2012年9月2日(日)13時30分~15時30分
青山学院大学大学院で開催された中原先生の集中講義
「組織行動論」に参加してきました。
http://www.nakahara-lab.net/blog/2012/06/post_1859.html
私は「組織社会化論」の下記文献を担当し、発表しました。
・Louis, M. R.(1980) Surprise and sense making : what newcomers
experience in entering unfamiliar organizational settings.
Administrative science quarterly. Vol.25 No.2 pp227-251
・Gundry L. and Rousseau, D.(1994) Critical Incidents in
communicating calture to newcomers. The meaning is the message.
Human relations. Vol.47 No.9 pp1063-1088
PDF資料を見る
ついでに、この夏休みに読んだ
オックスフォード ハンドブック 「組織社会化」
The Oxford Handbook of Organizational Socialization 2012
https://www.learn-well.com/blog/2012/09/the_oxford_handbook_of_organiz.html
のポイントをいくつか紹介しました。
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●中原先生
【組織社会化研究のパラダイム】
・組織社会化研究のパラダイム
質問紙調査が多い
独立変数(例:介入、行動)→従属変数(例:コミットメント)
スナップショット(一回)から、プロセスを見る
客観的から、主観的意味に着目する
・この2つの論文は、質的調査を含んでいる。
【シンボリック相互作用論】
・「出来事」「驚き」があって、解釈する。
センスメイキング(納得、腹落ち)できれば良し。
センスメイキング(納得)できない人や時もある。
・解釈主義では「解釈こそ全て」と考える。主観的視点。
・Symbolic Interactionism(象徴的相互作用論)は、
社会学の一派。ミード、ブルーマーが代表的研究者。
1)人間はシンボル(言語)を使う
2)人間は意味を形成していく
3)意味が行動を形成する
4)行動が意味を形成する
・シンボリック相互作用論は、それまでの社会学の主流であった
「規範的、機能的主義」(デュルケーム)への批判から出た。
社会が人間をコントロールする、社会が人を作る。
・シンボリック論では、人間が社会を再解釈すると考えた。
・このシンボリック相互作用論を、組織社会化研究に持ち込んだ
ことが、この2つの論文の新しさ。
一時点での現象をバスっと切って見ても仕方が無い。
人間がどのように出来事を解釈するかを見ないと。
それが2つの論文のメッセージでは。
・主観的というのは、客観主義の学問の世界では異端。
【ワイクの組織化論】
・組織論には2つ:実存と解釈アプローチ。
・実存アプローチでは、組織図、役割、関係、目的を重視。
例)バーナードの組織定義
・解釈アプローチ ワイクの組織化論
「固まった組織はない、組織化 Organizingはある」
作り上げていくプロセス。
組織メンバー同士で「うちの会社ってさ~ ●●だよね」と語る
コミュニケーションによって作られている。
キーワードは、相互作用と境界(内と外)
「~さんは、ちがうよね」「うちっぽくないよね」
・境界はどこにあるのか、2人の関係性の中にある
●ディスカッション
・新卒には手厚いが、転職者や異動者には
Onboardingのようなものはない
・チーム志向でなく、管理志向だからこそ成長できる場合もある。
コンサルティング会社でほったらかし だからこそ育った。
30人入って、3人しか残らないような厳しい環境
・そのような「経験」(修羅場、苦難)からの学習を
「経験学習理論」ではとりあげている
・組織社会化がますます必要になる。
現代社会が「流動化」「液状化」「多様化」していく中で、
組織は、従業員を「社会化する力」を持つ必要がある。
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貴重な機会を下さった中原先生、参加者の皆さん、
ありがとうございました。
https://twitter.com/nakaharajun/status/242386561558257664
次回は、9月9日(日)の「海外勤務」の文献共有時にお邪魔します。
(日曜日なのに心よく送り出してくれた奥さん、
いつもありがとうございます。)
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