「組織行動の考え方」
金井 寿宏 (著), 高橋 潔 (著)
○組織行動に関しておさえておくべき理論が俯瞰できる。
「元気にしたい!」という想いが伝わってくる本。
・初版2004年
(・引用/要約 ○関根の独り言)
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●1章 経営学と組織行動の間柄
・組織行動とは、組織の中で起こる様々な人間の行動を科学的に
理解しようとする学問分野である。
・「組織の中の人間行動」Human Behavior in Organizations
・ある学問領域がその国に根付くということは、まずその分野の名称が
広まること。
・緊張下のシステム「張りがないと人は動かない」
未達の課題の選考的想起が、緊張を生み出しその緊張を緩和するために、
人は動機づけられる。これがツァイガルニーク効果。
・現実世界での経験、個人の洞察、理論的考察の三者をつなげることが、
組織行動の学びのあり方
・K.レビンの「よい理論ほど実践的なものはない」
(Nothing is so practical as a good theory)という姿勢
・経営学の起点は、F.テイラーの「科学的管理法の原理」1911年。
・H.ファヨールの組織全体の合理的管理 1916年
・M.ウェーバーの官僚制組織に関する議論 1924年
・E.メイヨーのホーソン実験 1933年 人間関係学派
・1960年代の人間主義心理学 A.H.マズローの欲求階層理論、
D.マグレガーのX理論、Y理論
・1960年代 リーダーシップの行動理論 2軸
・1960年代 H.サイモン、J.マーチ 意思決定理論
合理的な意思決定はできないとする「制約された合理性」モデル
・1970年代 唯一最善の方法はなく、すべては状況に依存するという見方
コンティンジェンシー理論
・1970年代、80年代 組織行動の研究領域が拡大
・1990年代 組織変革と結びついた研究が増加
・組織行動(OB)に最も近しい基礎学問分野は、心理学。
・ジョン バン マーネン教授の言葉「人の問題を扱うOBは、
さわやかでおもしろくあるべき」
・経営行動科学学会、産業・組織心理学会
「人事部にいながらこの種の学会に入っていなかったらもぐり」
○俺も入ろう
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●2章 コンピテンシーとは何なのか
・スポーツにおいてあるプレーがうまいというとき、
そのうまさにはレベルがある。「知る」「わかる」「できる」の三段階。
・コンピテンシー=成果行動
・コンピテンシーは、日本の経営、人事管理にフィットしない気がする。
コンピテンシーモデルには、きわめて米国的な能力観が見え隠れする。
しかし、日本の人々の多くがコンピテンシーという考えに飛びついた。
・コンピタンスは、環境の中でうまくやっていくことに関わっている。
・動因でも本能でもないモティベーションの新たな概念としてのコンピタンス
・コンピタンスは、単にできるというのではなく「うまく生きられる」こと
まで関わってくる
・コンピテンシーは多義的であり、ほかの用語と互換的に用いられることが
多々ある。責任能力、自力、学力、知的能力、顕在能力、発揮能力など
・コンピテンシーモデル構築
1)伝統的職務分析の手法を援用
2)行動事例面接(BEI)法 行動に力点をおく
・コンピテンシーモデルの設計手法
1)リサーチベース
2)戦略ベース
3)価値ベース
・日本的視点からのコンピテンシーの理論化「コンピテンシーラーニング」
(古川2002)
○見舘先生おすすめの本!ちょうど買ってた
・コンピテンシーラーニング理論では、コンピテンシーが学習され、
育成させる能力であることに力点が置かれる
・製造現場では4つの技能水準、すなわち「もの造り」のための
コンピテンシーと呼べるものが形成されている
この技能水準とコンピテンシーの学習方法にははっきりした対応が見られる
レベル1には「経験による学習」2と3には「モデリングによる学習」
4には「概念化による学習」が必要。
・コンピテンシーの学習が効果的になされるためには、学習意欲ならぬ
達成動機の役割が欠かせない
・コンピテンシーの学習を通じて、最終的に我々が得るのは、
有能感の経験である。
・コンピテンシーの要素分解や評価測定よりも、コンピテンシーの獲得に
至る学習のプロセスに注目した方が、日本企業であれば良さそうだ。
このプロセスこそが、企業の競争力を左右し、元気を生み出す過程となる
可能性も有するからだ。
○これは今後のカギになるかも。おれの興味もこっちだなー。人の学習。
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●3章 モティベーション論のミッシングリンク
・本章では、モティベーション理論を、心理学ベース、経済学ベース、
目標に関するもの、「夢」をキーワードにしたものを紹介する
・何らかの緊張や欠乏があったときに、それを何とかしようとして
人が動くときに、モティベーションが生まれるというのが基本。
・心理学をベースにしたモティベーション理論では「ひとを動かす」ための
キーワードとして「欲求」「内発性」「楽しさ」「公平感」「仕事の中身」
などが考えられている。人間のうちなる部分に注目する心理学ならではの傾向。
・経済学的モティベーション論 欲求が効用関数で示される
合理的に行動するという前提 行動の監視が必要 金銭的インセンティブ
・E.ロックとG.レイサムによる「目標設定理論」
1)目標が適度に困難
2)具体的
3)本人に受け入れられる
4)成果とフィードバックが与えられる
この4つが確保されることで、目標が人を動かす
・否定的フィードバックが多いことは、目標達成に向けて我々のやる気をそぐ
(ディモティベートする)のである。
(行動に伴って嫌な経験ばかりさせられて、次第に無力感や絶望感を
身につけてしまうことを、学習性無力感<learned helplessness>と呼ぶ)
・プロジェクトXのような無理な目標でも動機づけられるのは何故か。
それが動機付けのミッシングリンクである。
このミッシングリンクに「夢」が与えるモティベーション効果を
当てはめてみたい。
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●4章 「キャリアデザイン」のデザイン
・D.マクレランドは、達成動機の高い人からなる社会は、経済発展が
進んでいるという大胆な主張をした。
・キャリアデザインは、戦略発想を個人に応用する最適の領域であることを
強調したい。
・節目さえデザインすれば、あとは多少ドリフト(漂流)するのもOKだ
というデザイン思想を広めたい。
・経営戦略論の根っこには2通りの考え方がある。
1)内容学派 content school
2)過程学派 process school
・会社全体の大きな方向づけに至った決定は、節目でしかなされていない
・内省と実践が将来構想という旗印のもとに同居するのが、
デザインマインドの特徴。
・今は時代の節目で過渡期であるので、個人と組織の側双方が、
キャリアの協同デザイナーであるべき。
・キャリアの問題は、本人だけの問題ではなくなっている。
家族からのインプットがキャリアデザインには必要。
・トーナメント型という競争ルールは、必ず敗者が生まれるため、
キャリアプラトーの問題と敗者のモティベーション低下の問題が切実になる。
しかしこのルールは特定の役職以上に適応されるため、通常は表面化しない。
・キャリアデザインは、本人と家族が協力して、企業の手助けを得ながら
設計していくのがよい。
○ここまでできているサラリーマンの人ってなかなかいないだろうなー。
なぜキャリアをデザインするのは難しいのか。
先が見えない、(組織にいると)個人の力ではどうしようもないと
思えることが多いからか。
だから流されるままになりやすいのか。
独立した後は、「のたれ死ぬ」自由もあるけど、その分、
自分の意思でどの方向に進むのかを考えられる。
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●5章 成果を意識した組織行動を目指して
・成果基準の多次元性の問題
・「デリバラブル(deliverables)」=deliver(お届けする)+ able(できる)
戦略や成果と結びつけて人材マネジメントの機能を考察するために、
D.ウルリッチが広めた言葉。
・「ドゥアブル」は、やっていること
「デリバラブル」は、それぞれのドゥアブルがいったい誰になにを
もたらしているかという問いかけ。貢献。
○俺はどうだ
「ドゥアブル」
-研修を行う、本を書く、雑誌に記事を書く、ブログの記事を書く、
本や論文を読む、大学院のゼミに参加する、
「デリバラブル」
-参加者に考える機会と考える材料を提供している
企画者の考えを具現化している
企画者の社内評価を高めている(ことを目指している)
他者の参考になる情報を発信している
新入社員への職場OJTを効果的に進める方法を明らかに(しようとしている)
・・・う~ん、難しい。デリバラブルで表現するのは。まだまだだよな。
・「結果をもたらすこと(delivery of result)こそがリーダーシップ」
ゴーン氏
・成果につなげるのがリーダーシップやコーチングだということが、
スポーツの世界ではごく素直に認識されている。
・リーダーシップ研究は、リーダーの属性ばかり見てきたため、
リザルト(結果)に基盤をおいた研究は乏しい。
・バランススコアカードBSC
財務データでは、結果は分かってもそこに至る道筋が見えない。
1)財務 2)顧客 3)社内ビジネスプロセス 4)働く人々の学習と成長
の視点を入れる
BSCを理解するためのシミュレーションゲーム
LFR(leadership for result)
・「誰のための成果か」「いったい成果とは何なのか」という問いを
直視する必要がある。
○弊社が考える成果とは何か? ドラッカー5つの問いの一つ
この問いはやっぱり難しいよなー。
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●6章 人事評価をめぐる根本問題
・BARS(behaviorally anchored rating scales)、
BOS(behavioral observation scales)という2つの評定法は、
測ろうとする評価要素自体がかなり具体的になっていること、
段階や付された標語が工夫されていることによって、
優れた人事評価法であると考えられている。
・悪弊のようにいわれがちな相対評価だが、絶対評価に比べて利点も多い。
・評価基準の問題は、つまるところ、属性(あるいは要素)に分解された
行動の評価をするのか、全体としての人物評に関わってくるのかという
問題にいきつく。
・多数の絶対基準から分析的に「行動や振る舞い」の評価を行うのが
絶対評価であり、少数の基準上で総合的に「人物の器の大きさ」みたいな
ものの比較を行うのが相対評価であるといえる。
・J.キャンベルによる米陸軍でのプロジェクトAにより8個の評価次元が
抽出されている。
・日本での人事評価では、行動的側面だけでなく、従業員個々人の
能力的側面や態度的側面などの人物側面もあわせて測っていこうとする
傾向がある。
・P.ヘンベルの調査 英国系上司は行動とスキルに着目、
中国系は属人的要素に重きを置く。
・日本では、評価基準は成績、能力、情意という一見三次元に見えながら
実は「有能さ」というたった一次元で評価されている可能性が高い。
・「賞は速やかに行うべし。罰は宿を越すべし」(たとへづくし)賞賛は
疑うことなく速やかに行うことがよく、懲罰、叱責は日を改めてよく
検討した後に行うのがよい。
行動主義心理学のいわんとするところが、この格言にはこめられている。
○これは、いい言葉。シンプルで説得力がある。
・ネガティブなフィードバックのほうが、はるかに特定的で情報価値、
学習上のヒントが多い。
・個人の情報処理能力という認知的制約ゆえに、ネガティブなコメントも
相手の心に深く届かなくなる。
・ネガティブなフィードバックばかりたくさん聞かされると、
攻撃されているように感じ、感情的な制約ゆえに学習が起こりにくくなる。
○この辺は大事なことだよなー。
・S.アシュフォード「フィードバックは資源だ」
大人になるほど、偉くなるほど、フィードバックという資源が
乏しくなる可能性がある。
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●7章 360度全方角からのフィードバック
・経営のあり方を組織行動という観点から読み解く鍵の一つが、
このどろどろした評価制度にあるとにらんでいる。
・360度フィードバックの最大の特徴は、複数の評価者の目を通じて、
一人の対象者の特性を評価することにある。
・顧客ベースのデータを取り入れることによって、
360度フィードバックといえる。組織内部だけであれば、せいぜい270度。
・360度多面評価を一回きりの評価だけで終わらせず、個々人の人材育成の
ための活動へとつなげていくには、フィードバックセッションの質がきわめて
大きな影響をもつ。
・本音では「人事部主導による人事評価」すなわちラインの
人事評価に対する安全弁としての役割が密かに期待されているのではないか。
それが見え隠れするから、日本では360度フィードバックがなかなか
浸透しなかったのかもしれない。
・360度フィードバックの位置づけ 目的論と手段論
この技法を職務行動に関する一つの測定法として捉え、正確で誤りのない
フィードバックのためのツールを開発すること自体を「目的」とする考え方と
対象者の気づきや業績向上、サービス向上などを求めていくための「手段」
として捉える考え方。
・目的論では、評価の一致に重きをおく。
手段論では、違いを際だたせるために複数に聞く。
・測定の信頼性と妥当性
・評価は自分を映す鏡
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●8章 変革の時代におけるリーダーシップの求心力
・リーダーシップ論の流れ
「属性」→「行動」→「状況」→「変革」
・1940年代 リーダーシップの特性理論といえば「偉人論」になりがち。
・R.スタッジルは、生まれつきの個人的資質や特質に大いに注目しつつも、
それだけではリーダーシップの全貌が見えないと示唆した。
・リーダーシップをとる人は特別な人で、自分からはかけ離れていると
いう発想に陥りがち。
リーダーシップを獲得するためでなく、鑑賞するように見てしまう。
・1950年代~60年代 ふつうの人々の行動
調査によりたえず同種の2軸が繰り返し見いだされた
「ロバスト(頑強)な次元」
リーダーシップのような複雑な現象が2つの軸で説明できる
・ハーバード大 課題リーダーと社会情緒的リーダー 異なる2人の人物
・ミシガン大 仕事中心型と従業員中心型 両方を兼ね備えるリーダーはいない
・オハイオ州立大 構造づくりと配慮 一人で2役
・九州大学、大阪大学 PM理論
・Hi-Hi型が、もっとも有効なスタイル
・「課題(仕事や業務)関連」と「人間(対人関係)関連」という2つの
行動次元は、常識的でわかりやすい。
管理職のリーダーシップを評価するのに、業務、業績面と対人関係面の
2つだけ見ていけばよいことになる。
・リーダーシップの条件適応理論、状況適合理論(コンティンジェンシー理論)
P.ハーシーとK.ブランチャードによる状況理論では、状況特性として
部下の心理的、技能的成熟度がとりあげられた (SL)
・状況によっては、リーダーシップが不要になることもある。
リーダーシップの代替要因アプローチ。
○太田先生の「間接的」「インフラ型」マネジメントもこれに近いのかな。
・「無為の治」や「サーバントリーダー」は、ビジョンや使命だけは
しっかりしていることが必要。
・J.バーンズ「変革型リーダーシップ」1978年
・「プロジェクトX」にみるリーダー像
達成志向、チームワーク志向、道徳的、無為自然
・米国的なリーダーシップ論では、無為によるリーダーシップが強調される
ことはほとんど無い
・すべてが一人に帰せられがちのアメリカンドリームに対して、
チームワークとメンバーの創発的効果を軸とするジャパニーズドリーム
・日本でのリーダーシップの在り方を考える際には、割り切った2分法から
脱却することだ。
配慮こそが、課題面にも貢献するという機微。
・配慮には、微妙だがパワフルな課題関連のフィードバック機能がある。
配慮は、間接的、長期的にパフォーマンスを支配する可能性がある。
配慮は、微妙で強力な形で、影の課題関連の行動として作用している。
・新人の適応に役立つ情報源には何があるのかの調査
新人の直属上司がよく配慮してくれるほど、新人は適応への機会を
大事にしていた。
配慮が存在するときに微妙な情報がよりよく流れる。
○この論文を読もう!
「新人にとっての情報源と上司のリーダーシップ行動」
・構造づくりを課題関連の行動、配慮をもっぱら対人関係の行動と割り切って
2分法で考えることは誤り。
配慮の中に課題関連の効果も織り込まれている。
・リーダーシップの最大のエッセンスを「フォロワーがついてくること」と
捉えるなら、2軸のうち対人関係の行動と思われてきた配慮が、
リーダーシップの条件としては一層重要かもしれない。
○「配慮」が上位。その下に「課題」が来るというイメージかな。
リーダーは、メンバーに配慮する。配慮を通して、課題達成を支援する。
「フォロワーがついてくること」に関して、俺自身の最近の経験は、
保育園で父親たちに声をかけて実施した人形劇があてはまるかも。
http://yuzunoki-hoikuen.seesaa.net/category/4174647-1.html
権限も義務もない中で、プロジェクトを動かしていた。
その時はやはり「配慮」が中心だったように思う。
課題関連の行動といっても、彼らにはやりきる義務、
課題達成する義務はなかった訳だから。
「子供たちのため」「父親自身が楽しんでいる姿を」
そんなキーワードと、劇がうまくいったときの絵を伝えることを
強調した。
途中からメンバーが勝手にのって、動き出してくれた。
そこから先はでしゃばらないようにした。
自分で「リーダーシップを発揮して」というとなんかいやらしいけど、
ああいうリーダーシップの発揮は、俺にとっては面白いのかも。
社長としてリーダーシップを発揮すると、どうしても強権的になる。
「配慮」は、確かにリーダーシップのカギになりそう。
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●9章 職務満足と組織コミットメントから見る職場の幸福論
・経営学のボキャブラリーの中には「幸せ」の文字はないが、
「職務満足」がそれに近いし、研究の蓄積も豊富だ。
・職務満足の研究は、人間関係学派にその基礎があるといってよい。
人間関係学派は「満足した労働者は生産性が高い」という考え方をもっていた。
ロジックとして、職務満足と生産性との間に強い関連性がもたらされる
ことが必要であった。
・しかし事実は、職務満足は生産性に直に効くとはいえない。
相関は弱い。
・職務満足と生産性の間の関連性についての論争。
1)職務満足が生産性を向上させる
2)個人の成果の方が、職務満足を向上させるよう働く(逆転の因果律)
3)特定の条件のもとだけ
・職務満足は、個人要因vs環境要因の2要因性が意識されるのは明らか。
仕事でハッピーになるには、自分自身の内面に目を向けるか、職場に納得
するかのいずれかなのだ。
・職務満足は、遺伝子によって決定されている可能性。
満足度の3割は遺伝に影響される。7割は職場環境。
・知的水準の高い人に、もてる力を十分に発揮し気持ちよく働いてもらう
ためには、その人の知的レベルにあった複雑でチャレンジングな仕事を
与えなければならない。
反対に、頭のよさだけで勝負しているわけではない人にとっては、仕事の
中身がどうであっても満足感が大きく振れることはないので、仕事の与え方
にそれほど神経質にならなくてもよい。
○これは新卒が配属された職場でよく出てくる問題かも。
半年後のフォロー研修で「意欲の高低」を聞いたときに出てくる。
・若年労働者の定着度の低さには、仕事と興味のミスマッチがあるとされている
が、実は会社が与える仕事と本人の知的能力のミスマッチが見られるのかも
・組織コミットメントの3次元
情緒的(愛着)功利的(しがらみ)規範的(倫理感)
・組織コミットメントが企業の生産性と関連をもつということは、ある意味
幻想であった。「コミットメントが成果につながっていない」
・組織との間の「情緒的」つながりは、管理職の生産性を向上させるが、
「功利的」つながりは、生産性を阻害してしまう。
・組織を去った人たちだけでなく、組織に残った人達も気づ付いている可能性。
○これは、俺がやってしまったことだな。
1社目も2社目も、出る方の俺は気楽だけれども、残された方はきつい。
1社目のときは、出る前に「残される側」の立場も味わった。
やはり後始末的な仕事はきつかった。出た人を正直恨んだこともあったなー。
でも、そのあと残された人は、もっとつらかったろう。
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●10章 現実を変えることから生まれる知識創造のパワー
・「気づきをもたらす概念(sensitizing concept)」
それを知る前と知った後では、物事の感じ方、働き方、生き方まで
変わってしまうような劇的な影響を与える概念
それが変化をもたらすかどうかは概念側の影響力の大きさだけでなく、
学ぶ側の姿勢にもよる
例「中年の危機」
・ユングもM.ウェーバーも、中年の危機の後により充実した業績を残した。
○俺にとっては「営業プロセス」「4つのタイプ」「考える枠組み」
「ランチェスター弱者の戦略」「感情マーケティング」とかが
気づきをもたらす概念だったのかも。
今後はどんな概念に出会えるか、楽しみ。
・「気づきをもたらす概念」「悦ばしき知識」は、実践の中から生まれる
知識であり、内省のできる実践家なら自ら生み出せるものだ。
しかし実践家の誰もが、自分がうまくできること、自分がくぐっている
経験の意味合いをうまく言語化しうるとは限らない。だから研究者が
必要になる。
・すぐれた研究者は、実践家の側にいて、彼らの行動をつぶさに観察し、
要所要所でうまく質問をして、その行動の意味を引き出せる人、つまり
実践家の「持論」を引き出せる人だ。
理論から持論を演繹し、持論から理論へ帰納する絶え間ない相互作用の
エージェントだ。
○これは俺が今後目指したい姿。
・理論が現実に合わなかったら、おかしいのは理論の方。
・実践に役立つ知識を生み出すには、実践家と接することが何より大事だ。
その究極の姿は、実践家そのひとに組織行動の研究者になってもらうこと。
○実践家が研究者になる場合に、自分の過去の実践家としての経験に
とらわれすぎないようにしないといけないんだろうなー。
「前は実践家、今は研究者」ではたぶんダメ。
「今は研究者、今も実践家」でないといけないんだろうな。
実践家が、研究者の考え方、観察方法、質問の仕方とかを学んで、
実践の世界で仕事をする。そうすると研究者の目線で実践の世界を見ることが
できるのかも。
俺の場合は、企業内で人事教育担当という立場で実践に携わる訳ではない。
彼らに外部からアプローチする研修運営者という立場。
(強みは、複数の企業と接点があるということかな)
研修という講師にとっての実践の場だけでは足りない。
現場という従業員にとっての実践の場に、より入り込んでいかないと。
その入り込む際には、今勉強している研究者の視点を伴っていきたい。
・社会人大学院生は、学理と実際を融合させるような知的実践的作業を
担当するのに、ふさわしい絶好の立場にある。
・学生がインターンシップや、外部とのかかわりをもつプロジェクトで成長する
・年長者からみれば、もどかしさと心配だらけであっても、若者に言わせて
やらせて応援することが肝心。
次世代にチャンスを与えること。
・コンカレント アクション アンド ラーニング
職場を離れてフルタイムで大学に戻るよりも、勤務を続けながら履修できる
教育こそが王道。
・国の元気のかなりの部分は、産業界での会社の活力にかかわっている。
・知識のありがたさを、割り引いて考えないこと。知識創造は大切。
・SECIモデルのどの段階でも、それが生じやすい場というものがある。
ネット上では生じにくい共同化と内面化については、場づくり(実践共同体)
を大事にしてほしい。
・言語化の大切さを見逃さないでほしい。
実践にも言語化にもすぐれている人「内省的実践家」
・日本の高業績企業と低業績企業、活発な職場とそうでない職場を比較すると
最も差が大きいのが「表出化」の段階であることが分かっている。
言語化してみることは、職場を活性化し組織の成果を高めるために
一役買っているのである。
○新人に教えるという行為を、言語化、表出化と捉えると、
その意義を「職場の活性化」「業績向上」という点からも説明できるかも。
「知識創造企業」は読んだから、
https://www.learn-well.com/blog/2009/10/post_280.html
今度は「知識経営実践論」を読もう!
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