
○主にイギリスのSmall Tourism and Hospitality fimsに関する研究をまとめたもの(1冊)
===
『The Management of Small Tourism and Hospitality Firms』(1998)Edited by Rhodri Thomas. Cassell.
・Small Tourism and Hospitality Firms(以下、STHF)は、大きな会社のミニチュアではない。そこには、様々な違いがある。
1. An introduction to the study of small tourism and hospitality firms
・Small firmsを定義する唯一のものはない。
・定義の例

2.Small business owners
・Tourismは、今の世界(1994年当時)で、最も大きな産業である。
・Strategic Management Process

・小規模企業オーナーの種類


○Lifestyle-oriented goals ライフスタイルを重視した目標を持ちつつ、しっかりと商業的な戦略 Commercially oriented strategies for success(例:ランチェスター戦略)を実行する、右上が良いのでは。その時のカギは、商業的な成功(例:売上)の上限を定めておくこと。そうでないと、ライフスタイル重視の目標は達成できなくなる(仕事に追われるようになる)
3.An assessment of small business failure
・Bankruptcy(破産) や Insolvency(債務超過)といった「倒産」をここでは、Failure失敗とする。
・観光サービス業は、高い倒産率となっている。
・若い企業のほうが、成熟した企業よりも失敗している。
・失敗の理由は、企業の内側と外側にある。
・長期の生き残りに良い影響をもたらすとオーナーが考えているもの

4.Financing small businesses
・1973年調査で調べられた企業のうち、43%しか10年後に残っていなかった。
・観光サービス業への融資に、銀行は消極的。
・ビジネスエンジェルの潜在力に期待。
5.Small firms and the state
・イギリス政府の小規模企業への政策
・保守党(1997年まで)と労働党(1997年以降)の違い
・EUにおける政策
・BC-Net ヨーロッパのコンサルタントをコンピューターでネットワーキング
6.Business planning
・Business plan事業計画は、「起業家候補のロードマップ」であり、Working planとInvestment planの2種類がある。
・3つのFinancial statementsとして、
1)Cash flow forecast 2)Profit and Loss account forecast 3)Balance sheet projection がある。
・損益計算書の例

・貸借対照表の例

・事業計画と事業成功の間の関係性について、研究結果は混在している。
7.Marketing
・STHFは、Customization個別化した商品と、Personalization個人化したサービスに優れている。
・標準化はできなかったり、すべきでなかったりする。
・STHFにとって、カスタマーニーズを常にResearchすることが、カギとなる活動となっている。
8.Quality management
・Quality は、Fitness for purpose 目的への合致であり、meeting the customers’ needs 顧客ニーズに合うことである。
・Excellence とは、顧客の期待を超えることである。
・Preventive予防的なアプローチのほうが、Retrospective回顧的なものより、実践的でコスト効率も高い。
9.Management development
・小規模企業のマネジメントプロセス

・小規模企業内での研修に関する研究はほとんどない。
10.Employment and employee relations
・従業員に関する課題を無視することは、王子のいないハムレットのようなもの。
・STHFの採用の主たる手段は、口コミである。
・STHFでは、女性、パートタイム、カジュアル、短期契約、マイノリティーの従業員が多い。
11.Using information technology
・Country Hokidaysは、ITがいかに小規模ビジネスを成長したかを語る良い事例である。
・ただ、多くの小規模企業にとって、ITは使いづらい。
・インターネットは、マーケティングの可能性を広げるだろう。
12. Strategies for growth
・Stage models:Birth, Survival, Growth, Maturity
・Gray(1993)のモデル
1)Start-up 2)Survival 3)Take-off 4)Professionalize 5)Transformation
○田舎でミニ起業(小さく始めて、大きくせずに、長く続ける)なら、
1)独立・開業(1年目~) 2)顧客数増・安定(3年目~) 3)マンネリ化・飽き(10年目~) 4)挑戦・初心回帰(10年目~) 5)外注増・後進育成(20年目~) 6)終活準備(30年目~) 7)譲承・前向き廃業(40年目~) みたいな流れはありそう。
●参考:
===
コメントフォーム