2016年12月7日(水)13時~14時45分@東大
中原先生の授業「経営組織論」(7)管理職育成 に参加。
(・印象に残った個所の要約 -授業での意見交換)
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『成長する管理職』 松尾(2013)
・成功したマネジャーへの膨大なインタビュー調査によれば、
マネジャーの成長の7割は「仕事上の直接経験」
2割は「他者からのアドバイスや観察」
1割は「書籍や研修からの学び」によって決まるといわれている。
●参考:「70:20:10の法則」(ブログの下の方)
https://www.learn-well.com/blog/2016/11/post_479.html
・変革の経験が不足している。
・ドラッカー曰く
「他人の育成を手がけない限り、
自分の能力を向上させることはできない。
最も高い成果をあげる人は、”あなたの最大の功績は何か”と
問われると、自分が鍛え上げた人材を引き合いに出して誇るものだ」
・担当者時代から情報分析力は高く、マネジャーになると
目標共有力を伸ばせる。事業実行力の獲得が不足している。
・経路依存性(path dependence) 過去の経験が現在の経験を規定する。
・担当者を指導する際は、権限移譲や直接的指導のようなOJTが
中心になるのに対し、マネジャーを指導するときには、他部門の
上位者を紹介するなど、側面から支援することが多くなる。
・経験の規定因に関する分析結果のようやく
・部下育成経験の経路依存性は低い。
(ということは経験を積めるチャンスが、誰にでも広がっている)
・成果志向が高い人ほど、部下育成の経験を積んでいる。
学習志向が、挑戦的経験そのものを引き寄せる効果を持つ。
・早い段階から、若手社員を変革参加や部門連携の経験を積ませるべき。
・発見事実のまとめ
●マネジャーの育成方法
・リーダーシップ開発の代表的手法
1)アセスメント 2)チャレンジ 3)サポート
・マネジャーの育成体制
・計画的に経験学習をデザインできるかどうかが、
組織力の向上につながるといえる。
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●参考
『経験学習入門』(松尾 2011)
https://www.learn-well.com/blog/2014/07/post_421.html
「経験学習とリーダーシップ」勉強会
(1)https://www.learn-well.com/blog/2016/11/post_478.html
(2)https://www.learn-well.com/blog/2016/11/post_479.html
『仕事で一皮むける』(金井2002)
https://www.learn-well.com/blog/2009/10/post_281.html
『リフレクティブ・マネジャー』(中原・金井2009)
https://www.learn-well.com/blog/2009/10/post_286.html
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●中原先生のイントロダクション
・マネジャー:人を動かして、成果を出す
Getting things done through others
・リーダーシップの構成要素:
Task 何をするのか Relation どうやって動かすか
・1980年代 日本人マネジャーは優秀と世界から評価されていた。
「ミドルアップダウン」野中 日本企業の強さは中間管理職
・2000年代 マネジャー育成の機能不全が叫ばれるようになった
組織のフラット化:階層の前の段階で真似て学ぶことができなくなった
職場の多様化:非正規雇用、年上の部下
・資源としての「経験」≒ developmental challenge 発達的挑戦
・経験=変革参加、部下育成、部門連係
・情報分析力:何をやるのか決める、旗を立てる
目標共有力:巻き込む
事業実行力:やりきる
●クラスでの意見交換
-企業サイズによって変わるのか?
ほぼ変わらない。ただ「変革参加経験」は大企業のほうが高い。
中小企業では、既存事業に精一杯で、新規事業創出が難しい。
大企業の場合、新規事業に挑戦できるが、それに資源動員させることは難しい
-主力事業を経験しておいたほうがよいのか?
会社によって違うだろうが、そうとも言えない。
今の主力事業が、先々もそうだとは言えないから。
-今は「やりきる」がはやりなのかも。GRIDとか「すぐやる」とか。
「戦略」系がはやってない。
GEのJ.ウェルチの4E
「Energy」「Energize」「Edge」「Execute」
-(学生さんへの質問)「マネジャーになりたいか?」
今の職場ならなりたい。現場でがんばりたい。マネジャーもやってみたい。
ミドルよりトップになりたい。マネジャーはやりたくない。
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皆さん、ありがとうございました。
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