○映画「八犬伝」を観たのがきっかけで、読み始めた山田風太郎さんの本+α(3冊)
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○『八犬伝』は、売り切れだったので、まずは『魔界転生』から。面白くて、一気読み! 沢田研二さんの映画をまた観たくなる。
『魔界転生』上下巻 山田風太郎(2011)
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『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートを作った男』大西康之(2021)
○この本も凄い! 面白くて一気に読んだ。
○1980年代後半、高校生の頃に起こってた「リクルート事件」の内側が見えてくる。
・「経営者とはどういうものか、経営者なら何をすべきか。わたしはつねに学び、考え、そのとおりにやってきました。あなたがた、自分が経営者であると考えたことがおありですか」
・日本はいつから、これほどまでに新しい企業を生まない国になってしまったのか。答えは「リクルート事件」の後からである。
・大沢武志の『心理学的経営』という本は、今も企業の人事担当者のバイブルとされている。
参考:
・自分より優秀な人間にどんどん仕事を任せる。それが経営者としての江副の強みだった。
・(ダイエー)中内の人生は、日本の「モノづくり神話」との闘いだった。
・江副もまた「モノではない何か(情報)」を売ることで事業を起こそうとしていた。
・ドラッカーを師と仰ぐ江副は「二本の草を育てる者」すなわち経営者になろうとした。
・工場をもたないリクルートにとって、唯一の生産設備は人材である。
・松下幸之助「人は誰でも得手なことと不得手なことがありまんがな。誰に、どの仕事を、どこまで要望できるかが大事やなあ」
・リクルートの精神的支柱となる社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
・カリスマの「リーダーシップ」に置き換わるもの。それは、社員の「モチベーション」だった。
・問題は往々にして、部門と部門の間で発生する。
・問題は、売り手と買い手の間にある「情報の非対称性」だ。
・「分からないことはお客様に聞け」
・世間知らずの若い社員を、お客に育ててもらう。カッコーのような戦略。
・ランチェスターの二次法則「弱い企業が大企業に勝つには、まず限定した市場で、40%のシェアを取ること」
・稲盛和夫は「資治通鑑」の言葉を引用し、聖人、君子、小人、愚人の中で「組織を危うくするのは小人だ」と説いていた。
・Different Heartbeat 常人とは全く異なる発想をする宇宙人のような人間
・このころ、私人として破綻していた江副は、経営者としてはまさに絶頂期にあった。
・リクルートは日本の求人情報の大半を一手に握るプラットフォーマーであり、高次元のモラルが求められる立場だった。
・そこに考えが及ばなかった江副は、知らず知らずのうちに、ダークサイドへと堕ちていく。
・江副は有能な部下には囲まれていたが、親身になって大所高所からアドバイスし、ときに倫理に悖るふるまいを諫めてくれる年長者が周りにいなかった。
・江副が作り上げたリクルートという「いかがわしい」会社は、革命家 中内によって「いかがわしさ」を残したまま生き延びた。
・2013年2月8日、江副は息を引き取った。
・「辛い仕事」は、全部、機械とコンピューターがやってくれる。人間の残される領域は「楽しむ」ことだけかもしれない。
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