戦略で、状況を利用するのが戦術。
・近代以降、戦争を精神的に指導してきた文化人や言論人が、最前線で戦死した例はない。
・挫折したわけではなく、経験を積んだだけ。
・特権をあたえられるということは、自分の器量を常に試されること。
・真実は、常に複数形なんだろう。戦争をする奴、させる奴、させられる奴の真実。一つ一つ皆違う。
・皇帝の聖恩をたたえないとひどい目にあうような社会より、役立たずの腐敗した政治家を公然と罵倒できるような社会のほうが好き。
・国家にも、医師が必要。
・社会や組織が、下から腐食することは絶対にない。かならず上から腐り始める。
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・役に立つという価値観でしか本を読めない人達
・本を読まなきゃ生きていけないというような人達、そういう人たちを相手に書いていればいいんだな。
・古典を読んで頂きたい。
・『ウロボロス』と『ゴーメンガースト』はお薦め。
○外伝5巻を読めば、正伝10巻を読みたくなり、また正伝を読めば、外伝を読みたくなる。無限ループにハマったのかも。
○表紙カバーは、私の大好きな漫画家の星野之宣さん。
○アマゾンプライムで、アニメも観られるようなので、時間を見つけて、観ていこう。しばらく、銀英にはまりそう。
●参考:公式ポータルサイト
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