ラーンウェル代表の関根です。
2024年11月9日(土)14時~17時、慶應MCC主催 平藤喜久子さんとめぐる【神話が生み出したもの】第2回講座が開催されました。
私は別件(比企起業大学24秋交流会)があったので、後日、録画を通じて学習しました。差しさわり無いと思われる範囲で、メモに残しておきます。
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●第1回講座に関する質問への平藤先生からのご回答
Q.神話をもたない民族はいるのか?
A.文字化されないとしても、儀礼やトーテムポール等、文字ではない形で示している。全く、起源や始まりを考えない民族はいない。
Q.洪水神話は、川の周囲に?
A.洪水が起こらない地域にも、洪水神話がある。体内の記憶にも関係あるのでは等、証明できない謎の一つである。日本も、洪水の後のような神話で始まる。日本人が日本に来る前に経験した洪水が、洪水伝説になったのかも。
Q.神話は根付かなかった?
A.聖典普及運動をしたが、広まらなかった。ビリーフよりも、プラクティス(例:手を合わせる)が大事。
Q.こころの歴史とは?
A.動物は、仲間の死を悼むことはしない。それが悼んでいるように見えるのは、人間がそう見ているから。動物は死体に花をそえたりしない。動物たちは、おそらく神話をもたない。
Q.どう残していくのか?
A.建物の話を次回行いたい。出雲大社は、60年に一度の遷宮。神様のお引越し。デジタルデータを、どういう媒体で残すか。出雲大社は民間で行っている。
Q.神話と歴史の違いは?
A.歴史は、文字資料と物的証拠があるかないか。高さ48mは、神話だと思われていたが、実は歴史だった。
Q.神話の活用について
A.人の心をまとめる時には、古いものを使うことは、ファシズム期以外にもある。「Again」取り戻そう。そのために神話的なイメージを使う。
Q.なぜ、私たちは、神話に惹かれるのか?
A.神話は伝えようとして、伝わってきた。伝えたくなるようにできている。伝わりやすい物語になっている。
参考:ジョーゼフ・キャンベルの本
Q.神話学は、民俗学に属している?
A.神話学は、民俗学を参考にしている。関わるところは、何でもつまみ食いする。
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●第2回講座 日本神話は、海外でどう読まれたか
(参加後に提出する「感想と問いのシート」から抜粋)
1.感想
第1回講座の質問に対して、あんなにも丁寧にご回答頂き、感動しました。どうもありがとうございました。今回の講座2でも、色々考えるきっかけを頂きました。お薦め頂いた本『知られぬ日本の面影』も購入しました。出雲フィールドワークまでに読みます。
2.問い(あれば)
1)1人問い
・一神教は、聖典によってつくられる? 聖典がなければ、あるいは、聖典を語り伝えようとする年長者がいなければ、子供は自然とアニミズムになる? 「ここに顔があると思うことが、アニミズムの始まり」であるならば、子供の場合、アニミズムの方が、より本人の感覚に近いのかも。
・18世紀~19世紀に盛り上がった「未開」「古代」の神話研究は、今どうなっているのか?今の神話研究のホットトピックは? アニミズム?
・神道は、日本人が、海外に移動する(移民や植民)ことで広がって行った。聖典がない(ビリーフがない)から、プラクティスする人間が行かないと、神道は広がらない? そもそも、神道は広げる、布教するものなのか?
・日本にしか無いものを、海外に伝えるにはどうするか? 文章、映像等で示したとしても、最終的には、その場所に来てもらうしかない? その場所に来ないと感じ取れないものもある?
(「比企ら辺まるごとキャンパス化計画」で建てていく「双体道祖信(夫婦)」に見立てた看板も、現地に来てみないと感じ取れないこともあると思う)
2)先生へのご質問
Q. 英語で古事記を読むとしたら、お勧め本は?(チェンバレン? あるいは Gustav Heldt?)
Q. 古事記の解釈として「人間の魂の成長(阿部國治)」や「星の動き(スサノオ=彗星)(星野之宣)」といったものを読んだのですが、「神話学」では、どのような解釈があるのでしょうか?
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平藤先生、MCC担当の柳さん、大田さん、ありがとうございました。
次回(12月14日)も楽しみにしています。
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