伊藤精男先生の論文で引用されていた本。長岡先生、岡部先生、堤さんといった知っている方々も寄稿されている。
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・「喜び」としての「学び」
・「喜び」を味わうために、コミュニティは作られなければならない。
・我々は「教わり学ぶ」という根深い発想から離れる必要がある。
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・エンゲストロムは、熟達による学びを「垂直的学習」とするならば、越境による学びを「水平的学習」と捉えるべきだと論じた。
・越境による学びは、何かに熟達するプロセスとは違って、ものの見方が変わるプロセスであり、更には自分自身の在り方が変わっていくプロセスでもある。
・佐伯(1995)は、「ヨコ」の学習と「タテ」の学習を区別する。「ヨコ」の学習とは、個人があるテーマについて熟達していくタイプの学習である。「タテ」の学習とは、自分のできることそのものを拡張し「何が価値のあることか」を学ぶことである。
・活動理論は、ロシアを中心に展開されてきた心理学のアプローチで、ヴィゴツキーの影響を受けながら、レオンチェフが展開した。
・活動理論では「道具」を必ず分析に含めるのがユニークな点。
・ヴィゴツキーの考え方には、人間は道具を通して世界と関わっている、という基本的な認識がある。
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・研修と実践の乖離改善には「研修で知識を十分学ばせ、現場でそれを適用させる」転移モデルから脱し、現場を直接改変していく越境モデルが必要になる。
・研修での「人と人」「人とモノ・環境」との相互行為の特徴と、現場でのそれらとの違いを良く調査、検討し、研修での相互行為を、より現場のそれに接近させる方法を検討する必要もある。
・現場を良く知る人物や、管理者らと協働で研修を設計していくことが、状況間の乖離改善には求められる。
・行動主義や認知主義が、個人の変化を学習と捉える「個体主義」の立場にたつのに対し、活動理論は、集合体や相互行為といった人やモノとの関係性の変容を学習と捉える「関係論」の立場にたつ。
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・組織にとって好ましい行為や考え方を個人が身につけた時にのみ「学習」とみなされる。学習の評価において重要なのは、共同体にとって何が「正統性をもつ(Legitimacy)」とみなされるかである。
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・組織を変えたいと思ったときは、継続的、長期的に活動を続けることで、蓋然的に、必ず変わる、ということを理解した。ただし、ある集団が変わるには、時間がかかることも理解し、非難や拒絶の声を恐れず、あきらめない覚悟も必要である。
・組織の仕組みや流れをじっくりと見通し、いくつもの「筋」を見つけ、その「筋」に捕らえられたままの状態でも参加できるように工夫することが、プロジェクトを仕掛ける側のまさに業務である。
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・コミュニティには、すでに歴史的に生み出してきた(時に眠った)有用な知恵や資源(変化の種)が存在する。
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・境界を越えつつも維持するという緊張関係から、創造は生まれる。
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・コミュニティの質向上を図るには、参加者のお客様意識を排除し、HRDMコミュニティの一員として、日本の人材育成に貢献することに参画しているという共通認識を作り上げることが大切。
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・大澤(2008、2009)は、戦後の日本社会を「理想の時代」「虚構の時代」「不可能性の時代」と3つの時代区分で把握している。「不可能性の時代」としての現代社会の特徴の一つとして「第三者の審級の撤退」があげられる。
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・大学というメタファーを用いたまちや地域コミュニティとのかかわりを実現する方法。
・功利的な合目的性や特定の目的を設定しないことで、アンラーン的、学びほぐしの効果を発揮させる。
・墨東大学では、一方的にまちでの体験を消費するだけではなく、まちとの関わりを持ち、その成果をまちに還元することを目指し、卒業制作を卒業要件として義務付けた。
・目的を、あえて曖昧にすることで、人々をゆるやかに巻き込むモビリティが形成されたとも考えられる。「浮遊する行為 floating action」「根無し草的実践」と呼ぶことができる。
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・集団の内か外かという境界が比較的クリアであるのが「うつわ型」「箱型」の集まり。ゆるやかだったり、つかの間だったりするが、何らかの時に一気に集合する活動が「拡集的ネットワーク」である。
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【参考】
『デザインド・リアリティ』
『変革を生む研修のデザイン』
「組織開発研究会」(2011年6月~7月)
「経営学習論:越境学習」(2012年7月)
『Learning as Transformation 変容としての学習』
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○研修の現場実践を促すために、知識・スキルの「転移」を図ろうとするのではなく、文脈1(研修室)と文脈2(職場)を横断する「越境」として捉えるというのは面白い!
文脈1(研修室):短時間、一時的、本人にとっての重要度低
文脈2(職場):長時間、継続的、本人にとっての重要度高
文脈2(職場)から、たまに、文脈1(研修室)に、越境することになるので、
そこで、自身のものの見方やあり方を再検討する機会とする。
ただ、そこから、元の文脈2(職場)に戻った時には、文脈1(研修室)で起こった変化の持続が難しい。
文脈2(職場)と、文脈1(研修室)の類似性が高いほど、転移は起きやすい。しかし、違う文脈を横断する「越境」にはなりにくくなる。そうすると、自身のものの見方やあり方を再検討する機会とはなりにくい。
う~ん、まだまだ考えてみよう。
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●講師ビジョンの島村さんからのメール
関根さん、いつもブログを拝見しています。ありがとうございます。今回も感想と事例をお送りします!
(特に参考になった箇所)
研修から文脈2(職場)に戻った時には、文脈1(研修室)で起こった変化の持続が難しい。文脈2(職場)と、文脈1(研修室)の類似性が高いほど、転移は起きやすい。しかし、違う文脈を横断する「越境」にはなりにくくなる。そうすると、自身のものの見方やあり方を再検討する機会とはなりにくい。
(感想)
一人で研修を受けるとどうしても、組織の問題で実践しづらいなどが生じてくるなと思います。部門単位で研修を受講するのがいいと思いました。部門別でその部門の課題解決に繋がる研修を企画することで、みんなで組織を変えようという様になるのだと思います。
(事例)
とある会社の技術部門で社内会議の時間がいつも長くなり、残業時間も増え、非効率な状況をなんとかして変えたいと考える責任者がいた。今まで何人かの部下が会議のためのファシリテーション研修を受講していたのは知っていたが、なかなか実践に苦しんでいるようだった。そこで、責任者は、部門全体で研修受講をしようと思いたった。内容も技術部門の会議テーマをもとに実践的な会議ファシリテーションを学べるようにして、その研修内で今後の会議ルールをみんなで決めた。そして、それを実践してみて、ルールを部会でアップデートしていく事を取り決めた。徐々に技術部門全体で、会議ルールを実践していくようなり、研修内容をみんなで職場で実践し、効率化が実際に進んでいった。
以上です!引き続きよろしくお願いします。
講師ビジョン 島村
(島村さん、いつもありがとうございます!)
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