2015年8月8日(土)AOM(経営学会)2日目です。
今日は、ワークショップに参加しないので、
文献読みに注力します。
9時~
2件、ミーティングを入れているので、
会場に向かいます。
(実は、1件入っていると思っていたセッションの日付を
間違っていて、行ってみたらやってませんでした(泣))
11時~
R社のNさん、Iさんとランチミーティング。
13時~
いったんホテルに戻って文献読み。
夕方から会うイタリア人研究者Massimoが指導した学生さんの
文献を読む。
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●On Core-Periphery Effects of Formal Structure and Informal
Networks on Employees’ Innovativeness.
Daniela Iubatti, IESE Business School
Massimo Maoret, IESE Business School
・インフォーマルネットワークでコアな位置にいて、
フォーマルな組織でもコアなユニットにいる個人が、
よりイノベーション(製品数)を行っていた。
・Informal networkは、Formal structureの中に埋め込まれている
・インフォーマルネットワークではコアな存在であったとしても
組織の辺境で仕事をしている個人がいたり、逆に
インフォーマルでは辺境だが、組織ではコア部門にいる人もいる。
・Innovative starsは、フォーマル、インフォーマル双方のコアに
いる個人である。
・辺境にいる人物は、外部とのつながりを持ち、違った考え方をする
・R&Dの研究者と技術者245名に調査。
Network surveyによるソシオグラムデータを得た。
・結果、フォーマルとインフォーマル双方でコアな位置にいる
個人がよりイノベーションを行っていた。
フォーマルにコアにいれば、パワーがあり、資源動員を図りやすい。
インフォーマルにコアにいれば、同僚達から正統性を認められる。
フォーマルとインフォーマルはどちらかではなく、両方が
補完しあっている。
○面白いねー。でも辺境じゃなくて、コアなんだ。
イノベーションの「資源動員」の観点だと、確かに「組織のコア」
にいる人のほうが、資源を動かしやすい。
https://www.learn-well.com/blog/2014/01/post_403.html
独創的な発想は、外部との接点がある辺境のほうがよさそうだけど、
この研究だと、そういう結果にはならなかったんだ。
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17時~
再度、会場に向かい、イタリア人研究者のMassimoとのミーティング。
彼の研究チームが開発した「Network Survey」のツールを、
日本企業でどのように活用できるかを話し合います。
https://www.learn-well.com/blog/2014/08/network_survey.html
弊社の専門分野である「新人と先輩(メンター)」の関係性に
おいて、ネットワーク調査を進める方向で話が進んでいます。
現時点では、下記のような案を考えています。
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・メンターと新人双方に「ネットワーク調査」を行う
・T1(メンタリング関係開始時)とT2(約1年後)の縦断的調査
・メンターは、新人を「ダシ」に、周囲との接点を作ることで
自身のネットワーク(人脈)を広げる
・約1年後のメンターのネットワークの広がり、構造の変化を見る。
(より多様な人との接点が増えた、クローズドからオープンな
ネットワークに変化した、等)
・新人は「性格」「メンターとの関係性」「メンターによる働きかけ」
等から、1年後のネットワークに違いが出るはず。
・従属変数として、新人は「組織社会化(適応度合)」
「業務能力向上」等をおく
メンターは「イノベーション」「報酬」等との関係を見る。
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ここは、トライアル調査にご協力くださるお客様と相談しながら、
変数を決めていけたらと思います。
Massimo自身も乗り気で
・メンターと新人のペアでデータを取れたらありがたい
・日本でのネットワーク調査の件数が少ないので、貴重
とのことでした。
お客様のお役に立ち、研究者にとっても興味深い研究と
なるのであれば、私にとっても嬉しいです。
2016年春以降に、調査をスタートできたらと考えています。
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2日目、終了!
(今日は文献読みがかなり進みました。1日で11本。
ざっと読みだと、1本あたり15分+要約入力15分=30分
集中して何本も読んでいると、スピードが上がるものですね。)
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