【木曜日25-14】ライフスタイル起業家本(1)

田舎でミニ起業

【木曜日25-14】ライフスタイル起業家本(1)

○「Lifestyle entrepreneur」という概念を教えてくれた高橋勅徳先生の本(2冊)

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『なぜあの人は好きなことだけやって年収1000万円なのか? 異端の経営学者と学ぶ「そこそこ起業」』(2024)

・事業(ビジネス)の担い手でしかない起業家(Fonder)を、経済と社会を変える英雄たる企業家(Entrepreneur)に変換して、その活動を第三者にも再現可能な形で提示しつつ、その存在を正当化していくことが、企業家研究の研究者に求められる社会的な役割。

・父のように、人生を満喫する手段として、仕事を「そこそこ」に抑える生き方。

・2010年前後から海外の尖った企業家研究の研究者を中心に、ライフスタイル企業家(Lifestyle entrepreneurship)という新概念が提示され、注目を集めるようになった。

○比企起業大学では「Micorentrepreneur」を、ミニ起業家と訳しているので、Lifestyle entrepreneurも、企業家ではなく、ライフスタイル起業家と表現したい。(企業家は、どうしても、従業員もいる大きな企業のイメージがあるので)

・自分が好きなことを基盤に、低資本・低投資で起業して、生活の持続可能性が担保できるところで意図的に企業規模の拡大も、売上高の成長も止めてしまう起業スタイル=ライフスタイル企業家を目指すことが、一番の幸せなのではないか。

○まさに、比企起業大学が志向している「小さく始めて、大きくせずに、長く続ける」事業スタイルだし、「分度(必要経費)を稼いで、余剰を推譲」のうち、「分度」に通じる。

・Staying within the fence 柵の内側にとどまる

・「楽しい」ことを自ら体現していく(Performative)

・売っているのではなく、趣味で作っているものを、適正価格で、みんなでシェアしているって体になっている。
・参加者全員が、幸福の拡大を目指し、創作を支え合うことを前提とするのが、日本で生まれた同人誌という世界(頒布という文化に支えられたコミュニティ)

・このコミュニティの中でなら生きていけるという自信

・起業することで、女性たちが「レジリエンス」を獲得していく。

・同じ趣味やライフスタイルを有する人たちが安心して、心地よく感じる街への再生できるかどうかにかかっている。

・起業で幸せ(Well-being)を得るには。
・起業から幸福を得るために適切な規模をいかにコントロールしていくのか。

・低投資のビジネスは、生存という面で、実は強い。

・複雑怪奇な手続きと許認可のメカニズムが、我々をサラリーマン生活に縛り付け、多重のリスクを背負う形でないと起業が許されず、結果として人々が会社や組織に頼らず生きる力を奪ってしまっている。

・自分が一番快適な状態であるかどうかを確かめる、判断基準として、山を持っている。
・どのくらいの稼ぎが適切なのかは、(資源を提供してくれる)山が教えてくれる。
・「稼がせてくれる」全ての他者との対話から、自分にとって一番快適な状態を見出し、市場という魔物と「そこそこ」うまく付き合っていくことが必要不可欠。

・ライフスタイル起業を実現するにあたって、ライフスタイル企業家は「ニッチ」を獲得して、自分のライフスタイルに共感する人たちを顧客として「柵の内側にとどまる」必要性が提唱されてきた。
・大企業が手を出す意味のない「ニッチ」だが、自分と家族が生活するには十分旨味のある仕事が、たくさんあった。

・大きな売上が見込めるところは、大企業に食わせればよい。
・大企業が食べ残したところは、自分が生活するための場所にすればいい。

○大海には出ずに、「小さな池」で稼ぐが、「大きなクジラ」1匹になるのではなく「数匹の鯉」で生きていくのが、比企大が目指す「ライフスタイル ミニ起業」なのかも。

・売上と成長を求めて競争しても、ろくなことにはならない。
・1000年の時間を「独占できる安定した環境」にシーラカンスのごとくとどまり続けた。

・とりあえずそのサービスに価格をつけて初めて、お客様はそのサービスに価値があるかどうかが判別できるのでは。

・動画で積み上げた実績が、飯の種につながる好循環になっている。
・好きなことが得た実績をゆるく利用しながら、仕事に繋げていく。

・現代のライフスタイル企業家に関する先行研究で主流となっているのが、観光業を中心にした小規模事業者に関する研究。

・「楽園を作る」ために必要となるのは、「自分が楽しむ姿」を見せて、共感してくれる仲間を少しずつ増やしていくこと。そして集まった仲間たちと「もっと楽しくなる」ためのサービスや道具を、自分から分かち合うという感覚。

・趣味で楽園を構築する以外に「ハッキング」と言うべきもう一つの起業戦略が潜んでいる。
・目の前にある市場の仕組みを知り尽くすことで「そこそこ働いて、そこそこ稼いで、余暇時間を増やして、家族や仲間と共に人生を楽しむライフハック」というべき起業戦略。

○これは、俺が「研修市場」でやっていることかも。

・さらに「ハッキング」の応用編として「市場の近くで、サブビジネスを作る」という形も存在する。

・「家族や仲間」のために必要な現金を、その都度、必要なだけ市場から引き出すという野生の経営感覚。

・屋台で人が支配から解放される。「そこそこ起業」には、人々を危機から救う力がある。

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『アナーキー経営学 街中に潜むビジネス感覚』(2024)

・自分を中心に、家族と大事な友達くらいまでの人々と、誰にも介入されず快適に生活できる「空間」を維持するために、私たちは「経営」しているのではないか。

・今ある規制や制約を、どこまで逆手に取るか。
・個人事業主のほうが、巧みに制度を利用している。

・ひとまず流行りに乗る=模倣的同型化する。流行とは、成功例。
・まず流行りを真似て、必要な資金と常連さんを確保しつつ、それを基盤に差別化の道を考えていく。

・一度規制を利用してビジネスを立ち上げてしまえば、今度は法規制そのものが、参入障壁として自分たちの稼ぎを守ってくれる。

・沖縄のBBQサイトは「魂が抜けない」きわめてよくできた仕組み。

・特定の民族が起業するのは、文化的背景の違いではなく、労働市場からの疎外に起因する、機会構造論で説明される。
・取引とは「よく知らない他者」の理解を促す情緒的な行為。

・「何かしたくなるモノ」を中心に据えてしまえば、自ずと人は企業家精神を発揮するのではないか。(BBQサイトがあれば、肉を焼きたくなる)
・「つい使いたくなってしまうモノ」一つ設置するだけで。

○これ面白いな~。ちょっと考えてみよう。

・起業とは、社会から一人一人の人間を解放し(Emancipation)自力救済を可能とする社会的行為。

○ここで紹介されている論文、読んでみよう。

Social entrepreneurship as emancipatory work
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0883902617306328

ENTREPRENEURING AS EMANCIPATION
https://journals.aom.org/doi/abs/10.5465/amr.2009.40632647

・マルチ商法、ネットワークビジネス、マルチレベルマーケティング これらの商法は、連鎖販売取引と定義される。

・違法が定義されるから、グレーゾーンが出現し、アンダーグラウンドなビジネスが可能になる。

・経営学だから、見える世界がある。

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●参考:岩尾俊兵先生の経営学本

投稿者:関根雅泰

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